ニュージーランド発スピリチュアル・ジャズ楽団、The Circling Sun デビュー作『Spirits』

The Circling Sun - Spirits

NZのジャズ・コレクティヴ、デビュー作『Spirits』

20年以上前にその活動を始め、以来常に変化し続けてきたというニュージーランドのジャズ・コレクティヴ、ザ・サークリング・サン(The Circling Sun)が待望のファースト・アルバム『Spirits』をリリースした。サン・ラやファラオ・サンダース、アリス・コルトレーンらを彷彿させるスピリチュアル・ジャズを身上とする9人のミュージシャンと、8人から成るコーラス隊が繰り広げる音楽は非常に空間的かつ刹那的で、身を委ねたくなる心地よさがある。

録音はヴィンテージの機材を用いライヴ録音され、あとから多少のオーヴァー・ダビングが加えられている。リフを繰り返すベース、ラテンのパーカッション、数本のざらついたサックス、軽やかなフルート、モジュラー・シンセ、モダンなピアノ、女性コーラスなど70年代前後にありそうなサウンドで、彼らの長年のセッションで繰り返されてきた自由な音の探求の集大成と呼ぶに相応しいものになっている。

(1)「Bones」

(2)「Kohan」は彼らのテカポ湖のほとりにある日本食レストラン“湖畔(Kohan)”に捧げられた曲。ゆったりとした有機的なグルーヴと、どこか東洋的なフルートの音色が印象的な演奏だ。

(2)「Kohan」

アルバムは全曲が彼らのオリジナル。即興やグルーヴを重視し主体としているため構成は単調なものが多いが、特に(6)「Plume」など緊張と弛緩の感覚に秀でており、音楽に浸るには最高だ。
全編を通して活力に満ち、音楽を心と体で感じながら演奏し歌う喜びが伝わってくる。奇を衒うことなく古典的だが、それが良い。

The Circling Sun :
Cameron Allen – tenor saxophone, alto saxophone
John Bell – vibraphone, cornet, tenor horn
Cory Champion Buchla – modular synthesizer
Julien Dyne – drums, percussion
Guy Harrison – piano, Fender Rhodes electric piano, Korg Delta synthesizer
Jong-Yun Lee – flute, bass clarinet, alto saxophone, baritone saxophone, soprano saxophone
Chris O’Connor – harp
Finn Scholes – trumpet, trombone, vibraphone
Ben Turla – acoustic bass

Choir :
David Afase
Samara Alofa
Crystal Chen
AJ Fata
Abigail Aroha Jensen
Kenny Sterling
Navakatoa Tekela-Pule
Lisa ‘Romi’ Wright

The Circling Sun - Spirits
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