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ヒップホップ

  • 2025-01-25
  • 2025-01-25

現代社会の行く末を視る。ブラジリアン・ミクスチャー最強バンド、BaianaSystem 圧巻の新譜

ブラジルの人気アフロロック・バンド、バイアーナシステム(BaianaSystem)の2025年新譜『O Mundo Dá Voltas』。2025年も始まったばかりだが、早くも年間ベストの候補となりそうな凄まじいクオリティの作品だ。彼らにとって5枚目のアルバムは、ブラジル音楽やレゲエ、ヒップホップを中軸としたこれまでの路線を踏襲しつつ、さらにアフリカやカリブ海、ポルトガル新世代の色が濃くなり、その表現は急速に混ざり合うグローバル社会の中での存在感を増している。

  • 2025-01-19
  • 2025-01-20

“宗教2世”として育ったブラジル出身新鋭女性ラッパー、ライス。必聴の新世代グローバルHip-Hop

1999年にブラジル・サンパウロに生まれ、新興宗教の信者としての実家での生活に適応できず14歳でアメリカに移住、その後2018年にドイツに移住した女性ラッパー、ライス(Laíz)のデビュー作『Ela Partiu』は、新人とは思えないクオリティに驚かされる作品だ。彼女の確立された個性から放たれるラップ、20名から成るバックバンド”The New Love Experience”によるジャズ、ファンク、トロピカリア、アフロビートなどを境界なく融合した高度なアンサンブルは、この特異な人生を歩んできた新世代のアーティストの登場を盛大に祝福する。

  • 2025-01-17
  • 2025-01-17

UKジャズ新世代アシュリー・ヘンリー、現代社会と個人の関係について考えを巡らせる新作『Who We Are』

一躍ロンドンのジャズ・シーンの中心に降り立った2019年のデビュー作『Beautiful Vinyl Hunter』から早5年。ピアニスト/作曲家アシュリー・ヘンリー(Ashley Henry)が待望の新作『Who We Are』をリリースした。幼い頃からレコードに囲まれ、自然と音楽の女神に導かれた時代の寵児による、現在進行形のUKジャズを象徴するような素晴らしい作品だ。

  • 2024-12-29
  • 2024-12-22

サンバ・ヒップホップの先駆者マルセロD2、“新しいトラディショナル・サンバ”を謳う新作

全編生バンドでのブラジリアン・ヒップホップ作『Direct-to-Disc』を2024年11月にリリースしたばかりのサンバ・ヒップホップの先駆者、マルセロ・デードイス(Marcelo D2)が、早くも新しいプロジェクトからの新譜『Manual Prático Do Novo Samba Tradicional, Vol. 1: DONA PAULETE』をリリースした。“新しい伝統サンバの実践マニュアル”という意味を持つ今回のプロジェクトでは、2025年のカルナヴァルまでに4枚のアルバムをリリースする予定。

  • 2024-12-28
  • 2024-12-21

Música Terra が選ぶ 2024年ベストアルバムTOP10【DJ mitsu編】

Love1Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2024年のベストアルバム。基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。今年はあれこれ聴き漁るというよりは気に入 […]

  • 2024-09-22
  • 2024-12-31

イスラエルのSSWノガ・エレズ待望の新譜『THE VANDALIST』、欺瞞に満ちた社会への最後の抵抗

ずっと厭世的だった彼女の歌は、いよいよ絶望の色を極めてきた。イスラエルのシンガーソングライター/プロデューサー、ノガ・エレズ(Noga Erez)。新作アルバムに付けられたタイトルは『THE VANDALIST』。つまり、愛し尊ぶべきもの、美しいものの“破壊者”たちへの彼女なりの最後通牒なのだろう。

  • 2024-07-21
  • 2024-07-18

気鋭SSWリタ・ヴィアン、エレクトロニック・ファドで紡ぐ言葉と歌

ポルトガルのシンガーソングライター、リタ・ヴィアン(Rita Vian)による初のフルレンス・アルバム『Sensoreal』(2023年)。2021年のデビューEP『CAOS'A』がポルトガル・ミュージック・アワードの新人賞にノミネートされ話題となった気鋭アーティストが放つ絶妙のセンスのエレクトロニック・ファドだ。

  • 2024-07-14
  • 2024-07-14

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑩英国フィメールラッパーの登場と、クラシック「It’s a Shame」

ネイティブタンのフィメールラッパーとして真っ先に思い浮かべるのは、クイーン・ラティファ(Queen Latifah)だろう。そのクイーン・ラティファと楽曲「Lady First」で共演していたのがモニー・ラブ(Monie Love)である。今回はネイティブタン時代に残した2作のうち、代表作である90年の1stアルバム『Down to Earth』を取り上げていきたい。

  • 2024-03-31
  • 2024-03-31

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑨HipHop黄金期と2枚目のジンクス。”変わり者”Black Sheepの94年作『Non Fiction』

オールドスクールのマッチョで攻撃的なラップのイメージを覆して、誰もが聴ける楽しいHipHopであるニュースクール。それらを作り上げたジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)やデ・ラ・ソウル(De La Soul)といったネイティブ・タンの首謀者たちのデビューは概ね1988年〜90年。『Straight Out The Junge』や『3 Feet High and Rising 』などの名盤が多い一方、黎明期特有の荒さが目立つこの時期を経て、93〜94年、彼らのはより洗練された作品へと昇華されていく。本特集で取り上げたビートナッツ(Beatnuts)の『Street Level』やコモン(Common)の『Resurrection』はいずれもこの時期に発表された作品である。そして、本稿で取り上げるブラックシープ(Black Sheep)の『Non Fiction』もまた、94年に発表された彼らの2枚目の作品となる。

  • 2024-03-10
  • 2024-03-10

才媛J. ラモッタ すずめ、テルアビブでの幼少期の想い出にインスパイアされた傑作新譜『אסולין』

モロッコ系イスラエル人SSWのJ. ラモッタ すずめが、7枚目となるアルバム『Asulin』(ヘブライ語表記:אסולין)をリリースした。2022年作『So I’ve heard』以来積極的に母国語の歌をリリースする彼女だが、今作も全編ヘブライ語でサウンド面でも中東音楽の影響が強くなっている。

  • 2024-02-29
  • 2024-02-28

ベネズエラ出身打楽器奏者オレステス・ゴメスが贈る、黄道12星座をテーマにしたクリミナル・ジャズ

ベネズエラで生まれ育ち、現在はメキシコに住むドラマー/パーカッショニスト/作曲家、オレステス・ゴメス(Orestes Gómez)の新作『Ascendentes』は、ジャズとアフロ・ヒップホップが高度に融合した心地よいアルバムだ。テーマは黄道十二星座で、各楽曲のタイトルにはスペイン語の星座名が付けられている。

  • 2024-02-03
  • 2024-02-03

ダーティ・サウスは終わらない。Sauce Walka 『DAT BOY DEN』

「ダーティ・サウス」とも呼ばれる南部のHipHop。グッディ・モブ(Goodie Mob)にはじまり、クランクで一世を風靡したリル・ジョン(Lil' Jon)、グラミー賞アーティスト・アウトキャスト(Outcast)、そして「キング」T.I etc…。超有名ラッパーを多数輩出するサウスHipHop界。その中で今注目したいのがこのソースウォーカ(Sauce Walka)だ。

  • 2024-01-25
  • 2024-09-23

カメルーン系フランス人ラッパー James BKS、自身のルーツ“アフリカ”を探求する2部作

カメルーン系フランス人のラッパー/プロデューサー、ジェイムス・BKS(James BKS)のデビューアルバムである二部作『Wolves of Africa』は、アフリカン・ディアスポラである彼が多くのミュージシャンを迎えてそのルーツを探ろうとするアフリカ系ヒップホップの傑作だ。2022年にリリースされた『Part 1/2』、そして2023年リリースの第二弾『2/2』ともに素晴らしい内容で、ここでまとめて紹介したい。

  • 2024-01-01
  • 2024-01-01

キャラバン・パス20周年!灼熱のエネルギー渦巻くジプシー音楽最高峰バンドの集大成アルバム

ジプシー音楽(ロマ音楽)を揺るぎない軸とし、ヒップホップやレゲエ、フラメンコ、ジャズなどを独自の感性でミックスしカルトな人気を得てきたフランスのバンド、ラ・キャラバン・パス(La Caravane Passe)が結成20周年という節目の2023年にリリースした新譜『Hôtel Karavan』は、彼らの集大成ともいうべき必携の作品だ。