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MPB

MPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)

  • 2024-07-26
  • 2024-07-24

ブラジルのSSWパウロ・オハナ、耳心地の良いジャジーなインディーロック『Língua na Orelha』

ブラジリア出身で現在はサンパウロを拠点に活動するシンガーソングライター、パウロ・オハナ(Paulo Ohana)の4枚目のアルバム『Língua na Orelha』。2本のギターを中心に、フェルナンド・サガワ(Fernando Sagawa)によるジャジーなサックスがアクセントとなったバンドサウンドに自然体のヴォーカル、爽やかで馴染みやすいメロディーラインが特徴的な親しみやすいアルバムだ。

  • 2024-07-16
  • 2024-07-16

“パライーバの花”エルバ・ハマーリョ、フォホーの真髄を歌う新作『Isso Quer Dizer Amor』

なんと、これがキャリア通算40作目とのこと。1951年ブラジル北東部パライーバ州生まれの歌手エルバ・ハマーリョ(Elba Ramalho)の新作『Isso Quer Dizer Amor』は、親しみやすい伝統的なフォホーの素晴らしさを凝縮した作品だ。情熱的でエネルギーに満ちた歌唱は、とても御年72歳とは思えない。

  • 2024-07-07
  • 2024-07-07

沈黙の中の小さな声も、やがて大きな音になる──SSWヴェロニカ・フェヒアーニが望む未来

ブラジル・サンパウロ州ヒベイラン・プレト出身のSSW/ギタリスト、ヴェロニカ・フェヒアーニ(Verônica Ferriani)の2024年新譜『Cochicho no silêncio vira barulho, irmã』。タイトルのポルトガル語は直訳で「静寂の中での囁きはやがて騒音になるよ、シスター」の意味で、2枚組のアルバムのほぼ全てが女性だけで作られており、コンセプトも女性そのものの存在と、その存在がもたらす様々な事象をテーマとして扱っている重要作だ。

  • 2024-06-22
  • 2024-06-22

ボサノヴァ、トロピカリア、レゲエなどの流れを汲んだ極上の現代MPB。男女デュオ Benziê が最高!

ブラジルのデュオ・ユニット、ベンジエー(Benziê)のデビューアルバム『Entre』が素晴らしい。MPB、ボサノヴァ、レゲエ、サーフミュージックなどを混合した清涼感のあるサウンドで、抜群のハーモニー感覚とメロディーのセンス、バランスの良い男女ヴォーカルが最高に気持ちいい。

  • 2024-05-10
  • 2024-05-04

ブラジル音楽への愛情が未来志向を伴って表現された傑作。Pietá 3rd『Nasci no Brasil』

ブラジルの男女3人組バンド、ピエタ(Pietá)の新作『Nasci no Brasil』は、実にブラジルらしい生命力が躍動する作品だ。”ブラジルに生まれた”とタイトルで力強く宣言する音楽作品で、彼らは近年のこの国を覆う逆進的で間違った愛国心ではなく、文化的な豊かさから来るブラジルの誇りを力強く歌う。

  • 2024-05-03
  • 2024-05-01

現代ブラジル音楽を代表するSSW、セウ 5年ぶりのオリジナル・アルバム『Novela』

ブラジルを代表する女性シンガーソングライター、セウ(Céu)がオリジナルアルバムとしては5年ぶりとなる新作『Novela』をリリースした。トロピカリアの流れを汲み、MPBやロック、レゲエなどを取り入れたセウらしい柔軟なサウンドの作品で、ノスタルジックと洗練が混ざり合った耳障りがなんとも心地良いアルバムだ。

  • 2024-04-30
  • 2024-04-28

優しい肌感の極上シンセポップ、クリチバの3人組Tuyo新譜。アルトゥール・ヴェロカイも参加

2016年にブラジル・パラナ州クリチバで結成された未来派フォーク・ポップバンド、トゥイオ(Tuyo)が3枚目のアルバム『Paisagem』をリリースした。ジョカ(JOCA)、アルトゥール・ヴェロカイ(Arthur Verocai)やルエジ・ルナ(Luedji Luna)のゲスト参加も特筆すべき、極上のサウンドを楽しめるアルバム。

  • 2024-03-23
  • 2024-03-24

美しさと複雑さが混在する現代ブラジル“最高の声”ジョタ・ペー、あまりに完成度の高い新作

2023年に先行してA面5曲がリリースされ、アルバム完成を待ち望まれていたブラジルの新世代SSW、ジョタ・ペー(Jota.pê)がついにフルレンス・アルバムとして『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』(もし私の胸が世界だったら)を完成させた。2022年に女性SSWブルーナ・ブラッキ(Bruna Black)とのデュオ「ÀVUÀ」名義でリリースした 『Percorrer Em Nós』で並外れたセンスを見せた彼は、今作でも自作曲・共作曲を中心に様々な文化が混在する新しいブラジルの音楽を聴かせてくれる。

  • 2024-02-25
  • 2024-02-25

バーデン・パウエルの“アフロ・ブラジレイロ性”を取り戻す試み。Glaw Nader『Tempo de Amor』

ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンチの歌手グラウ・ナデル(Glaw Nader)がデビューアルバム『Tempo de Amor』をリリースした。アフロ・ブレジレイロ(アフリカ系ブラジル人)の音楽や文化とジャズの相互作用を研究する彼女が、このアルバムで選んだテーマは黒人音楽家としてのバーデン・パウエルの再解釈だ。

  • 2024-02-12
  • 2024-02-12

コンビに乗り世界を旅する国境なきバンド「Čao Laru」。音楽的ルーツ“ミナス”をテーマにした新譜

2015年にブラジル系フランス人たちによって結成された旅とともにあるバンド、チャオ・ラルー(Čao Laru)。彼らは新作『Minas』で、自身たちのルーツであるブラジル音楽により深く潜り込んだ。街角クラブ(Clube da Esquina)からグラヴェオーラ(Graveola)までミナス・ジェライスの音楽をこよなく愛する彼らは、ブラジルから多くのゲスト・ミュージシャンを彼らの“コンビ”に招き、4枚目のアルバムを完成させた。

  • 2024-02-05
  • 2024-02-03

ブラジル北東部音楽の雄アルセウ・ヴァレンサ、歓喜と狂乱のフレーヴォ・アルバム

ペルナンブーコ州の田舎町サン・ベント・ド・ウナ(São Bento do Una)で1946年に生まれ、幼い頃に家族で州都レシーフェに引っ越したアルセウ・ヴァレンサ(Alceu Valença)は、幼少期に家の前を通りレシーフェの中心部に向かうカルナヴァルのブロコをよく記憶している。彼の家の右側にはフレーヴォの巨匠ネルソン・フェレイラがおり、左側にはペルナンブーコを代表する詩人カルロス・ペナ・フィーリョが住んでいた。

  • 2023-12-30
  • 2023-12-30

自然や先住民への敬愛に満ちた、ミナスの3人のSSWによる奇跡的な傑作『O Destino do Clã』

ブラジル・ミナスの3人の男性シンガーソングライター、ナナン(Nãnan)、ルイスガ(Luizga)そして グスタヴィート(Gustavito)が共演した2023年作『O Destino do Clã』。3人の美しいハーモニー、ナイロン弦ギターとゆったりとグルーヴを生むベース、空間を演出するパーカッションによる極上のアンサンブル。

  • 2023-12-07
  • 2023-12-07

ブラジル最高峰の音楽家が集結!セルジオ・サントス、ハファエル・アルテリオ、マイラ・マンガ新譜『Cortejo』

セルジオ・サントス、ハファエル・アルテリオ、マイラ・マンガ共同名義の新譜『Cortejo』ミナスのSSWセルジオ・サントス(Sergio Santos)と歌手マイラ・マンガ(Maíra Manga)、そしてサンパウロのSSWハファエル・アルテリオ(Rafael Altério)の共同名義によるアルバム『Cortejo』がリリースされた。ゲストでブラジルを代表するピアニストのアンドレ・メマーリや歌手モニカ・サウマーゾも一部楽曲に参加しており、ブラジル音楽ファンにとって見逃せない作品となっている。

  • 2023-12-01
  • 2023-12-03

ブラジルを代表する音楽家が多数参加!異色の経歴のSSWフェルナンド・グレッコのデビュー作

ブラジルのシンガーソングライター/ギタリストのフェルナンド・グレッコ(Fernando Grecco)による2022年作『Vir a Ser』には、ヒカルド・ヘルス、アントニオ・ロウレイロ、ジョアナ・ケイロス、フレデリコ・エリオドロといった日本でも著名なアーティストが多数参加。パンデミックによる中断がありながらも、2019年から丁寧に制作が開始された充実作で非常に聴き応えがある。