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イスラエル

  • 2026-09-27
  • 2026-09-22

ユダヤのルーツに想いを馳せる、クラリネットとピアノの叙情派ジャズ。Sam Sadigursky & Yotam Ishay『-ish』

ロサンゼルス出身で現在はニューヨークを拠点に活動するクラリネット奏者/作曲家サム・サディガースキー(Sam Sadigursky)と、イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヨタム・イシャイ(Yotam Ishay)によるデュオ・アルバム『-ish』。全12曲、ゲストは招かずに全編たった二人だけの演奏だが、ジャズと室内楽を軸に、イスラエルの歌曲やユダヤ音楽など、それぞれが培ってきた文化的・音楽的背景が自然に溶け込んだ興味深い作品となっている。

  • 2026-09-21
  • 2026-09-21

感情の機微に触れる無二のトランペット。イスラエル出身イタマール・ボロホフの”わたしたちと共に”が意味するもの

前作『Arba』があまりに素晴らしく、2023年のベスト・アルバムのひとつに挙げていたトランペット奏者/作曲家イタマール・ボロホフ(Itamar Borochov)の待望の新作『Imanu』がリリースされた。タイトルは「イマーヌ」と読み、ヘブライ語で“わたしたちと共に”の意味。ユダヤ教の祈りなどにも登場する表現で、「神は私たちとともにいる」を意味する「Immanu El(インマヌエル)」にも含まれる。セファルディや音楽やユダヤの伝統を自身の音楽的ルーツとしてきた彼にとって、この言葉は、逆境のなかで音楽を通じて意味を見いだし、人や精神的な何かとつながっていくという本作のテーマと深く響きあう。

  • 2026-09-08
  • 2026-08-23

微分音だらけの原始スープ的音楽。テルアビブの鬼才イタマール・クルーガー新譜『Primordial Soup』

トルコ系サイケデリック・ロック・バンド、Şatellites(シャテライツ)の創設者として知られるマルチ器楽奏者/作曲家イタマール・クルーガー(Itamar Kluger)が、自身のソロ・プロジェクト「Eje Eje」名義のデビュー作『Primordial Soup』をリリースした。洋の東西を問わず幅広い音楽を混合した音楽性は、生命発生の起源「原始のスープ」を意味するアルバム・タイトルに象徴されている。

  • 2026-07-23
  • 2026-07-21

豪サックス奏者ジュシュア・モシェ、自らのルーツ・ユダヤ文化に根差した現代ジャズ注目作『Art Don’t Lie』

オーストラリア・メルボルンを拠点に活動する気鋭サックス奏者/作曲家ジョシュア・モシェ(Joshua Moshe)が、彼の個人的なルーツやアート観を丁寧に込めた新譜『Art Don't Lie』をリリースした。8人編成のバンドを基本とした彼らの演奏は、一聴して分かるとおり、その音楽性はオーストラリアのジャズ・ミュージシャンとは思えない異彩を放つ。

  • 2026-07-22
  • 2026-07-19

驚くほど知的で熱い、最強エネルギーの現代ジャズ! Trio Grande: What’s Left

今、これほど面白い一流のジャズトリオは、ほかにないと思う。 トリオ・グランデ(Trio Grande)。ギタリストのギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)、サックス奏者のウィル・ヴィンソン(Will Vinson)、そしてドラマー/ベーシストのネイト・ウッド(Nate Wood)から成るトリオだ。特に、器用にベースを弾きながらドラムスを叩く(ドラムスを叩きながらベースを弾く、の方が正しいかもしれない)ネイト・ウッドの姿を初めて見れば「大道芸か」と見紛うかもしれないが、聴けば聴くほどに彼らが音楽的にも“人並外れた”存在だと気付くはずだ。

  • 2026-07-11
  • 2026-07-02

旅の情景を描く、ダブルベース奏者アロン・ニアの初リーダー作『Names, Places』。多数の魅力的なゲストも参加

イスラエル出身、ニューヨークや欧州を拠点とするダブルベース奏者アロン・ニア(Alon Near)が、自身初のリーダー作となるアルバム『Names, Places』をリリースした。収録曲はすべて彼による作曲で、深い抒情性を湛えた楽曲群が素晴らしい。演奏にはトム・オレン(Tom Oren, p)、ガイ・モスコヴィッチ(Guy Moskovich, p)、オフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)、ヨタム・シルバースタイン(Yotam Silberstein, g)、イタマール・ボロホフ(Itamar Borochov, tr)といった現代イスラエルジャズを代表する名手たちが多数参加し、聴きごたえのあるプレイをたっぷりと楽しませてくれる。

  • 2026-07-02
  • 2026-06-26

NYに生きるタル・マシアハ、その豊かな音楽の土壌に咲くソロ2nd『Who’s Around?』

イスラエル出身・ニューヨークを拠点とするギタリスト/ベーシスト/作曲家のタル・マシアハ(Tal Mashiach)のソロ第二弾『Who's Around?』がリリースされた。自身が所属する現代ジャズの最高峰ピアノトリオであるGTO Trio のメンバーはもちろん、世界各地から多様な音楽家を迎え、影響源の幅広さを窺わせる多彩なオリジナル楽曲によって鮮やかに彩られたアルバムだ。

  • 2026-06-30
  • 2026-06-30

パレスチナのピアニスト/SSWファラジュ・スレイマン、“個人と社会”の関係に想いを至す熱狂のライヴ盤

パレスチナ出身のピアニスト/シンガーソングライターのファラジュ・スレイマン(Faraj Suleiman)の新作『Live in Amman』は、『London Jazz Festival 2019』(2020年)、『Live at Montreux Jazz Festival 2018』(2021年)に続く本格的なライヴ・アルバムだ。前2作はジャズ・ピアニストとしてインストを中心としていたが、ヨルダンの首都アンマンでのライヴを収録した今作はシンガーソングライターとしての“歌モノ”をメインとしている。ほぼ全編がアラビア語でのピアノ弾き語りで、彼の歌モノ作品『Better Than Berlin』(2020年)や『Upright Biano』(2023年)からの選曲が中心となっている。

  • 2026-06-07
  • 2026-06-06

イスラエルを代表する音楽家ヨニ・レヒテル、若手一流音楽家を迎えた35年ぶりのジャズ・インスト作

イスラエルを代表するシンガーソングライターであり、ピアニストのヨニ・レヒテル(Yoni Rechter)が、同国の若手ジャズミュージシャンを迎えて約35年ぶりとなる本格的なジャズ・アルバム『סגור פתוח סגור』(Closed Open Closed)をリリースした。これまで歌モノが中心に、ポップス、ロック、映画音楽など幅広く才能を発揮してきた彼だが、今作はほぼ全編がインストで、ベースにバラク・モリ(Barak Mori)、ドラムスにロニ・カスピ(Roni Kaspi)を迎えてのコアトリオを中心に、ゲストでギタリストのニツァン・バール(Nitzan Bar)やサックス奏者のエリ・デジブリ(Eli Degibri)らをフィーチュア。モダンジャズの礎を基調に、彼独自のソングライターとしての豊かな感性で綴られた詩的な音楽を繰り広げている。

  • 2026-05-19
  • 2026-05-07

イスラエルの人気ピアノトリオ Shalosh、深く内省的なオリジナルと驚くような選曲のカヴァー

現代ジャズを代表するピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)の2026年新作『What We Are Made Of』がリリースされた。オリジナルのほか、ロックやポップスからの大胆なカヴァーも収録。凝ったアレンジとダイナミックな演奏で、万人が楽しめるアルバムとなっている。

  • 2026-05-17
  • 2026-05-10

新たに生まれ変わるLAのジャズ発信拠点に響く、豊穣なサックスの音色。ダニエル・ロテム ソロ新譜

ロサンゼルスのジャズ文化の発信拠点であり、同時にあらゆるクリエイティヴなインスピレーションの源であったジャズクラブ・ブルーホエール(Bluewhale)は、かつて世界を覆った、あの狂乱のような新型コロナ禍の影響で2020年末に閉店を余儀なくされた。リトル・トーキョーとして知られるLAのダウンタウンで韓国出身の元ジャズシンガーであるジュン・リー(Joon Lee)が2009年に創業したこの店は、自由で開かれた資本主義社会のなかにありながら、商業至上主義に陥らずに、新しい芸術や文化の発信拠点として頑固なまでにその独自路線を貫き、数多くの音楽家たちからリスペクトされていた。

  • 2026-05-08
  • 2026-04-18

フルート奏者イタイ・クリス、NYの名手たちと繰り広げる軽やかなジャズ

イスラエル出身で現在はニューヨークを拠点とするジャズ・フルート奏者/作曲家イタイ・クリス(Itai Kriss)の『Daybreak』は、彼らしい軽やかさでジャズのリード楽器としてのフルートの素晴らしさを印象付ける、良質な作品だ。アルバムは夜明けから日没までの一日の流れを12の楽曲で表現。ゴスペルやサンバなどにも影響を受けつつ、多彩な技法で“充実した一日”を送る。

  • 2026-05-04
  • 2026-05-02

時を織る経糸と緯糸。ジヴ・ラヴィッツ&クリストフ・パンザニ、音楽の進化の歴史を象徴する傑作

イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)と、フランス出身のクリストフ・パンザニ(Christophe Panzani)のデュオによる『Warp & Weft』は、おそらく2026年屈指のジャズの名作だ。まるでそのテイクの少なさや、スタジオをレンタルした時間の短さで競うかのように、短期間のセッションでテーマと即興演奏を主体に録音されることの多いジャズという分野の、しかもデュオとしては間違いなく異例の、2年間という制作期間を経て誕生したアルバムは、タイトル「経糸と緯糸」という言葉が喚起するイメージの期待を裏切らない、素晴らしい芸術だ。

  • 2026-04-10
  • 2026-04-10

音を色彩で捉える盲目の天才ピアニスト、ヤキール・アルビブ 魔法のような『アフロ・バロック』

二人の“魔法使い”の名は、イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヤキール・アルビブ(Yakir Arbib)と、カメルーン出身のドラマー/パーカッショニスト/作曲家コンティ・ビロング(Conti Bilong)。 アルバムのタイトルのとおり、二人のルーツである中東と中央アフリカの伝統的なリズムや旋法を基調とし、J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)に代表されるバロック様式の対位法やジャズのダイナミックな即興が高度に融合した、複雑なのに親しみやすく、伝統の上に成り立っているのに斬新な演奏が繰り広げられる。