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ジャンルと地域から探すジャズ

スウィング、ビバップ、ボサノヴァから現代のジャズまで。音楽のスタイルと地域のシーンを手がかりに、気になる作品やアーティストへ進めます。

ジャンルや地域の呼び名は、音楽を探すための手がかりです。一人の奏者や一枚の作品が、複数の流れにまたがることもあります。

Jazz

20世紀初頭、ニューオーリンズで生まれた音楽。以後、世界各地の音楽文化と出会うたびに姿を変えていった、すべての枝分かれの起点。

作品から聴く:The Peaceful Side of Jazz / Jazz in Silhouette

New Orleans Jazz

ブラスバンド、ラグタイム、ブルースが交わって生まれた、ジャズの最初の形。集団即興が特徴。

作品から聴く:The Hot Five Sessions / Louis Armstrong Plays W.C. Handy

Swing

ビッグバンドによるダンス音楽として一世を風靡した時代。Duke EllingtonやCount Basieが代表的存在。

作品から聴く:At the Cotton Club / One O'Clock Jump

Gypsy Jazz

パリで、ロマ音楽の弦楽器伝統とアメリカのジャズが出会って生まれたスタイル。Django Reinhardtが確立した。

作品から聴く:Djangology (Quintette du Hot Club de France) / Nuages

Bebop

ダンス音楽から、聴くための音楽へ。複雑な和声と高速のインプロヴィゼーションを特徴とする革新。

作品から聴く:Ko-Ko / Groovin' High

Afro-Cuban Jazz

ビバップとキューバのクラーベのリズムが、ニューヨークで出会って生まれたジャンル。

作品から聴く:Manteca / Irakere

Cool Jazz

ビバップの熱量に対し、柔らかく抑制された響きを追求したスタイル。

作品から聴く:Chet Baker Sings / Birth of the Cool

Hard Bop

ブルースとゴスペルの感覚をビバップに取り戻した、より泥臭く力強いスタイル。

作品から聴く:Brilliant Corners / Giant Steps

Bossa Nova

サンバのリズム感覚とクール・ジャズの和声が、リオデジャネイロで出会って生まれた音楽。

作品から聴く:Getz/Gilberto / Chega de Saudade

Free Jazz

コード進行や定型的な構造そのものからの解放を試みた、最も急進的なジャズの形。

作品から聴く:Free Jazz: A Collective Improvisation / Out to Lunch!

Brazilian Jazz

ボサノヴァ以降、ブラジル各地の音楽的語彙(フォホーやアフロ・ブラジル音楽なども含む)とジャズ的即興が融合し続けている領域。

作品から聴く:Butterfly Dreams / Fingers

Fusion

ロックやファンクのビート、エレクトリック楽器を取り入れた、モーダル・ジャズ以降の展開。

作品から聴く:Head Hunters / Return to Forever

Nordic Jazz

北欧のフォークの静けさと広い残響感覚を取り込んだサウンド。レーベルECMと共に世界的な様式となった。

作品から聴く:Belonging / Witchi-Tai-To

Argentine Jazz

タンゴの情念とビバップ以降のジャズ語法が交わって生まれた、アルゼンチン独自のジャズ。

作品から聴く:Libertango / Chapter Two: Hasta Siempre

Azerbaijani Jazz

旋法音楽であるMughamと、同じく旋法的即興を持つジャズが出会って生まれた、独自のジャズ様式。

作品から聴く:Waiting for Aziza / Aziza Mustafa Zadeh

Cape Jazz

南アフリカの都市音楽文化と、スウィング以降のアメリカのジャズが出会って生まれたスタイル。反アパルトヘイト運動とも深く結びついた。

作品から聴く:Mannenberg (Is Where It's Happening) / The Promise of a Future

Japanese Jazz

戦後、米軍基地周辺のクラブ文化から発展。1970年代以降、日本の伝統音楽を自覚的に取り込む動きも生まれた。

作品から聴く:Kogun / Scenery

Israeli Jazz

モーダル・ジャズ以降の語法に、クレツマーやミズラヒ系の音階感覚を組み込んだ、1990年代以降に世界的評価を高めたシーン。

作品から聴く:Adama / Notes from the Village

Contemporary Jazz

フュージョンと北欧ジャズ以降の語法が合流し、ジャンルの垣根を越えて更新され続けている現在進行形のジャズ。

作品から聴く:From Gagarin's Point of View / Radio Music Society

Ragtime

シンコペーションを特徴とするピアノ音楽。ジャズそのものではないが、ニューオーリンズ・ジャズが形成される土壌となった、直接の前史にあたる様式。

Stride Piano

左手で低音と和音を交互に跳躍させながら伴奏する、ラグタイムから発展したピアノ奏法。Art Tatumらによって極限まで発展させられた。

作品から聴く:The Genius of Art Tatum, No. 1 / Piano Starts Here

Kansas City Swing

カンザスシティを拠点に発展した、ブルース感覚の強いスウィング様式。Count Basie楽団に代表される、ソロイストの即興を重視するスタイル。

作品から聴く:The Atomic Mr. Basie / April in Paris

Vocal Jazz

器楽的な即興性(スキャットなど)を伴う、ジャズの語法に根ざした歌唱様式。スウィング期からビバップ期にかけて確立された。

作品から聴く:Sarah Vaughan with Clifford Brown / Ella Fitzgerald Sings the Cole Porter Song Book

Soul Jazz

ゴスペルとブルースの感覚を色濃く反映した、ハモンドオルガンを主奏楽器とすることが多い、より大衆的でグルーヴ感の強いハードバップの一派。

作品から聴く:Song for My Father / Idle Moments

Post-Bop

ハードバップの語法にモーダル・ジャズやフリー・ジャズの語彙を取り込みつつ、コード進行という骨格は保持した、1960年代半ばのBlue Noteを中心とする発展形。

作品から聴く:Red Clay / Rosewood

Spiritual Jazz

John Coltrane晩年の作品を出発点に、瞑想性・宗教性を強く帯びたフリー・ジャズの一派。アフリカやインドの精神性への傾倒とも結びついた。

作品から聴く:Karma / Journey in Satchidananda

Latin Jazz

Afro-Cuban Jazz以降、キューバをはじめとするラテンアメリカのリズムとジャズの高度なハーモニーが本格的に融合し続けている、より広い枠組みの総称。

作品から聴く:Irakere / Discovery: Live at Montreux

Jazz-Funk

フュージョンの中でも特にファンクのグルーヴとベースラインを前面に出した、よりダンサブルな一派。

作品から聴く:Jaco Pastorius / Heavy Weather

Nu Jazz

生演奏とエレクトロニクス、クラブ・ミュージックのビート感覚を組み合わせた、1990年代の北欧を中心に生まれた潮流。

作品から聴く:Living Magic / Khmer

Hip-Hop Jazz

ヒップホップやR&Bのビート感覚・プロダクションをジャズの語法に統合した、2000年代以降の潮流。

作品から聴く:Black Radio / Black Radio 2

Ethio-Jazz

エチオピアの5音音階の伝統音楽と、ジャズ、ラテン音楽、ファンクを融合させた様式。Mulatu Astatkeによって確立された。

作品から聴く:Mulatu of Ethiopia / Sketches of Ethiopia

Indo-Jazz Fusion

インド古典音楽のラーガとターラの体系を、ジャズの即興と対等な形で組み合わせる様式。John McLaughlinとインドの奏者たちによるShaktiがその代表例。

作品から聴く:Shakti / Living Magic

Flamenco Jazz

フラメンコ・ギターの奏法とリズム感覚を、ジャズの即興的な語法と結びつけた様式。Paco de Lucíaらの「Guitar Trio」がその出発点のひとつ。

作品から聴く:Friday Night in San Francisco / Lágrimas Negras

Tunisian Jazz

北アフリカのアラブ・アンダルシア音楽の伝統とジャズの即興を融合させた様式。ウード奏者を中心に、静謐で瞑想的な音楽性を特徴とする。

作品から聴く:Thimar / Divine Shadows

Levantine Jazz

東地中海のアラブ古典音楽の旋法とジャズの即興を組み合わせた様式。ウードを主奏楽器とすることが多い。

作品から聴く:Blue Camel / Nafas

Polish Jazz

冷戦下、比較的自由な文化活動として発展したポーランドのジャズ・シーン。叙情的で映画音楽的な感性を持つことが多い。

作品から聴く:Litania: Music of Krzysztof Komeda / Soul of Things

Italian Jazz

ヨーロッパのフリー・インプロヴィゼーションの語法と、抒情的な旋律感覚を併せ持つイタリアのジャズ・シーン。

作品から聴く:Easy Living / Tribe

Dutch Jazz

ICP(Instant Composers Pool)を中心に発展した、ユーモアと前衛性を併せ持つオランダの即興音楽シーン。

作品から聴く:Solo / Two For Two

British Jazz

アメリカのジャズを消化しつつも独自の展開を遂げてきたイギリスのジャズ・シーン。1980年代後半には若い世代による復興も起きた。

作品から聴く:Journey to the Urge Within / Modern Day Jazz Stories

Third Stream

1957年に作曲家ガンサー・シュラーが提唱した用語。ジャズの即興性と20世紀クラシック音楽の語法を統合しようとする様式で、クラシックの名曲をジャズ・トリオで再解釈する奏者たちの活動とも結びつけて語られる。

作品から聴く:Play Bach Vol. 1 / Rokoko Jazz

Choro

19世紀後半のリオ・デ・ジャネイロで、ヨーロッパの舞曲とアフロ・ブラジルのリズムが交わって育った器楽音楽。流麗な旋律と対旋律、即興を含む演奏が、ブラジル音楽の豊かな語彙を形作った。

作品から聴く:Gente da Antiga / Som Pixinguinha