- 2024-09-15
- 2024-09-15
NYに生きるガウチョ、フアナ・ルナ。伝統と自身の夢をつなぐ新譜『白と黒の歌』
アルゼンチン出身、現在は米国ニューヨークで活動するシンガーソングライター、フアナ・ルナ(Juana Luna)の新作『Canciones en Blanco y Negro』がリリースされた。ナイロン弦のギターやダブルベースを中心とし、曲によってはアコーディオンやマンドリン、弦楽四重奏なども加わって奏でられる温かく丁寧なアンサンブルに、気品のあるスペイン語の歌が乗る。
アルゼンチン出身、現在は米国ニューヨークで活動するシンガーソングライター、フアナ・ルナ(Juana Luna)の新作『Canciones en Blanco y Negro』がリリースされた。ナイロン弦のギターやダブルベースを中心とし、曲によってはアコーディオンやマンドリン、弦楽四重奏なども加わって奏でられる温かく丁寧なアンサンブルに、気品のあるスペイン語の歌が乗る。
アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新譜『Gardel』。アルゼンチンらしい透明度の高いアレンジ・演奏で、時代を超えて愛される名曲を語り継ぐ素晴らしい作品だ。(1)「Yira Yira」を除き、ほか全曲がアルゼンチンを代表するタンゴ歌手/作曲家カルロス・ガルデル(Carlos Gardel, 1890 - 1935)の楽曲群のカヴァーで、アルゼンチン音楽界の“英雄”への深いリスペクトを卓越したジャズで表現する作品となっている。
アルゼンチン出身のソプラノ歌手マリアナ・フローレス(Mariana Flores)が、同じくアルゼンチンのマルチ奏者キト・ガト(Quito Gato)との共同プロジェクトでアルゼンチン音楽集『Alfonsina: Canciones Argentinas』をリリースした。(1)「Alfonsina y el Mar」や(10)「Dorotea, la Cautiva」などの名曲をシンプルかつ豊かな伴奏と美しいヴォーカルで聴かせる好盤だ。
7弦ギター奏者のファビアーノ・ド・ナシメント(Fabiano do Nascimento)と、サックス奏者のサム・ゲンデル(Sam Gendel)の初デュオ作『The Room』は、南米のシャーマニックな土着音楽が主なレパートリー。ギターとソプラノサックスのみという編成ながら、多彩な奏法を用い、実に色彩豊かで美しい音楽を作り上げている傑作だ。
アルゼンチンの気鋭作曲家/歌手ソエマ・モンテネグロ(Soema Montenegro)は、4年ぶりのスタジオ・アルバムとなる新作『CIRCULO RADIANTE』で、“詩人のシャーマン”と形容される独特の感性を驚くべき完成度の高さで披露する。南米のジャングルなどの自然から得たインスピレーションと、人間が持つ叡智と技術の結晶が融合した個性的な音楽に魅了される素晴らしいアルバムだ。
アルフォンソ・ベケス&シルビア・サルモネ名義での前作『Flores de la Noche』が絶賛された、アルゼンチン音楽の粋の結晶のようなカルテット、フローレス・デ・ラ・ノーチェ(Flores de la Noche)による新作EP『Verde Candil』。打楽器奏者/作曲家/歌手シルビア・サロモネ(Silvia Salomone)、ギタリスト/歌手アルフォンソ・ベケス(Alfonso Bekes)、同じくギタリスト/歌手のルイス・メディナ(Luis Medina)、そしてチェロ奏者/歌手パトリシア・エイン(Patricia Hein)の4人が奏で、歌う極上の南米音楽だ。
デビューとなった前作『Del Suspiro de los Peces』が高く評価されたアルゼンチン・コルドバ州出身のシンガーソングライター、アンドレス・ムラトーレ(Andrés Muratore)が2ndアルバム『Choza』のA面『Choza-Dentro』をリリースした。今作には幼少期のトラスラシエラ渓谷に流れる川での冒険の日々や、自然の恵み、人間の感情をテーマとした7つの楽曲群が収録されている。
アルゼンチン・ブエノスアイレスのギタリスト/作曲家イヴォ・マッツェオ(Ivo Mazzeo)のデビュー作『Dualidad』。アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新トリオをバックにストレートアヘッドなフォービートから南米らしく洗練された歌心を聴かせるものまで、優れたギタージャズを展開する好盤だ。
ブラジル・パラナ州の二人、ギタリストのアンドレ・シケイラ(André Siqueira)と、シンガーのナタリア・レプリ(Natália Lepri)による美しい“声とギター”のアルバム『Macramê』。オリジナルはアンドレ・シケイラ作の(5)「Vozear」のみで、他はエグベルト・ジスモンチ、ギンガ、セルジオ・サントス、カルロス・アギーレ、クチ・レギサモンなど南米の美しい楽曲の極上カヴァーとなっている。
スペインを代表するクラシック・ギタリスト、アナベル・モンテシノス(Anabel Montesinos)の2023年新譜『Alma Llanera』は至極の中南米ギター曲集だ。パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル、ベネズエラ、メキシコといったラテンアメリカの作曲家たちの作品を繊細に、情熱的に爪弾く。
コロンビア出身女性ヴォーカリスト/作曲家カロル・バジェール(Karol Bayer)を中心とし、作詞作曲/ギターを担うセバスティアン・ロペス(Sebastián López)、ソロ作品なども人気の鍵盤奏者セバスティアン・マッキ(Sebastián Macchi)らアルゼンチン出身の器楽奏者たちとで構成されるグループ、ラ・コンティエンダ(La Contienda)による初の全曲オリジナルの2ndアルバム。
ハンガリーのギタリスト、ジョフィア・ボロス(Zsofia Boros)のECM第3作目『El último aliento』がリリースされた。絶賛された彼女の過去2作品同様に、ヨーロッパや南米のギター音楽をどこまでも深く透明な音色で紡ぎ出す素晴らしい音楽だ。
アフリカ大陸の北西・大西洋に浮かぶカナリア諸島出身のSSW、ペドロ・ゲーラ(Pedro Guerra)の2021年作『El Viaje』がとにかく素晴らしい。ナイロン弦ギターと歌を軸とした誠実な音作りを特長とする作品で、どこまでも内省的で穏やかな作風は疲れがちな多くの現代人の心に響くだろうと思う。
スペイン生まれ、アルゼンチン育ちのピアニスト/作曲家エミリオ・テウバル(Emilio Teubal)の新作『Futuro』がリリースされた。ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動する彼だが、バンドリーダーとしては6枚目の作品となる今作も、南米らしい豊かな知性と感性を失わない素晴らしい作品に仕上がっている。