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フランス

  • 2026-04-18
  • 2026-04-18

天才ギタリスト ビレリ・ラグレーンが魅せる、円熟のジャズギター。『Elegant People』

現生ジャズ・レジェンドのひとり、ビレリ・ラグレーン(Biréli Lagrène)。ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt, 1910 - 1953)の正統な後継者として幼少期より類稀な才能を示し、マヌーシュ・ジャズだけでなくフュージョンやジャズロックの分野でも活躍した彼の2026年の最新作『Elegant People』は、ジャズ・ギターの“原点回帰”であり、彼自身の根幹を形作る音楽表現を凝縮した作品だ。

  • 2026-04-13
  • 2026-04-12

早くも大ブレイク! トロピカルポップの新たなヒロイン・ルイーザ、サウダージ満載の初アルバム

2025年初頭にEP『Fantastik』で注目を集め、その後(6)「Soleil Bleu」のバイラルヒットなどで更なる注目を集めたフランスのシンガーソングライター、ルイーザ(LUIZA)の待望の初フルレンス・アルバム『Luiza』がリリースされた。幼少期からブラジル音楽やフレンチポップ、ワールドミュージック、レゲエといった文化に囲まれて育った彼女のハイブリッドなポップセンスが凝縮された内容で、“トロピカル・ポップの新たなヒロイン”を強く印象づけるものとなっている。

  • 2026-04-11
  • 2026-04-11

新たな“同志”を得て原点回帰した Soviet Suprem、ダンスフロアから起こす革命

「冷戦でソ連が勝った世界線」を夢想するフランスのデュオ・ユニット、ソヴィエ・シュプレム(Soviet Suprem)の4thアルバム『Rouge』がリリースされた。前作『Made in China』は現代の社会主義大国・中国を中心にアジアをテーマとしたが、今作では原点であるソヴィエト的世界観に立ち返り、鮮烈なルージュ=赤(もちろんそれは共産主義の象徴的な色だ)をジャケットに掲げ、ブラックユーモアで社会を皮肉る。

  • 2026-04-01
  • 2026-03-31

気鋭トランペッター、ハーモン・メハリとフランスの知的ジャズの見事な融合。『(un)Seen』

アメリカ・テキサス州出身のエリトリア系トランペット奏者ハーモン・メハリ(Hermon Mehari)と、3人のフランス人音楽家──ピアニストのエンゾ・カルニエル(Enzo Carniel)、ベーシストのダミアン・ヴァライヨン(Damien Varaillon)、ドラマーのステファン・アズュアール(Stephane Adsuar)──によるカルテット、ナウ・ビューティ(NO(w) Beauty)による2枚目のアルバム『(un)Seen』。伝統的なジャズと、フランスらしい多文化がもたらす知的な音楽的探求が楽しい作品だ。

  • 2026-03-29
  • 2026-03-29

カリビアン・ジャズの貴公子グレゴリー・プリヴァがピアノと歌で描く、愛と再生の物語

カリブ海に浮かぶフランス領マルティニーク出身のピアニスト/シンガーソングライター、グレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)の新譜『Darling』。現代クレオール・ジャズの傑作と言って過言ではない傑作だろう。ソロピアノ作品『Yonn』(2022年)やトリオでの野心作『Phoenix』(2024年)を経て、今回のソロ作は彼のキャリアの頂点のように感じる。

  • 2026-03-17
  • 2026-03-17

マグレブ最重要SSWスアド・マッシ 分断深まる世界の中で 沈黙を破るための詩的な抵抗『Zagate』

現代のマグレブ社会を象徴するシンガーソングライター、スアド・マッシ(Souad Massi) の新作のタイトル『Zagate』は、フランス語で「事態は悪化している」を意味する「ça se gâte」に由来するアルジェリア風スラングだという。この作品は、四半世紀前にアルジェリアからフランスに亡命し、今もなお社会的なテーマを創造力の源とする彼女による、混乱や暴力や人種差別、戦争が絶えない現代社会への鋭利な警告だ。

  • 2026-02-26
  • 2026-02-26

フランス発の新世代ジャズ、フェーン・トリオ 挑戦的で鮮烈なサウンドの新譜『Soleil de Minuit』

フランス・リヨンを拠点とするピアノトリオ、フェーン・トリオ(Foehn Trio)の4枚目のアルバム『Soleil de Minuit』がリリースされた。これまでの作品で、現代的なアコースティック・ピアノトリオとしてアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)などのイスラエルジャズに影響を受けたサウンドで強い印象を与えてきた彼らだが、今作ではその基盤を残しつつもエレクトロニックの比重が大幅に増加。さらにはエチオピア系フランス人シンガーのフルール・ウォルク(Fleur Worku)を3曲でフィーチュアするなど、新基軸を示す鮮烈な作品となっている。

  • 2026-02-23
  • 2026-02-24

生きるための歌──SSW/クラリネット奏者エズギ・セヴギ・ジャンが背負う、あまりに重い苦難の物語

トルコ出身のシンガーソングライター/クラリネット奏者、エズギ・セヴギ・ジャン(Ezgi Sevgi Can)によるデビュー・アルバム『Karanfiller』が素晴らしい。全曲がエズギ・セヴギ・ジャンの作詞作曲で、彼女自身はヴォーカルとクラリネットを担当。サウンドは親しみやすい西洋音楽と、マカームに根差した微分音や変拍子が見事に融合しており、音楽的にも新鮮な感動がある作品だ。しかしその裏には、彼女と彼女の家族をめぐる悲劇的な運命と、15年以上にわたって闘い続ける、彼女の強さが隠されていた。

  • 2026-02-10
  • 2026-01-29

南米文化に感化されたフランス発ブラジリアン・ジャズ集団Sapocaya、自然への敬意を込めたデビュー作

フランスを拠点に活動するブラジリアン・ジャズ・コレクティヴ、サポカヤ(Sapocaya)。大編成のバンドが織りなすサウンドは、ブラジルの豊かな伝統音楽を土台に、ジャズの即興性とアフロ・カリビアンの躍動するリズムも融合させた、まるで生命の鼓動のような活き活きとしたエネルギーに満ちている。2025年末に待望のリリースを迎えた初のフルレンス・アルバム『Elementos』は、アマゾンの先住民族の叡智から着想を得た傑作で、自然界の四元素(地・風・火・水)をテーマに、リスナーを神秘的な旅へと誘う素晴らしい作品だ。

  • 2026-01-27
  • 2026-01-27

鋭利に研ぎ澄まされた爆発的プログレ・ジャズ。フランス発クインテット、Ozma 新作

フランスのドラマー/作曲家、ステファン・シャルレ(Stéphane Scharlé)が率い、“フランスの爆発的ジャズ(French Explosive Jazz)”を標榜するバンド、オズマ(Ozma)の2025年新譜『The Day We Decided to Live at Night』は、これまでの彼のキャリアの中で最もパーソナルな作品だという。テーマは「愛すべき蛇、火の妖精、金属の魔女、子供たちの悪戯、柔らかく慰める弦」。幻想的で詩的なイメージを現代的なプログレッシヴ・ジャズで表現しており、暴力と優しさという対立する要素を同じ銀貨の表裏のように描いている。

  • 2026-01-21
  • 2026-01-21

一種独特の洗練された現代ムガームジャズ。エティバル・アサドリ、自己を探求をテーマに掲げる新譜

現代ムガームジャズの旗手であるピアニスト/作曲家エディバル・アサドリ(Etibar Asadli)の2026年新譜『WYA』は、アゼルバイジャンのアイデンティティたるムガームジャズが醸す独特の東欧・中東・西アジアの文化境界的テクスチャーと、エレクトロニックやヒップホップ、アンビエントなどの複合的な音楽要素が絡み合う、一種独特な洗練を見せた興味深い作品だ。

  • 2025-12-29
  • 2025-12-27

ヒップホップ×インド古典音楽×ジャズの衝撃!“カモフラージュこそが芸術の真髄だ”

フランスの鍵盤奏者アレクサンドル・エレール(Alexandre Herer)による 『Bombay Experience』は、ジャズ、インド古典音楽、そしてヒップホップが高度に融合した稀有なアルバム。インドのヒップホップ・シーンを一変させたラッパーマンミート・カウル(Manmeet Kaur)と、ムリダンガム/コナッコルの名手B.C. マンジュナート(B.C. Manjunath)という二人のインド出身ミュージシャンが参加し、驚くほど緻密なリズムとグルーヴで斬新な音楽を聴かせてくれる。

  • 2025-12-26
  • 2025-12-26

コロンビアとフランスの男女混成7人組、Pulciperla 衝撃的なミクスチャーで魅せる1st『Tatekieto』

コロンビアのボゴタを拠点とするパワフルな女性3人組ラ・ペルラ(La Perla)と、フランスのトゥールーズを拠点とするファンキーなジャズロック・カルテットのプルシネルラ(Pulcinella)がコロンビアで出会い、混成した7人組プルシペルラ(Pulciperla)のデビュー作『Tatekieto』が衝撃的な楽しさだ。ジャズ、ラテン、レゲエ、ロマ音楽、ヒップホップ、エレクトロニックなどなど様々な音楽要素がごちゃ混ぜになり彼らの世界観を作る。それはまるで極彩色のパーティーのように、終わりがなく、ずっとずっと気持ちいい音が続く。個人的には2000年代のバルセロナ・ミクスチャーの活況に満ちたシーンを彷彿させるサウンドに心が躍った!