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ギター

  • 2023-09-23
  • 2023-09-23

自由奔放すぎるドミンギーニョス再解釈。もはや“ブラジルの神秘”としか思えない驚異のデュオ

ハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ(Gabriel Grossi)と、マルチ奏者アリスマール・ド・エスピリト・サント(Arismar do Espírito Santo)による自由な演奏が最高に楽しいデュオアルバム『Domingou』。タイトルが示唆するとおり、ブラジル北東部音楽の雄ドミンギーニョス(Dominguinhos, 1941 - 2013)の曲を中心にオリジナルなども交えて全15曲を収録している。

  • 2023-09-20
  • 2023-09-19

フレッテッド&フレットレスのダブルネック・ギターが驚異的!ペルシアン・ジャズの天才ギタリスト

イラン・テヘラン出身のギタリスト/作曲家、マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)の2022年作『Say Your Most Beautiful Word』。“ジャズのペルシャ側”(Persian side of jazz)を標榜する彼の武器はフレッテッドとフレットレスの2本のネックを備えたギターだ。スピリチュアルな女性ヴォーカルやヴァイオリン、クラリネットなどバンドメイトの音も滋味深く、マハン・ミララブのオーストリアでの15年近い活動の中でも今作はより深い精神性を探求する作品となった。

  • 2023-09-16
  • 2023-09-16

洗練されたサウンドの中に潜む少年の心。アルゼンチンの若きSSWアンドレス・ムラトーレの傑作新譜

デビューとなった前作『Del Suspiro de los Peces』が高く評価されたアルゼンチン・コルドバ州出身のシンガーソングライター、アンドレス・ムラトーレ(Andrés Muratore)が2ndアルバム『Choza』のA面『Choza-Dentro』をリリースした。今作には幼少期のトラスラシエラ渓谷に流れる川での冒険の日々や、自然の恵み、人間の感情をテーマとした7つの楽曲群が収録されている。

  • 2023-09-11
  • 2023-09-11

ベトナム系スーパーギタリスト、グェン・レ。独自の感性で綴る奇矯ジャズ『Silk and Sand』

ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。

  • 2023-09-09
  • 2023-09-10

時代を超越する魔法のような音楽。才媛レイヴェイの深化した2ndアルバム『Bewitched』

中国系アイスランド人で、現在はロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター/マルチ奏者レイヴェイ(Laufey)が2ndアルバム『Bewitched』をリリースした。キュートなルックスからは想像の難しい渋い低音ヴォイス、ジャズやボサノヴァの影響を受けた洗練された自作曲には恋愛中心の少女的で幼い歌詞が乗るなどそのギャップも魅力的な新世代のアーティスト。表現力豊かな声が、ジャズコンボやオーケストラ(ロンドンのフィハーモニア管弦楽団)を起用したサウンドでより妖艶な魅力を増した。

  • 2023-08-31
  • 2023-08-30

半世紀の時を経て蘇った伝説のインド・ジャズ・フュージョン!Shakti まさかの2023年新作

ギター奏者ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)、タブラ奏者ザキール・フセイン(Zakir Hussain)を中心に1974年に結成され、数年の間に3枚のアルバムを残した伝説的フュージョン・バンド、シャクティ(Shakti) がまさかの復活。最後のアルバム『Natural Elements』(1977年)から実に46年ぶりとなる4thアルバム『This Moment』は、まさに彼らの今の瞬間を捉えたアルバムだ。

  • 2023-08-26
  • 2023-08-26

ベベウ・ジルベルトが亡き父ジョアンに捧げる無限の愛情。新作の題は『João』、父が愛したサンバ集

ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931 - 2019)とミウシャ(Miúcha, 1937 - 2018)の間に生まれた歌手ベベウ・ジルベルト(Bebel Gilberto)が、ついに父が愛したサンバを歌った。1966年生まれの彼女は最初のアルバムを録音して以降、一度も父がレパートリーにしていた曲を歌ったことがなかったという彼女の新作『João』は、その明瞭なタイトルの通り、レジェンドである父親へのオマージュだ。

  • 2023-08-25
  • 2023-08-25

ブエノスアイレスの新星ギタリスト、イヴォ・マッツェオ。ジャズへの深い愛情を湛えたデビュー作

アルゼンチン・ブエノスアイレスのギタリスト/作曲家イヴォ・マッツェオ(Ivo Mazzeo)のデビュー作『Dualidad』。アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新トリオをバックにストレートアヘッドなフォービートから南米らしく洗練された歌心を聴かせるものまで、優れたギタージャズを展開する好盤だ。

  • 2023-08-12
  • 2023-08-12

豊かな南米音楽が凝縮されたフルート、ギター、パーカッションの多国籍トリオ作『Dímelo』

チリの打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、ブラジルのフルート/クラリネット奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)、そしてペルーのギタリストのセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)による潤いのあるアコースティック・アンサンブル『Dímelo』。トリオによって生み出される音は複雑なアレンジと演奏をシンプルに届けてくれる。

  • 2023-08-04
  • 2023-08-04

イスラエルのフラメンコギター奏者イダン・バラス、独自の音楽を探求する3rd『Un Momento』

イスラエルのフラメンコ・ギタリスト、イダン・バラス(Idan Balas)の3rdアルバム『Un Momento』がリリースされた。彼のこれまでの作品と同様に優れたコンテンポラリー・フラメンコの作品となっており、彼のギター・インストゥルメント曲を中心にスペインから歌手を招いた曲や、イスラエル・ジャズの要素を強めた楽曲など非常に幅広くクオリティの高いアルバムだ。

  • 2023-07-29
  • 2023-08-19

ポール・サイモンの生き様が詰まった新作『七つの詩篇』

ポール・サイモン(Paul Frederic Simon)は1941年10月13日、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークのユダヤ人の中流家庭に生まれた。いつも聖書を読み、神が私たち全員に目を留めておられると信じて育った少年は、その後の長い人生を通じて、彼が“家族”と呼ぶ同じくユダヤ系のアート・ガーファンクル(Arthur Ira Garfunkel, 1941 - )とのデュオ時代を含め、史上最多の13度のグラミー賞を受賞し、ミュージシャンとしては唯一「世界で最も影響力のある100人」に選出されるほどの成功を収めた。

  • 2023-07-16
  • 2023-07-22

音楽文化をつくった偉大な7弦ギタリストたちに捧ぐ9つの讃歌。ギリャルメ・ラマスの多幸ショーロ

ブラジルの7弦ギター奏者/作曲家ギリャルメ・ラマス(Guilherme Lamas)の『Bem acompanhado』(2022年)は、7弦ギター(Violão de sete cordas)をブラジルの大衆音楽にとって重要な楽器に引き上げた偉大なギタリストたちに敬意を込めて作られたハイレベルなオリジナル・ショーロ曲集だ。

  • 2023-07-16
  • 2023-07-15

新世代ジャズギター・ヒロインの登場!ラトビア出身エラ・ジリナのデビュー作『Intertwined』

1997年ラトビア生まれ、現在はオランダ・アムステルダムを拠点とするギタリスト、エラ・ジリナ(Ella Zirina)は新世代のジャズ・ギター・ヒロインとなるであろう逸材だ。オーセンティックなスタイルを軸としながら、卓越した技巧も、繊細なダイナミクスの表現力も、様々な引き出しを持った即興のアイディアも素晴らしく、デビューアルバム『Intertwined』でその技を惜しげもなく披露している。