- 2026-08-15
- 2026-08-07
“変わり者”と呼ばれようとも、自分の周波数で生きること──NYのラッパー、Homeboy Sandman の境地
2026年に登場したラッパーのホームボーイ・サンドマン(Homeboy Sandman)とプロデューサーのジャック・スプラッシュ(Jack Splash)とのコラボ・アルバム『Resonance Frequency』は、ジャズ・ヒップホップの長い系譜の最新章として必聴の作品だ。
2026年に登場したラッパーのホームボーイ・サンドマン(Homeboy Sandman)とプロデューサーのジャック・スプラッシュ(Jack Splash)とのコラボ・アルバム『Resonance Frequency』は、ジャズ・ヒップホップの長い系譜の最新章として必聴の作品だ。
ウルグアイの作曲家/ベーシスト/プロデューサー、フランシスコ・ファトルーソ(Francisco Fattoruso)の新譜『Galaxy 4133』は、目の覚めるようなシンセ・ファンクが強烈な傑作だ。ウルグアイの伝統的なカンドンベの影響を受けたリズムに、マーカス・ミラー(Marcus Miller)を想起させる力強いスラップが縦横無尽に飛び交う。サウンドの軸にあるのはモーグ・シンセサイザー。アルバム・タイトルや収録曲名からも分かるように、近未来SF的な風情が漂う──確かにコンセプト自体は若干安直な印象も拭えないが、そうと分かっていても、この音楽はかっこいい。
アルゼンチン第3の都市、ロサリオを拠点とするインストゥルメンタル・ジャズファンクバンド、ラテロニアス(Latelonius)の2026年新譜『Lonius』が最高だ。パーカッション奏者2人を含むソリッドなリズム隊と強力な管楽器セクション、変幻自在のギターにキーボード、さらにはターンテーブル奏者も備えた12人の大編成(バンドメンバーは8人だが、準メンバー的に4人が加えられている)で繰り出される完膚なきグルーヴが脳天を貫き、神経を電流で刺激する。
ジャズやファンクにグナワ音楽を持ち込み、その強烈なグルーヴで四半世紀以上にわたり人々を踊らせてきた米国のジャムバンド、クラブ・デリフ(Club d'Elf)。バンドにグナワの遺伝子を注いだ活動初期からの最重要メンバーであるモロッコ出身のブラヒム・フリーブガーン(Brahim Fribgane)は2024年初頭に亡くなったが、彼への追悼とともに“トランス体験”を是とするコレクティヴの根幹的な魂が健在であることを証明したのが、2026年4月にリリースされた最新作『Loon & Thrush』だ。
UKジャズ/アフロビートのシーンを代表するジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)の5枚目となるスタジオ・アルバム『Chasing Shadows』がリリースされた。今作は“デジタル化が進む世界の中で、人間同士のつながり・温もり・即興性を再発見すること”をテーマとし、人間らしいエネルギーに溢れた音楽が繰り広げられる。
コロンビア・ボゴタを拠点とするワールド・サイケデリック・ファンク・トリオ、BALTHVS(バルトゥス)の新譜『Transmutations』は、熱気あるライヴ音源を、その後スタジオで再構築した珍しい“ハイブリッド”なアルバムだ。自由奔放なグルーヴとタイトなアレンジが共存、疾走するサイケデリックなギター、ラテン・ロックの陽気さ、スピリチュアル・ジャズを思わせる即興、ファンキーなベースライン。リスナーは踊り出さずにはいられないだろう。
エチオピア出身で、難民生活を経てオーストラリアに移住したシンガー、エヌシュ・タイエ(Enushu Taye)が率いる10人以上のミュージシャンや詩人から成るジャズ・コレクティヴ、ブラック・ジーザス・エクスペリエンス(Black Jesus eXperience)の新作アルバム『Time Telling』は、エチオピアの伝統音楽にジャズやファンク、ヒップホップを融合した濃密な音楽体験を約束する作品だ。
中部アフリカ、コンゴ民主共和国の首都キンシャサを拠点とするバンド、ジュピター&オクウェス(Jupiter & Okwess)の2025年の新譜『Ekoya』。アフリカの伝統的なリズムにロック、ファンクといった要素を織り交ぜて国際的な人気を博した彼らが、2020年の南米ツアー中に見舞われたパンデミックによりツアー後にメキシコ滞在を余儀なくされ、ラテンアメリカの文化の影響を受けながらメキシコで録音されたのが本作だ。
デンマークのインストゥルメンタル・セクステットであるサンボーン(Sunbörn)と、イタリアのDJ/プロデューサーClap! Clap!(本名:Cristiano Crisci)がタッグを組み、「グローバルカルチャーとソニック・フュージョンの鮮やかな祝典」を体現する作品『Earth Is Begging』。サンバもアフロビートもファンクもジャズも飲み込み、強烈なダンス・ミュージックを展開する良盤だ。
イタリア北部、ベルガモ出身のSSWヴァレーリオ・ティントーリ(Valerio Tintori)が率いる大世帯バンド、アレリ(Alèri)のデビュー作『Quasi Dipinto』が素晴らしい。ソウル、ファンク、ジャズ、MPB(Música Popular Brasileira)などをミックスし、イタリア語の抗い難いグルーヴを塗した力強いサウンドが特徴で、様々な文化の出会いを原動力とした魅惑の音楽を奏でる。
現代最高のグルーヴ・メイカー、ネイト・スミス(Nate Smith)の新譜『LIVE-ACTION』は、おそらく彼のキャリアでもっとも訴求力が強く、その輝かしいキャリアを代表する作品となるだろう。これまでのように天才的なセンスでドラムスで表現しうるリズムの最高点を示しつつ、今作ではさまざまな一流ミュージシャンをゲストに迎え、ジャズを基軸としながらもポップネスの到達点を見せる。
イスラエル出身、ロンドンを拠点に活動する鍵盤奏者/作曲家ヨニ・メイラズ(Yoni Mayraz)の待望の新譜『Dogs Bark Babies Cry』。衝撃的なデビュー作だった前作『Dybbuk Tse!』からはメンバーを完全に一新し、ベースのトム・ドリエスラー(Tom Driessler)とドラムスのゾーイ・パスカル(Zoe Pascal)が生み出すシャープがグルーヴがヨニ・メイラズの音楽的世界観によりマッチした作品となっている。
1970年代のジャズ/フュージョンやスピリチュアル・ジャズから多大な影響を受けたイタリアのトリオ、コッレッティーヴォ・イマジナーリオ(Collettivo Immaginario)の2ndアルバム『Oltreoceano』。ジャズやブラジル音楽、西アフリカ音楽などのダイナミックなグルーヴを称賛する一方で、歴史的に物憂げなイタリアの古典的映画音楽や、あるいはかつて“レアグルーヴ”として掘り尽くされた同国のアンダーグラウンドなジャズ系実験音楽/前衛音楽を想起させる瞬間も多い、とても面白い作品だ。
ガーナ北部ボルガタンガのフラフラ・ゴスペルのシーンを代表するバンド、アログテ・オホ&ヒズ・サウンズ・オブ・ジョイ(Alogte Oho & His Sounds of Joy)の2ndアルバム『O Yinne!』(2023年)が最高だ。絶え間なく降り注ぐアフロ・フューチャリスティックな重厚なグルーヴ、力強いブラスや女性コーラス、そしてアフロビート、ハイライフ、ジャズやR&B、レゲエなどを自由に飲み込んだ音楽観が生み出すエネルギーは活力と喜びに満ちている。