- 2026-04-15
- 2026-04-15
カタルーニャ出身トロンボーン奏者アルバ・プジャルス、「文化混淆」をテーマにした先鋭的ジャズ
スペイン・カタルーニャ出身、現在はアメリカ・ニューヨークを拠点とするトロンボーン/フルート奏者/歌手/作曲家のアルバ・プジャルス(Alba Pujals)の2ndアルバム『Sincretisme』。8曲中6曲がアルバ・プジャルスによる作曲で、タイトルであるシンクレティズム(混淆主義)が示すとおり、ジャズを基調に現代的なジャンル混淆をテーマとした先鋭的な快作だ。
スペイン・カタルーニャ出身、現在はアメリカ・ニューヨークを拠点とするトロンボーン/フルート奏者/歌手/作曲家のアルバ・プジャルス(Alba Pujals)の2ndアルバム『Sincretisme』。8曲中6曲がアルバ・プジャルスによる作曲で、タイトルであるシンクレティズム(混淆主義)が示すとおり、ジャズを基調に現代的なジャンル混淆をテーマとした先鋭的な快作だ。
2025年初頭にEP『Fantastik』で注目を集め、その後(6)「Soleil Bleu」のバイラルヒットなどで更なる注目を集めたフランスのシンガーソングライター、ルイーザ(LUIZA)の待望の初フルレンス・アルバム『Luiza』がリリースされた。幼少期からブラジル音楽やフレンチポップ、ワールドミュージック、レゲエといった文化に囲まれて育った彼女のハイブリッドなポップセンスが凝縮された内容で、“トロピカル・ポップの新たなヒロイン”を強く印象づけるものとなっている。
卓越した技巧と、繊細かつ大胆な表現力。互いの音に耳を傾け、指先で呼応する。エフェクターで遊び、心から演奏を楽しむ──。ブラジルのベース奏者フィ・マロスティカ(Fi Maróstica)と、クラリネット奏者アレシャンドリ・ヒベイロ(Alexandre Ribeiro)は約20年前に初めて会ったときから、互いを昔から知っている“古い友人”であるかのように感じたという。彼らの初のデュオ作である『Devaneio』は、クラリネットとベースという最小限の編成ながら、様々な工夫と遊び心によって彩られた、とても美しいアルバムだ。
「冷戦でソ連が勝った世界線」を夢想するフランスのデュオ・ユニット、ソヴィエ・シュプレム(Soviet Suprem)の4thアルバム『Rouge』がリリースされた。前作『Made in China』は現代の社会主義大国・中国を中心にアジアをテーマとしたが、今作では原点であるソヴィエト的世界観に立ち返り、鮮烈なルージュ=赤(もちろんそれは共産主義の象徴的な色だ)をジャケットに掲げ、ブラックユーモアで社会を皮肉る。
二人の“魔法使い”の名は、イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヤキール・アルビブ(Yakir Arbib)と、カメルーン出身のドラマー/パーカッショニスト/作曲家コンティ・ビロング(Conti Bilong)。アルバムのタイトルのとおり、二人のルーツである中東と中央アフリカの伝統的なリズムや旋法を基調とし、J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)に代表されるバロック様式の対位法やジャズのダイナミックな即興が高度に融合した、複雑なのに親しみやすく、伝統の上に成り立っているのに斬新な演奏が繰り広げられる。
ブラジルのシンガーソングライター、ヴァネッサ・ピニェイロ(Vanessa Pinheiro)と、7弦ギター奏者フェリクス・ジュニオール(Felix Junior)による、心温まる“歌とギター”。ふたりの2025年作『Casa De Vó』は、家族や日常の中にあるささやかな喜びや自然の美しさを描いた、素朴で素敵なアルバムだ。
米国のギタリスト、デヴィッド・フュージンスキー(David Fiuczynski)の1999年のアルバム『Jazzpunk』は、今こそ再評価されるべき作品かもしれない。彼にとってのヒーローたちの楽曲をジャズの技術とパンクの精神で再解釈したこのアルバムは、主流のブレイク・スルーとはならなかったかもしれないが、潜在的な意識面でジャズという音楽に対する“革新”の流れを加速させた傑作だと思う。
ウクライナのドンバス2に縁のある8人の女性によるグループ、ドーターズ・オブ・ドンバス(Daughters of Donbas)による『Songs of Stolen Children』は、ウクライナで現実に起こっている惨状を広く国際社会に訴えるアルバムだ。ウクライナの人権団体によると、ロシア・ウクライナ戦争が始まって以来、生後4ヶ月から17歳までの約2万人の子供たちがロシア領に強制的に連れ去られ、その多くが軍事キャンプに連れて行かれたという。
ショーロに特化したブラジルの名ピアニスト、エルクレス・ゴメス(Hércules Gomes)のアルバム『Bremen Solo』は、ドイツの歴史あるコンサートホール、ゼンデザール・ブレーメン(Sendesaal Bremen)で行われたソロライヴを録音した作品。収録の16曲はすべてエルクレス・ゴメス作曲のオリジナルとなっており、稀代のショーロ・ピアニストの魅力が余すところなく発揮された絶品だ。
ブラジル出身、現在はドイツを拠点に活動する気鋭ギタリスト/作曲家ルーカス・エチェヴェリア(Lucas Etcheverria)が、2作目となるフルレンス・アルバム『Color Is a Gift』をリリースした。ドラムス、ダブルベースとのトリオを軸に、カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)を含むゲストを交え、卓越したコンポージングのセンスと豊かな色彩のバンド・アンサンブルが魅力の作品となっている。
アメリカ・テキサス州出身のエリトリア系トランペット奏者ハーモン・メハリ(Hermon Mehari)と、3人のフランス人音楽家──ピアニストのエンゾ・カルニエル(Enzo Carniel)、ベーシストのダミアン・ヴァライヨン(Damien Varaillon)、ドラマーのステファン・アズュアール(Stephane Adsuar)──によるカルテット、ナウ・ビューティ(NO(w) Beauty)による2枚目のアルバム『(un)Seen』。伝統的なジャズと、フランスらしい多文化がもたらす知的な音楽的探求が楽しい作品だ。
ドイツのヴォーカリスト、セリーヌ・ルドルフ(Céline Rudolph)が、ブラジルのピアノ奏者エンヒキ・ゴミヂ(Henrique Gomide)とギター奏者ジョアン・ルイス・ノゲイラ(Joao Luis Nogueira) と共演し、ブラジル音楽を歌うヴォーカル・トリオ作『Amaré』。ブラジル音楽の豊かな遺産とジャズの即興性を融合させた作品で、タイトルは“潮”を意味する(a maré)と“愛とは”(amar é)という二つのテーマを象徴する。
サズ/ヴォーカルのフロントウーマン、ルナ・エルシャヒン(Luna Ersahin)のルーツであるトルコ/クルドの音楽と、北欧デンマークのロックが融合した音楽性が高く評価され、前作『KÖY』(2023年)がデンマーク・ミュージック・アワード(DMA)のワールド・ミュージック部門を受賞するなど人気が高まっているスリーピース・バンド、アイセイ(AySay)が、サードアルバムとなる『Mal』をリリースした。
カリブ海に浮かぶフランス領マルティニーク出身のピアニスト/シンガーソングライター、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の新譜『Darling』。現代クレオール・ジャズの傑作と言って過言ではない傑作だろう。ソロピアノ作品『Yonn』(2022年)やトリオでの野心作『Phoenix』(2024年)を経て、今回のソロ作は彼のキャリアの頂点のように感じる。