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アメリカ合衆国

  • 2025-06-15
  • 2025-06-12

現代ジャズを象徴するバンド Kneebody、ベーシスト脱退の一大事を驚くべき発想で埋めた『Reach』

四半世紀にわたるキャリアとなった米国の現代ジャズを代表するバンド、ニーバディ(Kneebody)が6年ぶりとなる新作『Reach』をリリースした。今作は2001年のバンド結成時から低音を支えたベーシストのカヴェ・ラステガーが外部プロジェクトへの参加によって多忙を極めたことを理由に2023年にバンドを脱退して以降の初の作品となっており、ドラマーのネイト・ウッド(Nate Wood)がドラムスとベースを兼任するという割と非常識なカルテット編成での最初の録音となっている。

  • 2025-06-13
  • 2025-06-12

16分音符が乱舞! ベラ・フレック、エドマール・カスタネーダ、アントニオ・サンチェスによる驚異のトリオ

予想外の組み合わせのトリオが登場した。これだからジャズは面白い!今作『BEATrio』は、米国のバンジョー奏者ベラ・フレック(Béla Fleck)、コロンビア出身のアルパ奏者エドマール・カスタネーダ(Edmar Castañeda)、そしてメキシコ出身のドラマー、アントニオ・サンチェス(Antonio Sánchez)の3人による野心的なプロジェクトだ。ブルーグラスやラテンの影響を強く受けた熱狂的なジャズは、これ以上ないくらいの楽しい音楽体験になる。

  • 2025-06-11
  • 2025-06-13

EDM新時代を象徴する多才なデュオ、Sofi Tukker の新境地!新譜は全編、超良質なブラジル音楽

ニューヨークを拠点とする男女デュオ、ソフィ・タッカー(Sofi Tukker)が、2024年の前作『BREAD』の“ジャズ風の別人格”と呼ぶ新譜『butter』をリリースした。今作は『BREAD』収録曲の再構築が中心となっており、彼らのアイデンティティであるEDM1から一歩離れ、ブラジル音楽への深いリスペクトを根底に持つオーガニックなサウンドが特長で、ブラジルからは人気SSWのシウヴァ(Silva)やセウ・ジョルジ(Seu Jorge)、リニケル(Liniker)といったゲストを迎え、彼らの新境地を見せている。

  • 2025-06-07
  • 2025-06-07

ドイツの才媛、オリヴィア・トゥルマー新譜はクラシックやジャズが豊かに混淆する叙情的ピアノ弾き語り

ドイツ出身のSSW/ピアニスト、オリヴィア・トゥルマー(Olivia Trummer)の新譜『Like Water』がリリースされた。プロデューサーはこれまでにエリック・クラプトンやシンディ・ローパー、ランディ・ニューマン、スティーヴ・ウィンウッドらを手掛けた米国の伝説的プロデューサーであるラス・ティテルマン(Russ Titelman)。

  • 2025-06-05
  • 2025-06-04

文化的ジャズの極み。女流ピアノ奏者シモーナ・プレマッツィ×頭脳派サックス奏者カイル・ナッサー新譜

イタリア出身の女性ピアニスト/作曲家シモーナ・プレマッツィ(Simona Premazzi)と米国ボストン出身の男性サックス奏者/作曲家カイル・ナッサー(Kyle Nasser)を中心に、ベーシストのノア・ガラベディアン(Noah Garabedian)、ドラマーのジェイ・ソウヤー(Jay Sawyer)で構成されたカルテット、Premazzi / Nasser Quartet の初のアルバム『From What I Recall』は、ヨーロピアン・ジャズとハードバップの丁度良いバランスを自然に探求するような上質なジャズ作品だ。

  • 2025-06-03
  • 2025-06-02

カート・ローゼンウィンケル&ジャン=ポール・ブロードベックによる、ブラームス創造的ジャズアップ

前作『The Chopin Project』に続く、カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)& ジャン=ポール・ブロードベック(Jean-Paul Brodbeck)によるクラシック巨匠の遺産に探訪するプロジェクトの第二弾がリリースされた。今回はドイツの作曲家ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833 - 1897)。前作と同じくルーカス・トラクセル(Lukas Traxel, b)とホルヘ・ロッシー(Jorge Rossy, ds)を擁したジャズ・カルテットで、「ハンガリー舞曲」「子守歌」といった楽曲が収められている。

  • 2025-06-02
  • 2025-06-01

世界の不条理の中で、音楽に祈りを込める“現代最高の歌手”ガナーヴィヤの新譜『Nilam(土地)』

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが“現代音楽界で最も魅力的な歌手の一人”と評価したシンガーソングライター/マルチ奏者ガナーヴィヤ(Ganavya)が、新作『Nilam』をリリースした。“スピリチュアル”という形容が相応しい控え目な楽器群の音と、それに溶けるようなおおよそ私達と同じ人間の歌唱とは信じがたい声によって、この若いアーティストがどれほど奇跡的な音楽家であるかを思い知らせるような作品と言って過言ではないだろう。

  • 2025-05-25
  • 2025-05-25

社会の奔流の中で足掻き、実直に表現する稀有なアーティスト、カミラ・メサ 6年ぶり新譜『Portal』

チリ・サンティアゴ出身のシンガーソングライター/ギタリストのカミラ・メサ(Camila Meza)が、6年ぶりの新作『Portal』をリリースした。彼女のとって初の全曲オリジナルで構成されており、自身の音楽的進化と個人的な体験を反映した、非常にパーソナルで意欲的な作品だ。共同プロデューサーには現代ジャズを代表するイスラエル出身のピアニストであるシャイ・マエストロ(Shai Maestro)を迎え、非常に洗練されたサウンドで、その繊細な感性を表現するアルバムになっている。

  • 2025-04-29
  • 2025-04-29

躍動するアフロ・カリビアン・バッハ!! ヨアキム・ホースレイ「Via Havana」トリロジー最終章

西洋クラシックの作曲家の名曲をアフロ・カリビアン音楽で再解釈するプロジェクトが人気の米国のピアニスト/作編曲家ヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)が最新作『Afro Bach』をリリースした。その名のとおり、“音楽の父”ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)の名曲を独創的にカヴァーしており、そのアイディアに驚き(そしてたくさんの楽しさ)を提供してくれるアルバムとなっている。

  • 2025-04-26
  • 2025-04-26

スーパーベーシスト、モヒニ・デイ最新作!強烈な印象を残すプログレッシヴ・ジャズロック

米国ロサンゼルス出身、現在はインドに移住したサックス奏者/作曲家マーク・ハートサッチ(Mark Hartsuch)と、彼の妻でありインド出身の世界的なベース・ヒロインであるモヒニ・デイ(Mohini Dey)、そしてモヒニと長年音楽活動を共にしてきたインド出身のドラマー、ジーノ・バンクス(Gino Banks)によるプログレッシヴ・ジャズロック・トリオ、マモジ(MaMoGi)が新作『MaMoGi II』をリリースした。トリオのデビュー作『Mamogi』(2023年)から2年、今作でも強固でパワフルで超絶的なバンドサウンドを聴かせてくれる好盤となっている。

  • 2025-04-19
  • 2025-04-12

繊細かつ知的な創造性に満ちたギタリスト、タル・ヤハロムの初リーダー作『 Mirror Image』

創造的でアグレッシヴな2013年結成のジャズ/プログレバンド、カダワ(Kadawa)のギタリストであり、優れた作曲家であるタル・ヤハロム(Tal Yahalom)が自身初のリーダー作『Mirror Image』をリリースした。バンドはクインテット編成だが、各メンバーの楽器の持ち替えや、曲ごとに多ジャンルに渡る音楽性によって非常に多様な音楽を楽しめる作品となっている。

  • 2025-04-16
  • 2025-04-17

驚異のエレクトリック・バスーン×プログレジャズ! ポール・ハンソン&レイズ・ザ・メイズ

バスーン(ファゴット)をジャズやロックの領域に持ち込み、ソロ楽器として革新的な役割を果たすことに成功した米国サンフランシスコのバスーン奏者/作曲家のポール・ハンソン(Paul Hanson)の2024年作『CALLIOPE』は驚きに満ちたアルバムだ。プログレッシヴ・ロックの男女デュオであるレイズ・ザ・メイズ(Raze The Maze)とのコラボレーションを軸に、ルスラン・シロタやビリー・コブハムといった大物も参加。エレクトリック・バスーンを手に新たな時代を切り拓いてきた彼の集大成的な傑作となっている。

  • 2025-03-30
  • 2025-04-09

ラテンジャズを愛するスイス出身若手女性ピアニスト、マノン・ミュレナーが描くそれぞれの人生の物語

スイス出身、ニューヨークで活動するジャズピアニスト/作曲家マノン・ミュレナー(Manon Mullener)が、世界中で出会った人々の人生の物語にインスパイアされ制作した新譜『Stories』が素晴らしい。キューバ音楽に影響を受け、現代NYで演じられるヨーロピアン・ジャズといった独特の趣のある作品で、多様なアイディアの発現からこの若手音楽家の才能が確信できる秀でた作品となっている。

  • 2025-03-23
  • 2025-03-23

アメリカの燻銀アンサンブル Conjunto Berretin、タンゴの深淵を覗かせる新譜『La Mariposa』

アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドを拠点に20年以上活動するタンゴ・アンサンブル、コンフント・ベレティン(Conjunto Berretin)の2025年新譜『La Mariposa』は、伝統的なアルゼンチン・タンゴを軸に、ジャズやクラシックの音楽的な要素が絶妙にブレンドされたなんとも魅力的な作品だ。