- 2026-03-20
- 2026-03-18
アルゼンチンのシンガー、ロクサナ・アメッドが探訪するアルゼンチン・ロック黄金時代
アルゼンチンのジャズ・シンガー、ロクサナ・アメッド(Roxana Amed)の2025年作『Todos los Fuegos』は、共同プロデューサーであるピアニストのレオ・ジェノヴェーゼ(Leo Genovese)とのコラボレーションで、アルゼンチンの60年代〜80年代のロック黄金期へと再訪する作品だ。
アルゼンチンのジャズ・シンガー、ロクサナ・アメッド(Roxana Amed)の2025年作『Todos los Fuegos』は、共同プロデューサーであるピアニストのレオ・ジェノヴェーゼ(Leo Genovese)とのコラボレーションで、アルゼンチンの60年代〜80年代のロック黄金期へと再訪する作品だ。
ポーランドのSSW/マルチ奏者のヤチュカ・クワパ(Jadźka Kłapa)の2025年作『Dobry Duch』は、抒情的な物語を複雑な音楽性に乗せた素晴らしい傑作だ。このアルバムでは、彼女にとって重要な音楽的パートナーであり、アカ・セカ・トリオ(Aca Seca Trio)の鍵盤奏者として知られるアルゼンチンのアンドレス・ベエウサエルト(Andrés Beeuwsaert)を全面的にフィーチュアし、さらにはストリングス・カルテットによって荘厳な世界観な築き上げている。
現代のマグレブ社会を象徴するシンガーソングライター、スアド・マッシ(Souad Massi) の新作のタイトル『Zagate』は、フランス語で「事態は悪化している」を意味する「ça se gâte」に由来するアルジェリア風スラングだという。この作品は、四半世紀前にアルジェリアからフランスに亡命し、今もなお社会的なテーマを創造力の源とする彼女による、混乱や暴力や人種差別、戦争が絶えない現代社会への鋭利な警告だ。
イスラエル出身のピアニスト/作曲家、オメル・クライン(Omer Klein)の新譜『The Poetics』は、長年活動を共にするベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)に加え、オランダのアルトサックス奏者ティネカ・ポスマ(Tineke Postma)、イスラエルのテナーサックス奏者オムリ・アブラモフ(Omri Abramov)、さらにコロンビア出身の打楽器奏者トゥパク・マンティージャ(Tupac Mantilla)というセクステット編成が特徴のアルバム。
タンゴという音楽には、一般に重厚でダークなイメージがつきまとう。これまでもタンゴの“軽やかな側面”を幾度も発信してきたマルセラ・アローヨは、今作でもタンゴの明るく軽やかな側面に焦点をあて、アルゼンチンのほかの伝統音楽やジャズの要素も交えながら“新しい時代のタンゴ”を模索してゆく。
スペイン・メノルカ島出身のジャズピアニスト/作曲家のマルコ・メスキーダ(Marco Mezquida)は、新作『Táctil』で“音の手触り”を表現しようとしている。Táctilとはスペイン語で「触覚の」「手触りの」といった意味を持つ単語で、音楽における触覚的な感覚を呼び覚まそうとする試みだ。
人類が長い歳月と数えきれないほどの犠牲から学んだ末に築き上げた秩序を、人気者の利己的な指導者が実にカジュアルに壊してゆく。このやりきれない世界で、「愛だけが真実だ!」と確信をもって言える人がどのくらいいるだろうか?インドを拠点にグローバルに活躍するヴァイオリン奏者、アプールヴァ・クリシュナ(Apoorva Krishna)の新作『Only Love is Real』は、「東洋と西洋の出会い」といった手垢のついた言葉を超え、「ただ在る(being)」という境地から生まれた。
現代ジャズを代表するピアニスト/作曲家のシャイ・マエストロ(Shai Maestro)の新作『The Guesthouse』は、時空すらも操っているのではないかと思わせるほど優れた傑作だ。彼の音楽は世界のユートピアを描くと同時に、ディストピアも体現する。その場の感情を、彼らがその長い人生のなかで培ってきた技術で即興的に表出する音楽である「ジャズ」を、ここまでアーティスティックに昇華した作品はほかになかなか見られない。個人的にシャイ・マエストロは2016年の名盤『The Stone Skipper』が頂点だと感じていたが、今作はそれを遥かに超えてきた。
コロンビア・ボゴタを拠点とする気鋭ギタリスト/作曲家サンティアゴ・サンドバル(Santiago Sandoval)の2025年作『Somático』は、ドラムス、ダブルベースとのトリオ編成でユニークなジャズを聴かせてくれる良作。
オデッド・ツール(Oded Tzur)が奏でるテナーサックスは、ごくごく普通の真鍮製の楽器なのに、なぜだか“木の音”がする。もっと言えば、木管の中をとおる、“風の音”がする。オデッド・ツールのテナーサックスはいつもとても繊細で、まるでヨガの呼吸の延長にあるかのようだった。けれど、2026年3月初頭にリリースされた彼の新作『Make A Sound』を聴いて、正直僕はかなり驚いた。
7年の音楽的パートナーシップを経て、ヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)とヴァニーユ・ゴヴァールツ(Vanille Goovaerts)のヴァイオリン・デュオ作『Arcos Brasileiros』が発表された。二人は曲ごとに起源を共有する二つの弦楽器──ヴァイオリンとハベッカ──を使いわけ、文化的にふたつの楽器を分け隔てなく再統合しようとする。
パーフェクト、なアルバムではないだろうか。巨匠ギタリスト、パット・メシーニ(Pat Metheny)の新作『Side-Eye III+』。久々にフュージョン/ブラジル音楽寄りのアルバムで、どこまでも果てしなく広がる空間的なサウンドはライル・メイズが居たかつてのパット・メシーニ・グループを彷彿させつつ、確かに現代の音にアップデートされている。長尺の楽曲群はメシーニらしいドラマチックな展開が満載で、アクセルを緩めることなくハイウェイを疾走し、次々と景色が流れゆくかのよう。もう一度言おう、完璧な作品だ、と!
“古代ユダヤの民族伝統を深く掘り下げ、遺産と現代アートを織り交ぜた、今この瞬間に息づく伝統の真髄を捉えた洗練された魂の旅”──。イスラエル・ジャズの若き正統な後継者、エデン・ギアット(Eden Giat)。クラシックを礎とした端正な技巧と、ユダヤの伝統的な文化に由来するリリシズムを併せ持った注目のピアニストが、自身2枚目となるリーダー作『Eifo Halev』をリリースした。
サン・アンドレウ・ジャズバンド出身のトランペット奏者/シンガーのアンドレア・モティス(Andrea Motis)の2026年新譜『Intimate』は、彼女の音楽的ルーツであるフォーク、R&B、ジャズ、そして特にブラジルの音楽たちを、ギタリストとのデュオで淑やかに演奏する親密な作品だ。1曲を除きカヴァーとなっており、幅広いジャンルからの選曲は、10代の頃から華やかな活躍で注目されてきた彼女の音楽的な集大成と言えるだろう。