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ピアノトリオ

  • 2024-04-11
  • 2024-04-11

アイダホの荒野から鳴らす、捻くれ者のJazz。The Kindness 独創性が輝くデビュー作

ザ・カインドネス(The Kindness)はアメリカ合衆国アイダホ州を拠点とするピアノトリオで、リーダーであるベース奏者アーロン・ミラー(Aaron Miller)はブリガム・ヤング大学(BYU-Idaho)の教員でもあるそうだ。彼らのデビューアルバム『The Kindness』は、そうした知識が全くない状態で聴き始めたが、暗闇に徐々に煙が立ち込めるような印象的なイントロで始まる(1)「How Did the Rose」でのエスビョルン・スヴェンソン・トリオ(e.s.t.)を彷彿させる演奏に、すぐに惹き込まれた。

  • 2024-04-05
  • 2024-04-06

デンマーク発、Art Roho による最高に叙情的な北欧ピアノトリオ作品

ベーシストのヤコブ・ローラン(Jakob Roland)とドラマーのヘンリック・ホルスト・ハンセン(Henrik Holst Hansen)のデュオ、アート・ローホ(Art Roho)がデンマーク・コペンハーゲン出身のピアニスト、マッツ・ソンダーガード(Mads Søndergaard)を迎え入れ制作した3rdアルバム。キース・ジャレットとビル・エヴァンスが同居するような音空間が美しい。

  • 2024-02-26
  • 2024-02-25

現代NYジャズの“名脇役”ローレンス・フィールズ、ピアノトリオでの初リーダー作『To the Surface』

アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス出身のピアニスト、ローレンス・フィールズ(Lawrence Fields)が自身のピアノトリオを率いて、初リーダー作『To the Surface』をリリースした。アルバムのタイトルには彼がこれまで何年にもわたって蓄積してきたアイデア、サウンド、楽曲を文字通り表面に浮かび上がらせることを表している。

  • 2024-02-23
  • 2024-02-23

ウクライナの現代ピアノトリオ、Pokaz Trio。人々の自由をマニフェストに掲げる新譜『Voices』

ウクライナ・オデーサ出身のピアニスト/作曲家アンドリュー・ポカズ(Andrew Pokaz)率いるピアノトリオ、ポカズ・トリオ(Pokaz Trio)が5年ぶりの2ndアルバム『Voices』をリリースした。ご存知のように2022年2月24日以降ロシアによる激しい攻撃を受け、大きな困難に直面した彼らが今作で掲げ、渇望するのは祖国ウクライナの自由に他ならない。

  • 2024-02-13
  • 2024-02-12

アルメニアを代表する鬼才SSW、故・アルトゥール・グリゴリアンへの愛情溢れるトリビュート

長い闘病の末、2022年に63歳で亡くなったアルメニアを代表するシンガーソングライター、アルトゥール・グリゴリアン(Arthur Grigoryan, 1958 - 2022)。彼が残したアルメニアのポピュラー音楽史を彩る名曲をピアニストのバハグン・ハイラペティアン(Vahagn Hayrapetyan)、チェリストのアルチョーム・マヌーキアン(Artyom Manukyan)、そしてドラムス奏者アーマン・ムナツァカニャン(Arman Mnatsakanyan)が美しいジャズで奏でるトリビュート作『Music of Arthur Grigoryan』。

  • 2024-02-10
  • 2024-02-10

現代最高峰のクレオール・ジャズ。グレゴリー・プリヴァ、不死鳥の伝説にインスパイアされた新作

並外れたジャズピアニストであり、カリブ海のクレオール文化の伝道師でもあるグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)。現代ジャズのシーンにおいても唯一無二の存在感を発揮する彼の新作『Phoenix』は、彼の音楽的創造性の集大成であり、おそらくはキャリアハイの作品なのではないだろうか。

  • 2024-01-19
  • 2024-01-18

e.s.t.の遺伝子を継ぐ北欧ジャズトリオRymden、宇宙の果ての未知の惑星での“探索と発見”を感性豊かに描く新譜

ノルウェーのピアニスト、ブッゲ・ヴェッセルトフトと、ともに元e.s.t.のベース奏者ダン・ベルグルンドとドラマーマグヌス・オストロムによるトリオ、リムデン(Rymden)。3枚目のスタジオ・アルバムとなる『Valleys and Mountains』は一聴した感じ、これまでの開放的で冒険的な印象のサウンドから地に足のついたサウンドにシフトしたような印象を受けた──だが、…

  • 2024-01-08
  • 2024-01-08

伊気鋭女性ジャズピアニスト、シャーデー・マンギアラシーナ “祈り”を主題にした重厚な2枚組新譜

イタリアのピアニスト、シャーデー・マンギアラシーナ(Sade Mangiaracina)がすべての人々が関わるべき抽象的で神聖なものに捧げる2枚組の新作。情緒豊かで調和のとれたVol.1と、悲嘆に咽び泣くようなトランペットが印象深いVol.2の対比も素晴らしい。アルバムは今この時代・社会でもっとも必要と思われる”祈り”(1)「My Prayer」で始まる。

  • 2024-01-03
  • 2024-01-01

ロシア出身の気鋭ピアニストが苦悩の心中を吐露。反戦への強い想いの滲む3rdアルバム『Between the Times』

ロシア・モスクワ州出身、ドイツ・ベルリン在住のピアニスト/作曲家スヴェトラーナ・マリンチェンコ(Svetlana Marinchenko)の3rdアルバム『Between the Times』がリリースされた。これまで好奇心に溢れたプログレッシヴな音楽を放ってきた彼女にとって、今作はより社会的なテーマへと変遷を遂げたアルバムに仕上がっている──もちろん、それは彼女を取り巻く社会情勢に強く影響を受けたものだ。

  • 2023-12-22
  • 2023-12-16

自由な感性がぶつかり合う、完全即興北欧ジャズの傑作。デンマークの名手カーステン・ダールのピアノトリオ作『Prism』

デンマークのピアノ奏者カーステン・ダール(Carsten Dahl)と、ノルウェーのベース奏者オーレ・モルテン・ヴォーガン(Ole Morten Vågan)、そしてラトビア出身のドラムス奏者イヴァルス・アルトゥニアン(Ivars Arutyunyan)。北欧の名手3人による『Prism』は、ジャズらしいスウィング感も、欧州らしい抒情性も兼ね備えた見事なアルバムだ。

  • 2023-12-05
  • 2023-12-05

ウクライナ発、洗練された情感と技巧を併せ持つ現代ジャズ新譜。ローラ・マルティ&ナターリヤ・レベジェヴァ・トリオ『Waves』

ウクライナの歌手ローラ・マルティ(Laura Marti)と、ピアニストのナターリヤ・レベジェヴァ(Nataliya Lebedeva)のピアノトリオによるオリジナル曲集『Waves』がリリースされた。ラーシュ・ダニエルソンの楽曲を取り上げた前作『Africa』と同じメンバーによる演奏で、ブラジルのDDG4にも通ずる軽やかなグルーヴが最高に心地よい現代的なジャズ作品となっている。

  • 2023-12-03
  • 2023-12-03

チュニジア出身の天才若手ピアニスト、ワジディ・リアヒ待望の2nd!チュニジアからベルギーに至る驚くべき音楽の旅

1995年チュニジア生まれのピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)のピアノトリオ第二作目となる『Essia』には、メンバーを変えずに新たに録音された11曲が収録されている。チュニジアの伝統音楽からヨーロッパの洗練されたジャズまで、多様性の象徴かつ最も高度なジャズが繰り広げられる圧巻の作品。

  • 2023-12-02
  • 2023-12-03

ベルリンから、今にも爆発しそうな“ジャズの未来”が現れた──。Moses Yoofee Trio デビューEP『Ocean』

ドイツ・ベルリンを拠点に、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスなどで急速に熱狂的ファンを拡大するモーゼス・ユーフィー・トリオ(Moses Yoofee Trio)が初のミニアルバム『OCEAN』をリリースした。かなりセンセーショナルな出来栄えで、必聴の作品と言って過言ではないだろう。

  • 2023-11-22
  • 2023-11-22

フランスから要注目の新星ピアノトリオ登場。マルク・プリオーレ・トリオのデビュー作『Initio』

フランスの新鋭ピアノトリオ、マルク・プリオーレ・トリオ(Mark Priore Trio)がデビュー作『Initio』をリリースした。トリオは2023年に創設されたばかりの若手ジャズタレント・コンテストであるルネ・ユルトルジェ賞(Prix René Urtreger)の審査員賞に輝いており、本作ではフレンチ・ジャズの次世代を担うであろう彼らの実力を余すところなく鑑賞することができる。