- 2026-08-21
- 2026-08-10
カナダ出身気鋭ドラマー アンソニー・ファング、丁々発止のギタートリオ作『Common Language』
カナダ出身のドラマー/作曲家アンソニー・ファング(Anthony Fung)の7枚目のリーダー作『Common Language』。彼の従来の作品で見られたホーン主体のコンテンポラリー・ジャズから一歩進み、ギタートリオという極めてシンプルな編成を軸に据え、ジャズの本質である“共通言語”、つまり言葉ではなく即興演奏による相互理解を追求している。
カナダ出身のドラマー/作曲家アンソニー・ファング(Anthony Fung)の7枚目のリーダー作『Common Language』。彼の従来の作品で見られたホーン主体のコンテンポラリー・ジャズから一歩進み、ギタートリオという極めてシンプルな編成を軸に据え、ジャズの本質である“共通言語”、つまり言葉ではなく即興演奏による相互理解を追求している。
つい先日(2026年7月24日)、彼自身の悲願であったというサンバ・アルバムをリリースしたイヴァン・リンス(Ivan Lins)だが、そのわずか1ヶ月後に彼関連の新たなアルバムが届いた。ファンにとっては夢のような話だ。なぜなら、今作『Banda Mandacarinho convida Ivan Lins』はイヴァン・リンスの往年の名曲たちに焦点が当てられ、新たなアレンジで彼の歌が聴けるのだから…。
オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。
現代ブラジル器楽音楽を代表する4人──、ベース奏者のブルーノ・ミゴット(Bruno Migotto)、ギタリストのヴィニシウス・ゴメス(Vinícius Gomes)、ドラマーのエドゥ・ヒベイロ(Edu Ribeiro)、そしてアコーディオン奏者トニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)が、ECMレーベル作品を多数録音していることで知られる南フランスのスタジオ「La Buissonne」に集い録音したアルバム『O Tempo das Cores』をリリース。洗練された音楽性のなかに暖かく息づく、ブラジルらしい陽光が散りばめられた傑作だ。
映画『ニホンジン』を観たあとで、原作小説『ニホンジン』を読むと、かなり印象が変わる。ヒデオ、ノボル、ハルオといった人物は共通しているが、人物関係や出来事には大きな違いがある。映画では整理された家族関係が、原作ではもっと複雑で、そこには映画でほとんど描かれなかった人物たちの人生もある。セリア・カトゥンダ監督によるアニメーション映画『ニホンジン』は、原作をそのまま映像化した作品ではない。映画を観たからこそ気づける、原作との違い。ここでは、その違いを中心に『ニホンジン』を紹介してみたい。
イラン出身のクラリネット奏者シャブナム・パルヴァレシュ(Shabnam Parvaresh)率いる実験的ジャズトリオ、シーン・トリオ(Sheen Trio)の新譜『Transitory』が面白い。イギリス出身のギタリスト、ウラ・マーティン=エリス(Ula Martyn-Ellis)と、ドイツ出身ドラマーのフィリップ・ブック(Philipp Buck)という国籍や文化を超えたトリオで、構造的な側面と即興的な側面を自在に行き来し、不安定な現代社会の混乱と、それでも未来へと向かう希望のエネルギーを象徴するような音楽を奏でる。
「最近、音楽の価値が下がったように感じる」日々音楽を探し、聴き、そしてムジカテーハを通じて発信をしながら、最近そんなふうに感じることがあります。
2026年に登場したラッパーのホームボーイ・サンドマン(Homeboy Sandman)とプロデューサーのジャック・スプラッシュ(Jack Splash)とのコラボ・アルバム『Resonance Frequency』は、ジャズ・ヒップホップの長い系譜の最新章として必聴の作品だ。
中国出身、現在は米国ニューヨークで活動する作曲家/ピアニストのストラッキー・イー(Strucky Yi)が初のジャズ・アルバム『Setting Out』をリリースした。ギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman, g)やサイモン・ムーリエ(Simon Moullier, vib)といったNYの最前線で活躍するミュージシャンを迎え、楽曲ごとにバンド編成を変えつつ、高度なインプロヴィゼーションを交えながらストラッキー・イーの美しいオリジナル曲の演奏が繰り広げられる。
マーシャル・アレン(Marshall Allen)、1924年生まれ。サン・ラ・アーケストラ(Sun Ra Arkestra)のリーダーを、サン・ラ亡き後30年以上務めている人物だ。筋力は30歳頃をピークに加齢で低下し、80歳以降は低下速度がさらに大きくなるという。サックス演奏に必要な呼吸筋、姿勢保持、指の巧緻性を100歳超で維持することは生理学的にも極めて難しいはずだ。これらの事実を鑑みれば、100歳で初のソロ名義のアルバム『New Dawn』をリリース後、わずか1年で第2作目となる本作『101: An Audio Odyssey』をリリースしてきたことに、奇跡に限りなく近いものを見る驚きを禁じ得ない。
スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。
フランスの新鋭ピアニスト、トリスタン・メリア(Tristan Mélia)のソロピアノ作『The Bird in My Heart』が素晴らしい。アルバムはピアノ演奏、録音、ミキシング、マスタリングがすべて彼自身によって行われており、真に内省的な制作プロセスを通じて生み出された音にはアーティストの独白が綴られており、さらにはその奥に秘められた彼の魂の咆哮を感じさせる。3曲のカヴァーと、5曲のオリジナルを収録。
ブラジルの新世代シンガーソングライター、アマンダ・マガリャンイス(Amanda Magalhães)の2026年新作『Era Uma Vez o Amanhã』は、MPB/ソウル路線をゆく彼女の従来作の主要なテーマであった個人的感情や恋愛から一転、社会や政治の問題について先鋭的にラップする革新的な作品だ。アルバムタイトルは、おとぎ話の定型句「Era uma vez(昔々)」と「Amanhã(明日)」を結びつけた「昔々、明日というものがあった」という逆説的表現で、未来そのものがすでに失われつつあるのではないかという感覚を示唆。歌詞では現代社会のテクノロジー、労働、資本主義、SNSと承認欲求、環境問題、そして未来の社会像について歌っている。
「カーヌーン」という楽器名を聞いて、すぐにピンとくる人は多くはないかもしれない。しかし、ひとたびその音色に触れたなら、誰もが瞬く間にその魅力の虜になってしまうはずだ。今回紹介するのは、1995年にハイファで生まれたパレスチナ人で、米国の名門バークリー音楽大学でジャズを学んだカーヌーン奏者フィラス・ズレイク(Firas Zreik)。近年の音楽はますますグローバル化が進み、カーヌーンでジャズを演奏する音楽家も増えているが、そんな中でもカーヌーンを即興音楽の主役へ押し上げた重要人物の一人とみなされている。