- 2025-12-18
- 2025-12-18
百年の時を超えるレトロモダンな王道エレクトロ・スウィング。Tape Five新作『Fizzy Far Niente』
ドイツ出身の作曲家/音楽プロデューサー、マーティン・スタートハウゼン(Martin Strathausen)を中心とするプロジェクト、テイプ・ファイヴ(Tape Five) の2025年新譜『Fizzy Far Niente』。まさにエレクトロ・スウィングの王道を行く、100年の時を超えるレトロモダンなサウンドは今もなお、かっこいい。
ドイツ出身の作曲家/音楽プロデューサー、マーティン・スタートハウゼン(Martin Strathausen)を中心とするプロジェクト、テイプ・ファイヴ(Tape Five) の2025年新譜『Fizzy Far Niente』。まさにエレクトロ・スウィングの王道を行く、100年の時を超えるレトロモダンなサウンドは今もなお、かっこいい。
フランス出身、米国NYを拠点に活動するジャズギタリスト、ミカエル・ヴァレアヌ(Michael Valeanu)のトリオによる新譜『Road Songs』。“旅”をテーマに、タイムレスな名曲をメインに演奏する親しみやすいアルバムだ。旅路を共にするトリオのメンバーはチリ出身のドラマー、ロドリゴ・レッカバレン(Rodrigo Recabarren)と、米国のベース奏者ジュリアン・スミス(Julian Smith)。
⚫︎圷 滋夫(あくつしげお/ライター) 本作は2019年にブラジルで公開されたが日本では未公開だった作品で、事実を基にした物語だ。主役を演じるのはブラジルが誇るベテラン実力派女優マルセリア・カルターショで(主演作の『A Hora da Estrela/星の時』が、1986年のベルリン国際映画祭でブラジル人として初めて銀熊賞=最優秀女優賞を受賞している)、撮影当時はまだ50代ながら(1963年生まれ)まだまだ溌剌とした姿と、逆に老境の切なさと残酷さを見事に表現しており、その円熟の演技を堪能出来る。そして本作は、世界の様々な映画祭で作品賞や脚本賞、主演女優賞、観客賞など、多数の部門で受賞している。
クルドをルーツにもつオランダのシンガーソングライター、メラル・ポラト(Meral Polat)の2025年作 『Meydan』は、彼女のルーツであるアナトリアとメソポタミアの音楽や、イスラム教の少数派であるアレヴィー派の文化的背景を基調に、トルコのサイケデリック・ロックやクルドのソウル、プロテスト・ブルース、ワールド・フュージョンを融合させた強烈な音楽体験を約束するアルバムだ。
フランスのジャズピアニスト、アントワン・エルヴィエ(Antoine Hervier)の2025年新作『Navigue loin - Looking at Christian Escoudé』は、彼がそのバンドの最後のピアニストとして在籍していた、2024年に他界したフランスを代表するジプシージャズ・ギタリストであるクリスチャン・エスクーデ(Christian Escoudé, 1947 - 2024)のトリビュート・アルバムだ。アルバムにはエスクーデが遺した10曲(11トラック)が選ばれており、ピアノトリオを中心に、数曲でゲストを加えて魅惑のジプシー・ジャズの世界へと誘う好盤となっている。
ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。
スコットランド出身のシンガー/作曲家ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)の新作『All I Know』。アヴィシャイ・コーエン・トリオに参加したことで世界的に知られるアゼルバイジャン出身ピアニストのエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)とのデュオで発表した前作『Two Hours After Midnight』はスコットランドの美しい歌曲集だったが、今作は全曲を彼女のオリジナルでまとめ上げ、ジャズ・ヴォーカリストとしてオリジナリティを追求した作品となっている。
レニーニが戻ってきた!切れ味抜群のガットギターと、スウィングしながらラップするように歌う独特のヴォーカル。ブラジル北東部(ノルデスチ)の伝統音楽とロックを融合させた革新的なスタイルは、今も変わらない。1990年代にイノベーターとしての彼を発見した人も、そうでない人も、この独創的な音楽にぜひ触れてみてほしい。
積み重ねてきた文化の深み、絆の強さを感じさせる。ジャズの半世紀を支えてきた二人のレジェンド、ジョン・スコフィールド(John Scofield)とデイヴ・ホランド(Dave Holland)の初のデュオ・アルバム『Memories of Home』がECM Recordsからリリースされた。今作では二人が過去に作曲した代表曲や、新たに書き上げた曲を演奏する。
エチオピア出身で、難民生活を経てオーストラリアに移住したシンガー、エヌシュ・タイエ(Enushu Taye)が率いる10人以上のミュージシャンや詩人から成るジャズ・コレクティヴ、ブラック・ジーザス・エクスペリエンス(Black Jesus eXperience)の新作アルバム『Time Telling』は、エチオピアの伝統音楽にジャズやファンク、ヒップホップを融合した濃密な音楽体験を約束する作品だ。
アマプラでドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(2021年)を観て、やっぱりモリコーネの音楽は素晴らしいな、と思いながらApple Musicで「ガブリエルのオーボエ」を聴こうと検索したら、タイムリーにエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がモリコーネ曲集のEPをリリースしていたことを知った。
ロシアを代表するピアノトリオであるLRK Trioの新作『LRK Orchestra』は、モスクワの若手オーケストラであるユーフォリア・オーケストラ(Euphoria Orchestra)とともに紡ぎ出す壮大なアレンジが印象的なアルバムだ。
ブラジルにルーツを持ち、ロンドンで生まれ育った打楽器奏者ファビオ・ヂ・オリヴェイラ(Fábio de Oliveira)が率いるプロジェクト、バボ・モレーノ(Babo Moreno)のデビュー作『Babo Moreno』。この作品に寄せられた次の賛辞は、多様さを極めるロンドンのジャズシーンに忽然と現れた彼と、その作品への期待が滲み出ている。
インド・カルナータカ州都ベンガルールを拠点とするカルナティック・プログレッシヴ・ロックバンド、アガム(Agam)が8年の制作期間を要し完成させた3rdアルバム『Arrival of The Ethereal』。長い歴史を持つインド古典音楽と近代的なプログレの絶妙なブレンドは斬新で、その高い完成度も相まって新鮮な驚きに満ちた壮大な音楽世界が展開される優れたアルバムだ。