Música Terra

  • 2025-03-21
  • 2025-03-21

知性派現代ジャズの最前線ピアノトリオ。太陽の恵みをテーマとしたフィリップ・レム最新作

オランダ出身のドラマー/作曲家フィリップ・レム(Philippe Lemm)の4枚目となるスタジオ・アルバム『Echo The Sun』。今作ではトリオにインド出身ピアニストのシャーリク・ハサン(Sharik Hasan)を新たに迎え、太陽の恵みによる光と温かさ、回復力をテーマとした音楽的探求を特徴とした素晴らしい現代ジャズを展開する。

  • 2025-03-20
  • 2025-03-20

サンパウロ南部のDJ文化に導かれた人気ミクスチャーバンド、Sandália de Prata 7年振りの新譜

20年以上のキャリアをもつサンパウロのバンド、サンダリア・ヂ・プラタ(Sandália de Prata)の約7年ぶりの新作『Uli Costa e Sandália de Prata』は、ブラジリアン・ファンクのエネルギーが充満した、聴いていて無条件に楽しくなってしまう最高の音楽だ。収録の8曲にはサンバ、ヒップホップ、アフロビート、ジャズ、ファンク、ソウル、ダブといった多様な音楽要素が織り交ぜられ、丁寧にアレンジされたブラスや打楽器隊の賑やかなサウンドが彩り、非常にブラジルらしく個性的な仕上がり。

  • 2025-03-18
  • 2025-03-17

動物たちをテーマにした斬新な現代ジャズ。気鋭鍵盤奏者トニー・パエルマン新譜『Wise Animals』

フランスのピアニスト/作曲家トニー・パエルマン(Tony Paeleman)の新譜『Wise Animals』は、この1981年生まれの鍵盤奏者が2021年にベースのジュリアン・エルネ(Julien Herné)とドラムスのステファン・ハチャード(Stéphane Huchard)とともに録音し高い評価を得た『The Fuse』の待望の続編であり、おそらくは彼のキャリアにおいてもピークに達した感のある傑作だ。

  • 2025-03-16
  • 2025-03-12

鋭くウィットに富んだ視点で社会を皮肉る強烈なアヴァン・ジャズロック。Kadawa 驚異の新譜

イスラエル出身、米国を拠点とするジャズ/プログレシーンで強い存在感を示すジャズロックバンド、カダワ(Kadawa)が2枚目のフルアルバム『Post Graduation Fees』をリリースした。今作はオーヴァーダビングを多用するなどトリオのコア・サウンドを拡張した野心的な作品で、尽きない音楽的探究心によって培われた技巧と芸術性、そして彼ら特有のウィットに富んだ表現力が炸裂する。合わせ鏡によって無限の深淵を覗かせるジャケットが象徴するように、独特の深みを持った傑作だ。

  • 2025-03-15
  • 2025-03-15

パリのメトロから世界へ。誇り高き南仏の社会派ミクスチャーバンド、Zoufris Maracas 達観の新譜

フランスの社会派ミクスチャーバンド、ズーフリ・マラカス(Zoufris Maracas)の4枚目のスタジオ・アルバム『La course folle』。アルバムはコロンビアとフランスで録音され、アフロキューバン、カーボベルデ、マヌーシュジャズなど多様な音楽的要素を取り込み、日常の葛藤や自由への渇望をユーモラスかつ鋭い表現で歌っている。

  • 2025-03-13
  • 2025-03-12

ヨルバ族の文化と現代UKジャズの革新的な融合。鍵盤奏者NIJIの新作『Oríkì』

ナイジェリアにルーツを持つロンドン生まれのピアニスト/作曲家/プロデューサーであるニジ(NIJI)の 新作『Oríkì』がリリースされた。自身のルーツであるヨルバ族の伝統文化や音楽をコンテンポラリー・ジャズと融合させる野心的なプロジェクトであり、その仕上がりはアフロビートの流れを汲みつつ、より現代的に洗練された彼の音楽的探求の優れた成果だ。

  • 2025-03-13
  • 2025-03-14

ジャズに魅了されたモロッコ出身の天才マルチ弦楽器奏者マフムード・ショウキが奏でる“交易の音”

モロッコ出身で現在は米国ニューオーリンズを拠点とするマルチ弦楽器奏者/作曲家マフムード・ショウキ(Mahmoud Chouki)。2024年リリースの『Caravan "From Marrakech To New Orleans"』は、ギターやウードを卓越した技巧で操り、マグレブ(北西アフリカ諸国)の音楽とニューオーリンズで生まれたジャズを融合した独創的な音楽で国際的に称賛される彼の新作だ。

  • 2025-03-11
  • 2025-03-11

台湾原住民SSWタイ・シャオチュン(戴曉君)、パイワン語で歌う未来志向のルーツ・ミュージック

台湾原住民であるパイワン族出身のシンガーソングライター、タイ・シャオチュン(戴曉君, Sauljaljui)『VAIVAIK 尋走』。アルバム名はパイワン語で「旅立つこと」を意味し、彼女の音楽的探求と自己発見の旅を象徴するアルバムで、パイワン族の伝統音楽と世界各地のリズムや楽器を巧みに交えた洗練されたサウンドの中に、どこか懐かしい感覚を想起させる優れた作品だ。

  • 2025-03-10
  • 2025-03-09

内省と解放を繰り返す美しい欧州ジャズ。日系ベルギー人ピアニスト、アレックス・クーの音楽

ベルギー人の父親と日本人の母親を持つベルギーのピアニスト、アレックス・クー(Alex Koo)の新作『Blame It on My Chromosomes』。長年共演してきたベースのレンナルト・ヘインデルス(Lennart Heyndels)とドラマーのドレ・パレマールツ(Dré Pallemaerts)とのトリオ編成を軸に、2曲では米国の人気トランペット奏者のアンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)がゲスト参加した充実の作品となっている。

  • 2025-03-09
  • 2025-03-08

サイケに渦巻く宇宙的グルーヴ!現代に蘇ったアナドル・ロックの注目バンド、Şatellites 新作

イスラエル・テルアビブを拠点とする6人編成のバンド、シャテライツ(Şatellites)が2ndアルバム『Aylar』をリリースした。今作は2021年リリースのデビューアルバム『Şatellites』で確立した70年代のアナトリアン・ロックに強い影響を受けた独創的なスタイルをさらに発展させた作品となっており、西洋音楽には見られない独特の音階や不穏に渦巻くサイケデリックなグルーヴが面白い作品だ。

  • 2025-03-08
  • 2025-03-08

ガーナの伝統と未来を描く“フラフラ・ゴスペルの女王”フローレンス・アドーニ、傑作デビュー作

ガーナの“フラフラ・ゴスペル・クイーン”として注目される歌手フローレンス・アドーニ(Florence Adooni)による国際シーンにおけるデビュー作『A.O.E.I.U. (An Ordinary Exercise In Unity)』。伝統と革新の絶妙なバランス、力強いヴォーカルと洗練されたプロダクション、そして“団結”という普遍的なメッセージによって多くのリスナーに強いインパクトを残す作品となっている。

  • 2025-03-07
  • 2025-03-07

オーストラリア出身、“若手世界最高峰”と噂の超絶ギタリスト、待望のデビュー作『Tides of Time』

若手ジャズ/フュージョン系ギタリストの最高峰と注目されるオーストラリア・シドニー出身のジョシュ・ミーダー(Josh Meader)が、待望のデビュー・アルバム『Tides of Time』をリリースした。ジャズ、フュージョン、プログレッシヴ・ロックなどの影響を混淆したインストゥルメンタルで、彼の性格無比な超絶技巧が爽快な作品だ。

  • 2025-03-06
  • 2025-03-07

セウ・ジョルジの再来!? ストリート叩き上げのブラジリアン・サイケ新星Caxtrinho、驚異のデビュー作

ブラジル・リオデジャネイロから、また新たな狂才が現れた。リオ郊外のバイシャーダ・フルミネンセで育った1998年生まれのSSW、カシュトリーニョ(Caxtrinho)のデビューアルバム『Queda Livre』。サンバやカンドンブレといったブラジルの伝統を確かに受け継ぎながらも、それらの原型をほとんど留めないほどに弄り回し、強烈なファズの効いたギター、ドラッグに塗れたジャズを大鍋にぶち込んで掻き混ぜたような凄まじい音楽だ。

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