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MPB

  • 2024-03-15
  • 2024-03-15

南米と北欧が交叉する、どこかノスタルジックな大傑作。ハファエル・ジメネス新譜

ブラジル出身、デンマーク在住の男性SSWハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の2024年新譜『DINAMARCA』は、ここ数年でもっとも美しい音楽作品のひとつだ。2016年作『As Montanhas de Som』や2021年作『A Tongue Full of Suns』などリリースの度にファンを驚かせ楽しませてきた彼が、またしても10年に一度の最高のアルバムを作り上げた。

  • 2024-02-25
  • 2024-02-25

バーデン・パウエルの“アフロ・ブラジレイロ性”を取り戻す試み。Glaw Nader『Tempo de Amor』

ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンチの歌手グラウ・ナデル(Glaw Nader)がデビューアルバム『Tempo de Amor』をリリースした。アフロ・ブレジレイロ(アフリカ系ブラジル人)の音楽や文化とジャズの相互作用を研究する彼女が、このアルバムで選んだテーマは黒人音楽家としてのバーデン・パウエルの再解釈だ。

  • 2024-02-12
  • 2024-02-12

コンビに乗り世界を旅する国境なきバンド「Čao Laru」。音楽的ルーツ“ミナス”をテーマにした新譜

2015年にブラジル系フランス人たちによって結成された旅とともにあるバンド、チャオ・ラルー(Čao Laru)。彼らは新作『Minas』で、自身たちのルーツであるブラジル音楽により深く潜り込んだ。街角クラブ(Clube da Esquina)からグラヴェオーラ(Graveola)までミナス・ジェライスの音楽をこよなく愛する彼らは、ブラジルから多くのゲスト・ミュージシャンを彼らの“コンビ”に招き、4枚目のアルバムを完成させた。

  • 2023-12-07
  • 2023-12-07

ブラジル最高峰の音楽家が集結!セルジオ・サントス、ハファエル・アルテリオ、マイラ・マンガ新譜『Cortejo』

セルジオ・サントス、ハファエル・アルテリオ、マイラ・マンガ共同名義の新譜『Cortejo』ミナスのSSWセルジオ・サントス(Sergio Santos)と歌手マイラ・マンガ(Maíra Manga)、そしてサンパウロのSSWハファエル・アルテリオ(Rafael Altério)の共同名義によるアルバム『Cortejo』がリリースされた。ゲストでブラジルを代表するピアニストのアンドレ・メマーリや歌手モニカ・サウマーゾも一部楽曲に参加しており、ブラジル音楽ファンにとって見逃せない作品となっている。

  • 2023-12-01
  • 2023-12-03

ブラジルを代表する音楽家が多数参加!異色の経歴のSSWフェルナンド・グレッコのデビュー作

ブラジルのシンガーソングライター/ギタリストのフェルナンド・グレッコ(Fernando Grecco)による2022年作『Vir a Ser』には、ヒカルド・ヘルス、アントニオ・ロウレイロ、ジョアナ・ケイロス、フレデリコ・エリオドロといった日本でも著名なアーティストが多数参加。パンデミックによる中断がありながらも、2019年から丁寧に制作が開始された充実作で非常に聴き応えがある。

  • 2023-11-19
  • 2023-11-19

詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスが築いた世界の軌跡を辿る。孫娘マリアナ・ヂ・モライス新譜『Vinicius de Mariana』

偉大な詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスを祖父に持つブラジルの歌手マリアナ・ヂ・モライス(Mariana de Moraes)が自ら選曲したヴィニシウス作品集『Vinicius de Mariana』がリリースされた。祖父の詩と、バーデン・パウエル、エドゥ・ロボ、シコ・ブアルキ、カルロス・リラ、そしてジョビンやピシンギーニャといった作曲家たちによる素晴らしい楽曲たちを生前のジョアン・ドナートらによる豊かなアレンジで新たに蘇らせている。

  • 2023-11-11
  • 2023-11-12

マリーザ・モンチにマリア・ベターニア、ネイ様にサー様 … & more! MPB史上でもなかなかない程にとんでもない豪華なVo陣を迎えたマルセロ・コスタの新作『Vol.2』

ブラジル音楽のスターを長年に渡って支えてきたドラマー/パーカッショニスト、マルセロ・コスタ(Marcelo Costa)。国内盤CDもリリースされ話題になった前作『Vol.1(Número 1)』(2019年)に続く、『Vol.2』は、ゲストVoに女性を中心に据え、マリア・ベターニア、マリーザ・モンチ、ホベルタ・サー、パウラ・モレレンバウム(Paula Morelenbaum)らが参加。マルセロ・コスタが、MPBのシーンで45年以上にわたり、どんなにか貢献してきたかを窺い知ることができる好盤だ。

  • 2023-11-02
  • 2023-11-04

もっと知りたいチン・ベルナルデスのこと。「21世紀のブラジリアン・ソング・サイクル」 を作った才能が、祝! 初来日!!

待望の初来日!!! ブラジルの若い世代を代表するシンガーソングライターのチン・ベルナルデス(Tim Bernardes)が、待望の初来日します!この貴重な来日の機会に、ライヴに行く人にもそうでない人にも現代ブラジル音楽の至宝「チン・ベルナルデス」のことを知って欲しい!

  • 2023-10-26
  • 2023-10-26

絶妙なミクスチャー・サウンドが現代にトロピカリアを甦らす。リオの気鋭SSWペドロ・フォンチ2nd

現在のリオデジャネイロのインディー・シーンにおける要注目シンガーソングライター/ギタリスト/打楽器奏者のペドロ・フォンチ(Pedro Fonte)。大きな注目を集めたソロデビュー作『Filme do Tempo』から3年ぶりとなる2ndアルバム『Luz Na Madrugada / Late Night Light』では、前作で見せた独特の魅力を放つサウンドをさらに深化。現代のトロピカリアとも呼ぶべき、少し捻りのあるブラジリアン・ロックがどこまでも魅力的な作品を仕上げてきた。

  • 2023-10-02
  • 2023-10-01

ブラジルの声 タチアナ・パーハ 最新デュオアルバム『entre luas』

タチアナ・パーハとエリカ・ヒベイロの二人はこれまでもギター奏者ルイス・レイチの2017年作『Vento Sul』や、直近ではアレシャンドリ・アンドレスの『Macaxeira Fields』10周年プロジェクトでの「Sem Fim」など、たびたび共演を行なってきた。今作『entre luas』はおそらくはそうした伏線の延長線上にあるものだが、ブラジル国外の作曲家の作品を積極的に取り上げるというコンセプトと、エリカ・ヒベイロの端正かつ自在な表現のピアノと相まって、タチアナ・パーハの魅力の現在地点の最高の瞬間を捉えたものとなっているように思う。

  • 2023-09-17
  • 2023-12-17

偉大なジャヴァンに捧ぐ。アミルトン・ヂ・オランダが最高のゲストを迎え制作した新譜『Samurai』

ブラジルのバンドリン奏者アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)による最高にグルーヴィーで独創的なジャヴァン曲集『Samurai』をリリースした。アルバムにはMPB(ブラジルのポピュラー・ミュージック)の生きる伝説ジャヴァン(Djavan)本人を含む豪華すぎるゲストも参加し、ジャヴァンの名曲たちを新鮮なアプローチのアレンジで演奏している。

  • 2023-09-01
  • 2023-08-29

ミナスのSSWジュリア・ブランコ、5年ぶり2ndは母性と時の流れをテーマにした瑞々しいアルバム

シコ・ネヴェス(Chico Neves)がプロデュースし、絶賛を浴びたデビュー作『Soltar os Cavalos』から5年。ブラジル・ミナスジェライス州のシンガーソングライター、ジュリア・ブランコ(Julia Branco)の新作『Baby Blue』がリリースされた。その5年間に起こった世の中や自身の変化がアルバムのひとつのテーマとなりつつも、デビュー作でも見せた新鮮だがどこか懐かしさも感じさせる彼女の音楽的センスが発揮された素晴らしい作品だ。

  • 2023-08-20
  • 2023-08-20

人生を深く考察する社会派SSWイザベラ・ブレッツ、情報過多の時代に癒しをもたらす新譜

ブラジルのシンガーソングライター、イザベラ・ブレッツ(Isabella Bretz)と鍵盤奏者ホドリゴ・ラナ(Rodrigo Lana)の共同名義のアルバム『Cabeça Fora D'Água』が美しい。二人の共作である(10)「Cabeça Fora D'Água」を除く全曲がイザベラ・ブレッツの作詞作曲。情報過多・不確実な時代に生きる人々に癒しをもたらし、人間らしい生活とは何かを考えさせてくれる10の優れた楽曲が収録されている。