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フランス

  • 2026-08-11
  • 2026-08-10

G.ミラバッシ直系ピアニスト、トリスタン・メリアが奏でる至極耽美なソロピアノ『The Bird in My Heart』

フランスの新鋭ピアニスト、トリスタン・メリア(Tristan Mélia)のソロピアノ作『The Bird in My Heart』が素晴らしい。アルバムはピアノ演奏、録音、ミキシング、マスタリングがすべて彼自身によって行われており、真に内省的な制作プロセスを通じて生み出された音にはアーティストの独白が綴られており、さらにはその奥に秘められた彼の魂の咆哮を感じさせる。3曲のカヴァーと、5曲のオリジナルを収録。

  • 2026-07-19
  • 2026-07-08

機知に富むインタープレイで魅せる、ゲイリー・ヴェルサーチェの最新ピアノトリオ作『Three Track Mind』

アメリカ合衆国のピアニスト、ゲイリー・ヴェルサーチェ(Gary Versace)の新譜『Three Track Mind』は、今年(2026年)のジャズ・ピアノトリオ作でベストの一枚だろう。オーソドックスなピアノトリオ編成で、収録曲のうち半数がスタンダードという構成は、一見すると保守的でつまらなそうに思えるかもしれないが、何よりもジャズという音楽の即興によるインタープレイの楽しさに改めて気づかせてくれる。あるいは、2回演奏される「Autumn Leaves」といった古典的な楽曲でさえ、これだけ自由で創造的に生まれ変わることができるのだという最高の事例だ。

  • 2026-07-07
  • 2026-07-07

現代最高の越境型ピアノトリオ EYM Trio、世界各地での“ノマド・セッション”集大成

フランスの人気ピアノトリオ、EYM Trio はこれまで世界中をツアーする合間に、訪れた街の街角で、海辺で、廃墟で、ときには火山の火口付近で、「ノマド・セッション」と彼らが呼ぶ屋外セッションを繰り広げてきた。2019年から続けられてきたこのプロジェクトの動画は、2026年7月現在で13本あり、それらはYouTubeの彼らの公式チャンネルで観ることができる。2026年7月にデジタル・リリースされた彼らの新作『NOMAD SESSIONS』は、そのノマド・セッションの集大成的なアルバムだ。

  • 2026-06-28
  • 2026-06-28

謎の三つ子、トキ三兄弟が先祖代々伝わる創作楽器で奏でるファンタジー・ワールド『Un dimanche à Monaco』

深編笠を被った三兄弟が、先祖代々から受け継いだ創作楽器を用い、国籍不明の独創的な音楽を奏でる──彼らはタコ・トキ(Tako Toki)という、フランスを拠点に活動するグループだ。グループ名は日本語のタコ(蛸)に、韓国語でウサギを表すトキ(토끼)を組み合わせたもの。先祖のルーツはベトナム、韓国、日本、沖縄、インドネシアに跨るらしい。

  • 2026-06-26
  • 2026-06-19

超絶技巧の若手マヌーシュ・スウィングの旗手、グウェン・カユ 多様な音楽性に根差した新譜『Mosaïque』

フランスのギタリスト、グウェン・カユ(Gwen Cahue)の第5作目となるアルバム『Mosaïque』がリリースされた。全編マカフェリ・ギターを弾き、曲によって2種類のトリオを起用した作品で、とかくスピードとテクニックに偏重しがちなジャズ・マヌーシュに高度な叙情性と音楽性を持ち込んだ優れた作品だ。

  • 2026-06-21
  • 2026-06-20

政治的に弾圧されたオクシタニアのフォークロアを現代に復興する女性デュオ、Cocanha。爆発的新譜『Flame Folclòre』

フランス南部オクシタニア地方の都市トゥールーズを拠点に活動する女性デュオ、コカーニャ(Cocanha)の3枚目となるアルバム『Flame Folclòre』には、長いあいだ周縁へと追いやられてきた言語と文化を現代へ取り戻そうとする強い意志が込められている。アルバムタイトルを直訳すれば「燃えるフォークロア」。彼女たちにとってフォークロア(伝統文化)とは、観光パンフレットの装飾でも、懐古趣味の対象でもない。Cocanhaの二人は本作を通じて、フォークロアを現在を生きるための文化的実践として再定義しようとしている。

  • 2026-06-16
  • 2026-06-16

異才トロンボーン奏者ロビンソン・クーリー、ジャズ/アラブ/電子音楽を跨ぐ独創的新譜『Transara』

ジャズを基盤に、自身のルーツであるアラブ音楽とエレクトロニカを融合させたシネマティックな音風景が素晴らしい。フランスのトロンボーン奏者/作曲家ロビンソン・クーリー(Robinson Khoury)の新作『Transara』は、前作『MŸA』(2024年)での確かな手応えをより深掘りし発展させたものだ。メンバーも前作に参加していたアニッサ・ネアリ(Anissa Nehari)のパーカッション/ヴォイスと、レオ・ジャセフ(Léo Jassef)のキーボード/シンセ/ヴォイスとのトリオ編成から変更なく、“MŸA”トリオの成熟を思わせる。

  • 2026-05-28
  • 2026-05-27

歌手ローズマリー・スタンドレー&チェロ奏者ドム・ラ・ネナのデュオ第3弾!『Nuées ardentes』

フランス出身の歌手ローズマリー・スタンドレー(Rosemary Standley)と、ブラジル出身のチェリスト、ドム・ラ・ネナ(Dom La Nena)によるデュオ・プロジェクト、バーズ・オン・ア・ワイア(Birds on a Wire)。2014年に初作『Birds on a Wire』をリリースして以降、それぞれのソロ活動と並行して『Ramages』(2020年)など断続的に、そして丁寧に音楽活動を継続してきた彼女らが、第3作目となるアルバム『Nuées ardentes』をリリース。

  • 2026-05-23
  • 2026-05-21

現代グウォカ・ジャズの旗手ソニー・トルーぺ、伝統をジャズと室内楽で革新する『Evy Danse』

グアドループの伝統的な音楽「グウォカ」を現代的に再解釈する活動で知られるドラマー、ソニー・トルーぺ(Sonny Troupé)。2026年リリースの『Evy Danse』は、2013年の『Voyages et rêves』、2017年の『Reflets Denses』から連なる三部作の完結編として位置付けられており、アルバムを通して断片的に語られる架空の女性「Evy」の物語を通して、ソニー・トルーぺ自身の音楽の変容とその終着点を表現する野心的な作品となっている。

  • 2026-05-22
  • 2026-05-22

現代グローバル・ジャズを代表する音楽家たちによる故エルメート・パスコアール・トリビュート

現代のブラジル音楽やジャズ、あるいは音楽という概念そのものに絶大な影響を与え、2025年に惜しまれつつ亡くなったブラジルの音楽家エルメート・パスコアールへの最大限の敬意が込められたトリビュート・アルバム『Hermeto Universal』がリリースされた。アルバムはブラジル出身の超絶的なハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ、フランス出身の鍵盤奏者ローラン・クーロンドルの双頭名義だが、リズムセクションにスナーキー・パピー主宰者でベーシストのマイケル・リーグ、キューバ出身の名ドラマー ルイ・アドリアン・ロペス・ヌッサを擁するスーパーバンドでの演奏が核となっている。

  • 2026-05-04
  • 2026-05-02

時を織る経糸と緯糸。ジヴ・ラヴィッツ&クリストフ・パンザニ、音楽の進化の歴史を象徴する傑作

イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)と、フランス出身のクリストフ・パンザニ(Christophe Panzani)のデュオによる『Warp & Weft』は、おそらく2026年屈指のジャズの名作だ。まるでそのテイクの少なさや、スタジオをレンタルした時間の短さで競うかのように、短期間のセッションでテーマと即興演奏を主体に録音されることの多いジャズという分野の、しかもデュオとしては間違いなく異例の、2年間という制作期間を経て誕生したアルバムは、タイトル「経糸と緯糸」という言葉が喚起するイメージの期待を裏切らない、素晴らしい芸術だ。

  • 2026-05-03
  • 2026-05-02

あらゆる世界に跨る巨木セイバのように。過去・現在・未来を繋ぐサイモン・ムーリエ新譜『Ceiba』

フランス出身のジャズ・ヴィブラフォン奏者、サイモン・ムーリエ(Simon Moullier)が早くも6作目となるアルバム『Ceiba』をリリースした。熱帯アメリカやアフリカに自生し、さまざまな文化で神聖視される巨木セイバをインスピレーションの源とし、ポスト・バップから現代のジャズ、そして未来のジャズまでをも見据えたエキサイティングな傑作だ。

  • 2026-04-24
  • 2026-04-14

-M- と西アフリカ音楽文化 愛と調和の集大成『Lamomali Je t’aime』

ラモマリ(Lamomali)は、フランスを代表するシンガーソングライター、「-M-」ことマチュー・シェディッドが、マリの巨匠コラ奏者であるトゥマニ・ジャバテとその息子バラ・ジャバテ、そして歌手のファトゥマタ・ジャワラと共に結成したユニットで、彼の西アフリカ、とりわけマリ共和国の音楽文化への愛情の結晶だ。2025年末にリリースされた2枚組アルバム『Lamomali Je t'aime』はその集大成で、西アフリカの伝統的な音楽と西洋音楽が高度に融合した音楽性、そして何よりも文化を超えた人々の繋がりを感じさせる素晴らしい作品だ。