- 2024-04-21
- 2024-04-21
「これはビヨンセのアルバム」。カントリー・アルバムを発表したビヨンセが伝えたかったこと。
タイトルは『Cowboy Carter』。その名の通り、カントリー・アルバムである。「これはカントリー・アルバムではありません。これは”ビヨンセのアルバム”です」ビヨンセのこの発言の意図とは。そして本作で伝えたかったこととは。
タイトルは『Cowboy Carter』。その名の通り、カントリー・アルバムである。「これはカントリー・アルバムではありません。これは”ビヨンセのアルバム”です」ビヨンセのこの発言の意図とは。そして本作で伝えたかったこととは。
新しいアラビック・ポップスターの誕生だ。中東パレスチナと南米チリをルーツに持つシンガー、エリアナ(Elyanna)が驚くべきデビューアルバム『WOLEDTO』をリリースした。2023年のコーチェラ・フェスティバルで史上初の全編アラビア語で歌い切ったアーティストとして大きな話題となり一躍メインストリームに躍り出た彼女による、アラビック・ポップの新時代の幕開けを告げる象徴的なアルバムだ。
初めてその歌声を聴いたときから、歌手としての並外れた才能を感じた。八王子市出身のシンガー、後藤杏奈(Goto Anna)。ブルガリアへの留学や船での世界一周など豊富な国際経験をもつ彼女のデビューアルバム『Departure』は、“歌唱力”の一言では括ることのできない魅力が凝縮された作品となった。
フランスのシンガーソングライター/ハープ奏者ソフィー・ソリヴォー(Sophye Soliveau)のソロデビュー作『INITIATION』が圧巻だ。まずは(2)「Initiation II - Wonder Why」を聴いてみてほしい。タイトだが主張のないリズムセクションの上で、幾分慎ましやかに分散コードを爪弾くハープ。鳥肌立つほど多層にも重なる女性コーラス。そして何よりも耳を惹くのは、これがデビュー作とは思えない経験値を感じさせるソフィー・ソリヴォーその人のあまりに素晴らしいヴォーカルだ。
ジャズやR&B、レゲエなどを吸収した新たな表現を試みるキューバ新世代SSW、ダイメ・アロセナ(Daymé Arocena)が新譜『Alkemi』をリリースした。祖国に失望し、現在はプエルトリコに住む彼女の芸術家としての覚悟すら見える圧倒的なパワーを感じさせる作品だ。
声を中心に、思慮深く言葉を重ねていく印象的なR&Bだ。カナダ・モントリオールのシンガーソングライター、ドミニク・フィス=エメ(Dominique Fils-Aime)の2023年新譜『Our Roots Run Deep』。“私たちは地中深くに根差している”に始まる(1)「Our Roots Run Deep」から、“太陽まで登らせて”と歌う(13)「Feeling Like A Plant」まで、余計なものを注意深く削ぎ落としたサウンドをバックに彼女の物語を表現。有機的な流れはある種の必然性を持ち、リスナーをその映画のような物語の中に引き入れていく。
Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2023年のベストアルバム。 基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。「何を落としたらいいのか悩む」大豊作の昨年に対し、「何を入れるか悩んだ」今年。なかなかコレ!というものがなかった年でもありましたが、ここに挙げたのは間違いなく「いい音楽」。 今年1年お世話になった作品を振り返っていきましょう。
2023年も残りわずか。まさかこのタイミングでこのような朗報が訪れるとは思わなかった。2019年の『Tomorrow's New Dream』より4年ぶり、通算19作目のアルバムとなるインコグニート(Incognito)の新作『Into You』が発表されたのは10月末の事だ。
中央アフリカのガボンにルーツを持つフランスのシンガーソングライター、アナイス・カルドー(Anaïs Cardot)が素晴らしい。エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)やジョアン・ジルベルト(João Gilberto)などに影響を受けてきたという彼女のデビュー作となるEP『Pink Magnolia』で、内省的でロマンティックな陰を含んだ歌を、驚くほど繊細で魅力的な声で歌う。逸材、と感じられずにいられない最高のデビューだ。
2018年の前作『Miradas』がラテングラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ポップ・アルバム」部門にノミネートされたメキシコのSSW、ナナ・メンドーサ(Nana Mendoza)の2023年新譜『...』は限りなく良質なスペイン語ポップスだ。R&B、ジャズ、ボサノヴァなどから少しずつ影響を受けた爽やかだが安っぽさのない歌とサウンドで、エレクトリック要素も濃かった前作に比べると随分とアコースティックでジャズ寄りの作風が特徴的。彼女の最高傑作ではないかと思わせる素晴らしい仕上がりの作品となっている。
米国オハイオ州出身、近年注目のマルチ奏者/シンガーソングライター、コーシャス・クレイ(Cautious Clay)が名門ブルーノート・レコードからの最初のアルバム『KARPEH』をリリースした。アルバムタイトルは彼の本名に因んでおり、多彩な15曲は自伝的な要素も含む。ゲストにジュリアン・ラージ、アンブローズ・アキンムシーレ、イマニュエル・ウィルキンス、ジョエル・ロス、アルージ・アフタブといった現代ジャズ最高峰の面子を揃え、溢れ出る個性と才能をニューヨークの最先端のサウンドで表現する傑作に仕上がっている。
現代の南アフリカのジャズシーンにおいて既に最も重要な鍵盤奏者として位置付けられているボカニ・ダイアー(Bokani Dyer)。彼の出身である南部ソト語で“社会”、“国家”を表す「Sechaba」という言葉をタイトルに冠した新作『Radio Sechaba』で、南アフリカとはなにか、という社会的なテーマに対し多様なアプローチで解釈を示してゆく。
ナイジェリアのヴォーカリストJazzZと、ジンバブエのプロデューサーTentenの共同プロジェクトによる初のリリース『Absinthe』。ジャズ、R&B、ヒップホップ、ソウルなどの影響がバランスよく織り込まれたそれぞれ短めの14のトラックはどれも清涼で洗練されており、心地よい時間へとリスナーを誘う。
Funk、Jazz、HipHop、R&B、アフロビート…様々な音楽をジャンルレスに横断し、その独特のグルーヴで唯一無二の存在感を放つマルチアーティスト/ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が今年ブルーノートから新作を発表した。本稿では多様なンデゲオチェロの作品群を改めてフィーチャー。デビュー30周年を迎える彼女のキャリアを振り返るとともに、これから彼女の音楽に触れる人は是非自分だけのお気に入りの一枚を見つけて欲しい