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ギター

  • 2024-07-26
  • 2024-07-24

ブラジルのSSWパウロ・オハナ、耳心地の良いジャジーなインディーロック『Língua na Orelha』

ブラジリア出身で現在はサンパウロを拠点に活動するシンガーソングライター、パウロ・オハナ(Paulo Ohana)の4枚目のアルバム『Língua na Orelha』。2本のギターを中心に、フェルナンド・サガワ(Fernando Sagawa)によるジャジーなサックスがアクセントとなったバンドサウンドに自然体のヴォーカル、爽やかで馴染みやすいメロディーラインが特徴的な親しみやすいアルバムだ。

  • 2024-07-22
  • 2024-07-21

豊潤なギター・アンサンブルで魅せるクアルテート・マオガニ、結成30周年を記念する新譜

1994年に結成され、以来ジャンルを問わず“ブラジルの音”を表現し続けるギター・カルテット、クアルテート・マオガニ(Quarteto Maogani)。30周年の節目となる新作『Maogani Autoral』は、誰もが知る有名曲などはなく分かりやすさや派手さはないものの、真摯に音楽に向き合う彼ららしい美しく完璧なギター・アンサンブルに心を洗われるような素晴らしい作品だ。

  • 2024-07-19
  • 2024-07-18

音楽は異なる文化の壁を取り払い、共生を促す…イスラエルとイランの音楽家によるデュオ作

カナダに移民として渡った二人のアーティスト──イスラエル出身のマルチ奏者イタマール・エレズ(Itamar Erez)と、イラン出身の打楽器奏者ハミン・ホナリ(Hamin Honari)によるデュオ作『Migrant Voices』(移民の声)。中東の多様な音楽文化を自然に融合したギターとパーカッションの静かな邂逅が、とても美しい作品だ。

  • 2024-07-14
  • 2024-07-14

モリコーネも久石譲も。新鋭ギター奏者プリニオ・フェルナンデスが奏でる映画史を彩る名曲たち

ブラジルの若手クラシック・ギタリスト、プリニオ・フェルナンデス(Plínio Fernandes)の新作EP『Cinema』は、その名のとおり映画音楽の名曲たちを演奏した作品だ。一部に多重録音も駆使し、クラシックギター1本で表現力豊かに演奏された映画史に残る数々の音楽は、多くの人々の脳裏に名場面を鮮やかに蘇らせるだろう。

  • 2024-07-13
  • 2024-07-13

カタルーニャの才媛リタ・パイエス、懐かしく斬新な独創的音楽観の沼へと誘う必聴の新譜

バルセロナの青少年ジャズバンド、サン・アンドレウ・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)出身の若きスターの一人、シンガーソングライター/トロンボーン奏者のリタ・パイエス(Rita Payes)が新作『De camino al camino』をリリースした。アーティストとして常に進化を続ける彼女は、耳心地のよい従来作との安易な比較を拒むほど独特のファンタジーな音楽観で、世界中のリスナーを魅了する。

  • 2024-07-07
  • 2024-07-07

沈黙の中の小さな声も、やがて大きな音になる──SSWヴェロニカ・フェヒアーニが望む未来

ブラジル・サンパウロ州ヒベイラン・プレト出身のSSW/ギタリスト、ヴェロニカ・フェヒアーニ(Verônica Ferriani)の2024年新譜『Cochicho no silêncio vira barulho, irmã』。タイトルのポルトガル語は直訳で「静寂の中での囁きはやがて騒音になるよ、シスター」の意味で、2枚組のアルバムのほぼ全てが女性だけで作られており、コンセプトも女性そのものの存在と、その存在がもたらす様々な事象をテーマとして扱っている重要作だ。

  • 2024-07-05
  • 2024-07-04

ギターインスト好きへ贈る最高のプログレッシヴ・ジャズロック!ダニエル・ウェイス新譜

プログレッシヴ・ロックバンド「Square to Check」のギタリスト/作曲家、ダニエル・ウェイス(Daniel Weiss)がソロ名義として2作目となるアルバム『The Vortex』をリリースした。今作もバンドメイトのシャロン・ペトロヴェール(Sharon Petrover, ds)、リオール・オゼリ(Lior Ozeri, b)らとともに、圧巻の超絶技巧アンサンブルが繰り広げられる。

  • 2024-06-28
  • 2024-06-29

日本大好きコメディバンド、ラマ・アニ・ハイ 日常をパロディする笑撃のパンクロック

イスラエルのコメディ・パンク・バンド、ラマ・アニ・ハイ(ヘブライ語:למה אני חי?)が最高に面白い!バンドは日本のアニメやゲームから多大な影響を受けたコメディアンのコンビ、シュガー・ザザ(Sugar Zaza)と、過去に当サイトでも絶賛とともに紹介させていただいたバカテク系マルチ奏者ロン・ミニス(Ron Minis)の3人で構成され、ユニークな笑撃的パンクロックを展開する。2022年にリリースされたデビューアルバム『הלוואי הייתי מת』は突き抜けたお馬鹿さ加減が楽しく、全13曲18分間を台風のように駆け抜ける。

  • 2024-06-21
  • 2024-06-11

ジャンルレスなデンマークの現代ジャズを象徴する美しいアルバム。Hvalfugl + 弦楽団『Drømme』

デンマーク・オーフスのジャズトリオ、イヴェイフール(Hvalfugl)は新作『Drømme』で同郷の弦楽合奏団フー・キルド・バンビ(Who Killed Bambi)とコラボレーションし、静謐で深遠な音楽の世界へとリスナーを誘う。スカンジナビアの伝統音楽、西洋クラシック音楽、そしてジャズが境界なく溶け合い、デンマーク語で“夢”を表すタイトルのとおり、夢見心地の気持ちにさせてくれる美しい作品だ。

  • 2024-06-11
  • 2024-06-11

ストラト鬼才ジャズ・ギタリストのニア・フェルダー、よりアグレッシヴになった新譜『III』

ニューヨークのギタリスト/作曲家ニア・フェルダー(Nir Felder)の『III』は、これまでの彼の作品の中で最も彼のギターの“凄み”を感じられる作品ではないだろうか。ギターの音はより太く、深くなり、アドリブソロも冴え渡る。多重録音も随所に用いられそれがアルバムとしての効果的な演出となっているが、それでいてライヴ感は全く失われず、強力な推進力を伴った演奏に惹き込まれる。

  • 2024-06-04
  • 2024-06-04

コロンビアのSSW、Aristi ソロ4作目は素朴な味わいのクンビア・アルバム

コロンビア・マニサレス出身のシンガーソングライター、アリスティ(Aristi)の新作『En busca del flow perdido』。クンビアを基調とし、優しく温かみのある声や素朴な楽曲構成、適度に緩いライヴ感のあるギターやパーカッション、管楽器などの演奏もなんとも言えず素敵で味わい深い。アルバムのタイトルはスペイン語で「失われた流れを求めて」の意味で、今作のルーツ回帰志向を象徴する。

  • 2024-05-29
  • 2024-05-29

これは比類なきビッグバンド・ジャズロック。新鮮な驚きが連続する、モニカ・ロッシャー新譜

ドイツの作編曲家/シンガー/ギタリストのモニカ・ロッシャー(Monika Roscher)率いるビッグバンド、Monika Roscher Bigbandの3rdアルバム『Witchy Activities and the Maple Death』が壮絶に凄い。2023年にリリースされたアルバムだが、こんな凄いものを聴き逃してしまっていた…。言葉で説明するのは難しい。とにかく聴き、体験してみるべき作品だ。

  • 2024-05-20
  • 2024-05-20

カンタン・デュジャルダン&オリヴィエ・ケル・オゥリオ、“セレンディピティ”を探す航海

ベルギー出身のギター奏者カンタン・デュジャルダン(Quentin Dujardin)と、レユニオン出身のハーモニカ奏者オリヴィエ・ケル・オゥリオ(Olivier Ker Ourio)によるデュオ作品『Serendipity』は、思いがけない偶然の幸運(=セレンディピティ)を求めて、2人きりで港から港へ、音楽の大海を旅するようなアルバムだ。

  • 2024-05-15
  • 2024-05-15

孤高の天才サンドロ・ハイキ。あらゆる楽器を演奏し、たった独りで創り上げた別次元のアルバム

ブラジル・サンパウロ出身のマルチ器楽奏者/作編曲家のサンドロ・ハイキ(Sandro Haick)の2024年新譜『Gratitude』。ブラジルの伝統的なリズムとジャズ、プログレッシヴ・ロックが絡み合う素晴らしい作品で、アジアや中東の楽器をも取り入れた多彩な音楽表現に一種の凄みすら感じさせる作品だ。そして何よりも驚くべきは、これらのオリジナリティに溢れた素晴らしい音楽を、サンドロ・ハイキがたった一人で創り上げているということだ。