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MPB

  • 2026-09-18
  • 2026-09-17

身体に刻まれた”傷と起伏”。ブラジルから届いた極上のネオソウル、THAMI『Relevuras』

とにかく、めちゃめちゃセンスのいいブラジル産ネオソウルだ。 リオデジャネイロ州出身、現在はサンパウロを拠点とするシンガーソングライター、タミ(THAMI)の新作『Relevuras』。アルバムに収録された10曲にはダンサーとしての20年のキャリアから歌手に転身した彼女に特有の音楽の身体性があり、より商業的に有利な条件の提案を“アイデンティティが失われる”からと断り、インディーズでの活動を続けることを選択したという芸術家らしい誇りも感じられる。

  • 2026-09-11
  • 2026-09-11

MPB新世代マトゥ・ミランダ新譜!未来への原動力としてのサウダーヂを描き出す注目作『Apuama』

マトゥ・ミランダ(Matu Miranda)の第2作目となるアルバム『Apuama』は、2026年のブラジル音楽(MPB)の最重要トピックとなるだろう。2024年のデビュー作『Matutando』で、ミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)からレニーニ(Lenine)まで、新旧のスターたちの協力を得て“MPBの正当な後継者”として確信を強く印象に刻んだその実力はやはり伊達ではなかった。

  • 2026-08-30
  • 2026-08-30

レア・フレイリ、タチアナ・パーハら4人の女性音楽家による新譜“秋風”。松尾芭蕉が重要なテーマに

ブラジル・サンパウロを拠点に活動する4人の女性音楽家──フルート奏者/ピアニスト/作曲家レア・フレイリ(Léa Freire)、歌手/ピアニスト/作曲家のタチアナ・パーハ(Tatiana Parra)、ピアニスト/作曲家のタイス・ニコデモ(Thais Nicodemo)、歌手/ギタリスト/作曲家のタリータ・ヂ・ソウザ(Tarita de Souza)が、新グループ・クアルチーナス(Quartinas)を結成。スタジオ録音のデビュー・アルバム『Autumn wind』をリリースした。

  • 2026-08-20
  • 2026-08-19

イヴァン・リンス全面参加!東京拠点の多国籍ビッグバンド、Banda Mandacarinho によるIvan Lins曲集

つい先日(2026年7月24日)、彼自身の悲願であったというサンバ・アルバムをリリースしたイヴァン・リンス(Ivan Lins)だが、そのわずか1ヶ月後に彼関連の新たなアルバムが届いた。ファンにとっては夢のような話だ。なぜなら、今作『Banda Mandacarinho convida Ivan Lins』はイヴァン・リンスの往年の名曲たちに焦点が当てられ、新たなアレンジで彼の歌が聴けるのだから…。 

  • 2026-08-10
  • 2026-08-11

昔むかし、明日というものがあった──。気鋭SSW、アマンダ・マガリャンイスは痛烈に現代社会を批評する

ブラジルの新世代シンガーソングライター、アマンダ・マガリャンイス(Amanda Magalhães)の2026年新作『Era Uma Vez o Amanhã』は、MPB/ソウル路線をゆく彼女の従来作の主要なテーマであった個人的感情や恋愛から一転、社会や政治の問題について先鋭的にラップする革新的な作品だ。アルバムタイトルは、おとぎ話の定型句「Era uma vez(昔々)」と「Amanhã(明日)」を結びつけた「昔々、明日というものがあった」という逆説的表現で、未来そのものがすでに失われつつあるのではないかという感覚を示唆。歌詞では現代社会のテクノロジー、労働、資本主義、SNSと承認欲求、環境問題、そして未来の社会像について歌っている。

  • 2026-08-02
  • 2026-07-30

現代ブラジルを代表する4人のSSWによる、シコ・ブアルキ再解釈作品『Escafandristas Cantam Buarque』

ブラジルの音楽についてある程度の知見をお持ちの方なら、シコ・ブアルキ(Chico Buarque, 1944 - )が同国史上最高のシンガーソングライターの一人であるという意見に疑問の余地はないだろう。1960年代から優れた作曲と詩と歌によって音楽の第一線で活躍し、さらに小説家や劇作家としても成功。とりわけ1964年から1985年まで続いたブラジル軍事独裁政権への抵抗の象徴として、近年のブラジルの文化の形成に大きな影響を与えた人物だ。本稿で紹介するグループ、エスカファンドリスタス(Escafandristas)の4人も、それぞれが幼少期からごく自然にシコ・ブアルキの音楽に触れながら育ってきたという。

  • 2026-07-27
  • 2026-07-24

稀代のSSWイヴァン・リンス、その豊かな音楽性の根幹「サンバ」にコミットした新作『Sambadouro』

ブラジルを代表するシンガーソングライターのイヴァン・リンス(Ivan Lins)の新作『Sambadouro』が2026年7月24日にリリースされた。イヴァン・リンスといえば、自身で鍵盤を弾きながら歌う、めちゃめちゃ個性的かつお洒落なAORあるいはジャズ寄りのMPBという印象が強いが、今作では彼自身の長年の念願であったという「サンバ」に全振りしたサウンドで、リラックスしながらも情熱的な演奏を届けてくれた。

  • 2026-07-20
  • 2026-07-19

恋愛も映画も、戦争も政治もリアルに捉えるブラジル新世代SSWデュオ。ソフィア・シャブラウ&フェリピ・ヴァケイロ

2020年代ブラジル・インディーを代表する二人の気鋭シンガーソングライター、ソフィア・シャブラウ(Sophia Chablau)とフェリピ・ヴァケイロ(Felipe Vaqueiro)が出会い意気投合、2025年10月にリリースしたアルバム『Handycam』。MPBやトロピカリアに通ずるサイケロックを基調に、親密で文学的なソングライティングによって恋愛や友情といった身近な感情から、戦争やメディアのあり方までを描いた、要注目の作品となっている。

  • 2026-06-01
  • 2026-06-01

ジョアン・ジルベルトの末娘ルイーザ、デビュー!『Loulu Gilberto』で垣間見せた”父と娘のリビングの記憶”

おそらく、“ボサノヴァ第二世代・最後の原石”の、淑やかながら輝かしいデビューだ。 2004年生まれの21歳、ロウル・ジルベルト(Loulu Gilberto, 本名:Luísa Carolina Gilberto)の初アルバム『Loulu Gilberto』が2026年5月末にリリースされた。ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931 - 2019)を父にもつ彼女は、自分が幼い頃にはすでに老齢の域に達していた父との優しい想い出を紡ぐように、丁寧に繊細に、“静寂よりも美しく”ボサノヴァを歌う。

  • 2026-05-27
  • 2026-08-16

モニカ・サウマーゾ、テコ・カルドーゾ、ダヴィ・フォンセカが受け継ぐ創作楽器集団ウアクチの遺産

ブラジル音楽には、しばしば「ジャンル」という言葉だけでは捉えきれない作品が現れる。 2026年5月にリリースされた『Utupê Oficina Sonora Recebe Mônica Salmaso, Teco Cardoso e Davi Fonseca』も、まさにそのような一作だ。同国を代表する歌手モニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)がヴォーカルと芸術監督を務め、彼女の長年のコラボレーターとしても知られるベテランのフルート奏者テコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)が参加し、そして2019年にあまりに完成度の高いデビュー作『Piramba』で世界を驚かせたダヴィ・フォンセカ(Davi Fonseca)がプロデュースするこの作品は、ミナス・ジェライスの近年の音楽文化の中でもとりわけ重要なひとつの源流を辿り、枯れゆこうとするその流れの“遺産”に再び優しく光を浴びせる。

  • 2026-05-15
  • 2026-05-15

素朴で幻夢的な音空間が素敵、ブラジル北東部出身SSW/マルチ奏者ナイロン・イーゴル 初アルバム

ブラジル北東部アラゴアス州マセイオ(Maceió)出身のシンガーソングライター/マルチ奏者のナイロン・イーゴル(Nyron Higor)が2025年にリリースした、初のフルレンス・アルバム『Nyron Higor』。ブラジル北東部の伝統音楽に根差しながら、現代的なベッドルーム・ポップの心地よさに包まれたサウンドを届けてくれる良作だ。

  • 2026-04-08
  • 2026-04-11

ノスタルジックなMPBの隠れた宝石。7弦ギターと歌による心温まる“おばあちゃんの家”

ブラジルのシンガーソングライター、ヴァネッサ・ピニェイロ(Vanessa Pinheiro)と、7弦ギター奏者フェリクス・ジュニオール(Felix Junior)による、心温まる“歌とギター”。ふたりの2025年作『Casa De Vó』は、家族や日常の中にあるささやかな喜びや自然の美しさを描いた、素朴で素敵なアルバムだ。

  • 2026-03-31
  • 2026-08-16

ドイツの歌手セリーヌ・ルドルフが歌う、至悦のブラジル音楽『Amaré』

ドイツのヴォーカリスト、セリーヌ・ルドルフ(Céline Rudolph)が、ブラジルのピアノ奏者エンヒキ・ゴミヂ(Henrique Gomide)とギター奏者ジョアン・ルイス・ノゲイラ(Joao Luis Nogueira) と共演し、ブラジル音楽を歌うヴォーカル・トリオ作『Amaré』。ブラジル音楽の豊かな遺産とジャズの即興性を融合させた作品で、タイトルは“潮”を意味する(a maré)と“愛とは”(amar é)という二つのテーマを象徴する。

  • 2026-02-28
  • 2026-02-28

リオ新世代SSWレオ・ミデア、遠きプーリアから届けるブラジル音楽の鼓動

ブラジル出身、2014年のデビュー後にヨーロッパに移住し、現在はスペインのバルセロナを拠点とするシンガーソングライター、レオ・ミデア(Leo Middea)が6枚目のスタジオ・アルバムとなる『Notícias de Puglia』をリリースした。「プーリアからの便り」のタイトルが示すのは、旅を続ける彼らしい、故郷ブラジルへのサウダーヂの想いだ。