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SSW

  • 2024-04-26
  • 2024-04-25

もっとも大切なのは歌──。イスラエル・ロックの歴史に名を刻む2人の巨匠のライヴ盤

半世紀以上にわたってイスラエルのポピュラー音楽の大部分を形成してきた2人の巨匠、マティ・カスピ(Matti Caspi, מתי כספי)とシャローム・ハノフ(Shalom Hanoch, שלום חנוך)が、それぞれの代表曲を取り上げ歌ったライヴアルバム『העיקר זה השירים (Live)』。2人の大ヒット曲が多数収録されており、イスラエルロックの歴史が凝縮されたと言っても過言ではないほどの内容になっている。

  • 2024-04-23
  • 2024-04-23

リオのSSWベルナルド・ヂニス、詩人パウロ・セザール・ピニェイロと共作の穏やかな歌曲集

ブラジル・リオデジャネイロのSSW、ベルナルド・ヂニス(Bernardo Diniz)が初のソロ名義のアルバムとなる『Saída de Casa』をリリースした。これまでにイアラ・フェレイラ(Iara Ferreira)との『Bené e Iaiá』(2015年)、ロナウド・ゴンサウヴェス(Ronaldo Gonçalves)との『O Samba Vai Durar』(2017年)とデュオ名義で作品をリリースしているが、今作はブラジルを代表する詩人パウロ・セザール・ピニェイロ(Paulo Cesar Pinheiro)との共作で10曲のオリジナルを収録。

  • 2024-04-16
  • 2024-04-14

ナタリー・クレスマン&イアン・ファキーニ、師ギンガへの慈愛に満ちたトリビュート・アルバム

唯一無二の音楽的パートナーシップを築いてきたデュオ、米国サンフランシスコ生まれのトロンボーン奏者ナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル・ブラジリア生まれのギタリスト/作曲家イアン・ファキーニ(Ian Faquini)の新作『Guinga』は、2人がこれまでに最も影響を受けた音楽家であるブラジルのレジェンド、ギンガ(Guinga)曲集だ。本作は単に2人がギンガの楽曲を演奏するだけのものではなく、なんとギンガ本人が15曲中5曲で参加しており、トリビュート・アルバムの範疇を超越した内容となっている。

  • 2024-04-09
  • 2024-04-08

北欧ジャズ新世代SSW/ピアニスト、アンナ・グレタ。個性的な感性で可憐な花のように歌う

2021年に颯爽とデビューしたアイスランド・レイキャビク出身のピアニスト/シンガーソングライター、アンナ・グレタ(Anna Gréta)が待望のACT発第二弾アルバム『Star of Spring』をリリースした。現在ストックホルムに住む彼女が故郷アイスランドに想いを寄せて弾き語る曲はどれも美しく、特別だ。

  • 2024-04-08
  • 2024-04-08

静かなる天賦の才能。仏ハープ奏者/シンガー、ソフィー・ソリヴォー 圧巻のデビューアルバム

フランスのシンガーソングライター/ハープ奏者ソフィー・ソリヴォー(Sophye Soliveau)のソロデビュー作『INITIATION』が圧巻だ。まずは(2)「Initiation II - Wonder Why」を聴いてみてほしい。タイトだが主張のないリズムセクションの上で、幾分慎ましやかに分散コードを爪弾くハープ。鳥肌立つほど多層にも重なる女性コーラス。そして何よりも耳を惹くのは、これがデビュー作とは思えない経験値を感じさせるソフィー・ソリヴォーその人のあまりに素晴らしいヴォーカルだ。

  • 2024-03-23
  • 2024-03-24

美しさと複雑さが混在する現代ブラジル“最高の声”ジョタ・ペー、あまりに完成度の高い新作

2023年に先行してA面5曲がリリースされ、アルバム完成を待ち望まれていたブラジルの新世代SSW、ジョタ・ペー(Jota.pê)がついにフルレンス・アルバムとして『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』(もし私の胸が世界だったら)を完成させた。2022年に女性SSWブルーナ・ブラッキ(Bruna Black)とのデュオ「ÀVUÀ」名義でリリースした 『Percorrer Em Nós』で並外れたセンスを見せた彼は、今作でも自作曲・共作曲を中心に様々な文化が混在する新しいブラジルの音楽を聴かせてくれる。

  • 2024-03-19
  • 2024-03-13

レス・ポールに芸名を与えられたドイツの知られざる名ギタリスト/シンガー、トルステン・グッズ新作

ドイツのジャズギタリスト/シンガーソングライター、トルステン・グッズ(Torsten Goods)の2023年新譜『Soul Searching』。ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や欧州ジャズの名手たちをゲストに迎え、80〜90年代のフュージョン/スムースジャズの香りを感じさせる良質な作品だ。ギターのテクニックも、ソウルフルなヴォーカルも、AORからも影響された作編曲も、どれもがセンスに溢れている。

  • 2024-03-15
  • 2024-03-15

南米と北欧が交叉する、どこかノスタルジックな大傑作。ハファエル・ジメネス新譜

ブラジル出身、デンマーク在住の男性SSWハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の2024年新譜『DINAMARCA』は、ここ数年でもっとも美しい音楽作品のひとつだ。2016年作『As Montanhas de Som』や2021年作『A Tongue Full of Suns』などリリースの度にファンを驚かせ楽しませてきた彼が、またしても10年に一度の最高のアルバムを作り上げた。

  • 2024-03-10
  • 2024-03-10

才媛J. ラモッタ すずめ、テルアビブでの幼少期の想い出にインスパイアされた傑作新譜『אסולין』

モロッコ系イスラエル人SSWのJ. ラモッタ すずめが、7枚目となるアルバム『Asulin』(ヘブライ語表記:אסולין)をリリースした。2022年作『So I’ve heard』以来積極的に母国語の歌をリリースする彼女だが、今作も全編ヘブライ語でサウンド面でも中東音楽の影響が強くなっている。

  • 2024-03-09
  • 2024-03-09

ジャンルの概念を溶かす、インド系移民SSWシェヘラザードの衝撃的デビュー作『Qasr』

また、とんでもないアーティストが現れた。インド系移民2世として米国で生まれ育ったシンガーソングライター、シェへラザード(Sheherazaad)。近年大ブレイクしたパキスタン出身のSSWアルージ・アフタブ(Arooj Aftab)がプロデュースしたデビュー作『Qasr』は、音楽が従来のジャンルという概念ではなく、その人自身のパーソナルに大きく依存する時代を象徴するような素晴らしい仕上がりだ。

  • 2024-02-24
  • 2024-02-22

多彩な表現力を持つ圧倒的な“声”。SSWドミニク・フィス=エメ新譜『Our Roots Run Deep』

声を中心に、思慮深く言葉を重ねていく印象的なR&Bだ。カナダ・モントリオールのシンガーソングライター、ドミニク・フィス=エメ(Dominique Fils-Aime)の2023年新譜『Our Roots Run Deep』。“私たちは地中深くに根差している”に始まる(1)「Our Roots Run Deep」から、“太陽まで登らせて”と歌う(13)「Feeling Like A Plant」まで、余計なものを注意深く削ぎ落としたサウンドをバックに彼女の物語を表現。有機的な流れはある種の必然性を持ち、リスナーをその映画のような物語の中に引き入れていく。

  • 2024-02-16
  • 2024-02-15

静謐、だが人間のもっとも深層の情熱を感じさせる傑作。カタルーニャのSSWカロリーナ・アラバウ新譜

カタルーニャのシンガーソングライター、カロリーナ・アラバウ(Carolina Alabau)の第3作目となる『Una Frase Imaginada』。プロデューサー/ギタリストのハビエル・リモン(Javier Limón)と共同作業で作り出したこの傑作は、複雑すぎる社会の中で生きていく彼女の不安が、その繊細な表現を通じて霧のように目の前に存在しているような不思議な感覚を抱かせる。