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イギリス

  • 2024-07-14
  • 2024-07-13

ロンドンのジャズシーンで輝くシンガー、テス・ハースト 待望の新譜『HERstory』

2019年のデビューアルバム『These Days』が非常にクオリティ高く印象的だったロンドンのヴォーカリスト、テス・ハースト(Tess Hirst)の新作『HERstory』。今作は一応彼女のソロ名義であるものの、前作の共同名義人であるベーシストのダニエル・カシミール(Daniel Casimir)が作曲/演奏/プロデューサーとして参加しており、前作の正当な続編といえる。

  • 2024-05-27
  • 2024-05-27

UKジャズの最先端を行く完璧なサウンド・デザイン。ロンドン発・BOREAL SUN、デビューEP

スウェーデン出身のヴォーカリスト、リサロッテ・オストブロム(Liselotte Östblom)と、マルチ奏者/プロデューサーのマット・ロバーツ(Matt Roberts)によるロンドンのユニット、BOREAL SUNのデビューEP『DAWN』が素晴らしい。生バンドはフュージョンからアシッドジャズ、ファンク、ネオソウルなどを自然と取り入れたグルーヴを生み出し、リサロッテの圧倒的な歌唱力が全体を引き締める。またまたロンドンから面白いグループが登場した。

  • 2024-05-13
  • 2024-05-13

UKを代表するアフロジャズバンド、Nubiyan Twist 世界を踊らせる極上グルーヴの4thアルバム

英国の多国籍ジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)が4枚目となるアルバム『Find Your Flame』をリリースした。今作でまず特筆すべきはバンドに新たに加入したヴォーカリスト、アジザ・ジェイ(Aziza Jaye)だ。アルバム冒頭(1)「Battle Isn't Over」から、ゆったりとしたBPMだが素晴らしく躍動するバンド演奏に乗せて彼女のグルーヴ感に優れたヴォーカルに圧倒され、すぐに名盤と確信できる内容だ。

  • 2024-04-13
  • 2024-04-17

燃え尽きたシャバカ、サックスを置き尺八を手に新たな表現を試みた衝撃作『美を知覚し、恵みを認識する』

シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)の新しいアルバムだと思って聴き始めたから、正直に言うとかなり驚いた。テナーサックスの音を待ち構えていたところに聴こえてきたのは、クラリネットの美しく温もりのある、悲しい音だった。人気バンドを率い、わくわくするような新世代のジャズを聴かせてきてくれた彼は、今作から名義をシャバカ(Shabaka)と変え、代名詞だった力強いテナーサックスを静かにケースに仕舞い、代わりの楽器としていくつかの笛を手に取ったようだ。

  • 2024-03-24
  • 2024-03-24

ウェールズ出身ジャズハープ奏者アマンダ・ホワイティング、優しく力強い『The Liminality of Her』

ウェールズ出身のグランドハープ奏者/作曲家アマンダ・ホワイティング(Amanda Whiting)の2024年新譜『The Liminality of Her』が絶品だ。クラシックを学んだ確かな技術を基底に持ちながら、ジャズの即興や民族音楽的な独特のスケールを試みる演奏は彼女の好奇心の表れ。バンドメンバーとのアンサンブルも熱く、比較的珍しいジャズ・ハープの近年における最高の作品のひとつと言えるだろう。

  • 2024-03-08
  • 2024-03-07

中国琵琶の巨匠とフラメンコギター奏者デュオ作『Alondra』、アビーロードでの一期一会

中国出身の琵琶奏者ガオ・ホン(Gao Hong, 漢字表記:高虹)と、アルゼンチン出身のフラメンコギター奏者イグナシオ・ルサルディ・モンテベルデ(Ignacio Lusardi Monteverde)によるユーラシア大陸両端の音楽が融合したような美しいデュオアルバム『Alondra』。ジャズ、フラメンコ、アルゼンチン音楽、中国音楽などに影響されたバラエティ豊かな演奏が楽しめる作品だ。

  • 2024-01-13
  • 2024-04-07

稀代のSSWラウ・ノア、世界中の最高のミュージシャンとのコラボアルバム『A Dos』ついにリリース

1994年カタルーニャ生まれのシンガーソングライター/ギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が世界中のトップミュージシャンとのコラボレーションを収録した新譜『A Dos』をリリースした。世代も国籍も違うゲストたち──ジェイコブ・コリアー、ホルヘ・ドレクスレル、シルビア・ペレス・クルス、クリス・シーレ、セシル・マクロリン・サルヴァント、サルヴァドール・ソブラルなどが参加した美しい傑作。

  • 2023-12-29
  • 2023-12-23

Música Terra が選ぶ 2023年ベストアルバムTOP10【DJ mitsu編】

Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2023年のベストアルバム。
基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。「何を落としたらいいのか悩む」大豊作の昨年に対し、「何を入れるか悩んだ」今年。なかなかコレ!というものがなかった年でもありましたが、ここに挙げたのは間違いなく「いい音楽」。
今年1年お世話になった作品を振り返っていきましょう。

  • 2023-12-21
  • 2023-12-16

ジャズ・ハープの新たな可能性を切り拓く! エジプトにルーツを持つ女性エレクトリック・ハープ奏者のデビュー作『Passing By』

エジプトにルーツを持つギリシャ生まれのハープ奏者、マリア=クリスティーナ・ハーパー(Maria-Christina Harper)が、イギリスのサックス奏者ジョセフィン・デイヴィス(Josephine Davies)と、ニュージーランド生まれでロンドンで活躍するドラマー、エヴァン・ジェンキンス(Evan Jenkins)とのトリオ「ハーパー・トリオ(Harper Trio)」で野心的なデビュー作『Passing By』をリリース。

  • 2023-11-11
  • 2023-11-10

超絶技巧とユニークな表現力で魅せる”Trio Grande 2.0″。ジャズロック、進化のその先へ

2020年にリリースされたアルバム『Trio Grande』は、卓越した技術と個性を持つ現代最高峰のミュージシャンによる新たな化学反応が絶賛されたとてつもない作品だった。彼らの2nd『Trio Grande: Urban Myth』は、ウィル・ヴィンソンとギラッド・ヘクセルマンはそのままに、USのドラマー/ベーシスト、ネイト・ウッド(Nate Wood)がアントニオ・サンチェスに代わり参加。新たな化学反応が楽しめる作品となっている。

  • 2023-11-06
  • 2023-11-06

ロンドンで活躍するザンビア出身SSWナンヴラ、社会的テーマを独自の音で表現する新作

ロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、ナンヴラ(Namvula)。彼女のアイデンティティはアフリカ南部の内陸国ザンビアにあり、彼女の音楽もまた、ザンビアの伝統的な音楽スタイルとロック、ジャズ、フォークなどのジャンルを融合させた独自のものを築いている。彼女の新作EP『All Shades of the Sun』は、前作『State of Emergency』で試みたエレクトロニックとの融合は幾分影をひそめ、ギターを中心とした素朴な曲調、丁寧なサウンド・プロダクションが印象的な作品に仕上がっている。