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サックス

  • 2026-09-22
  • 2026-09-21

ブラジル音楽の色彩豊かな文脈を継承するマルチ奏者ユーリ・ヴィラール、30人以上のゲストを迎えた新作

イチベレ・ズヴァルギ(Itiberê Zwarg)率いるグループでの活躍で知られるブラジル・リオデジャネイロのサックス奏者/マルチ奏者/作曲家、ユーリ・ヴィラール(Yuri Villar)が、ソロとしては第2作目となるアルバム『A Maré』をリリースした。各種サックスやフルートの他、パーカッション、ギター(ヴィオラォン)、鍵盤楽器など多様な楽器を自身で操りながら、アルバム全体では30名を超えるゲストも参加。ブラジルらしい豊穣な音楽の文脈に根差した素晴らしい作品となっている。

  • 2026-08-19
  • 2026-08-18

Shake Stew、10周年を記念する新譜『TEN ONE TWO』で見せたクラウトジャズの到達点

オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。

  • 2026-08-13
  • 2026-08-12

102歳のサックス奏者マーシャル・アレンは、今も冒険の船に乗る──驚異の新作『101: An Audio Odyssey』

マーシャル・アレン(Marshall Allen)、1924年生まれ。 サン・ラ・アーケストラ(Sun Ra Arkestra)のリーダーを、サン・ラ亡き後30年以上務めている人物だ。 筋力は30歳頃をピークに加齢で低下し、80歳以降は低下速度がさらに大きくなるという。サックス演奏に必要な呼吸筋、姿勢保持、指の巧緻性を100歳超で維持することは生理学的にも極めて難しいはずだ。これらの事実を鑑みれば、100歳で初のソロ名義のアルバム『New Dawn』をリリース後、わずか1年で第2作目となる本作『101: An Audio Odyssey』をリリースしてきたことに、奇跡に限りなく近いものを見る驚きを禁じ得ない。

  • 2026-08-01
  • 2026-08-01

SNS時代のジャズの寵児。New Jazz Underground 初のフルアルバム『Hoodies』

パンデミックの最中、ニューヨークの公園や街角で演奏する動画をSNSに投稿し、世界中の注目を集め急速にフォロワーを獲得したジャズ・トリオがいる。彼らはニュー・ジャズ・アンダーグラウンド(New Jazz Underground)。このサックス、ベース、ドラムスというコードレス編成のトリオは、全員がジュリアード音楽院の出身で、ジャズの伝統に根差しながらヒップホップやインターネット文化という時代性を武器に、多くの若者たちからの支持を集めた。

  • 2026-07-24
  • 2026-07-23

欧州屈指のクレズマーバンド、AKB新譜『Diaspora』──熱狂的グルーヴに潜む多文化混淆の歴史

30年におよぶバンドの歴史の中で、クレズマーを揺るがない根幹に据えつつジャズ、スカ、マヌーシュスウィング、果てはヒップホップやエレクトロニカなどを融合しながら様々な表現を試みてきたアムステルダム・クレズマー・バンド(Amsterdam Klezmer Band, 通称:AKB)は、2026年の新譜『Diaspora』で、彼らの“根”である完全アコースティックなクレズマーに立ち戻ってきた。

  • 2026-07-23
  • 2026-07-21

豪サックス奏者ジュシュア・モシェ、自らのルーツ・ユダヤ文化に根差した現代ジャズ注目作『Art Don’t Lie』

オーストラリア・メルボルンを拠点に活動する気鋭サックス奏者/作曲家ジョシュア・モシェ(Joshua Moshe)が、彼の個人的なルーツやアート観を丁寧に込めた新譜『Art Don't Lie』をリリースした。8人編成のバンドを基本とした彼らの演奏は、一聴して分かるとおり、その音楽性はオーストラリアのジャズ・ミュージシャンとは思えない異彩を放つ。

  • 2026-07-22
  • 2026-07-19

驚くほど知的で熱い、最強エネルギーの現代ジャズ! Trio Grande: What’s Left

今、これほど面白い一流のジャズトリオは、ほかにないと思う。 トリオ・グランデ(Trio Grande)。ギタリストのギラッド・ヘクセルマン(Gilad Hekselman)、サックス奏者のウィル・ヴィンソン(Will Vinson)、そしてドラマー/ベーシストのネイト・ウッド(Nate Wood)から成るトリオだ。特に、器用にベースを弾きながらドラムスを叩く(ドラムスを叩きながらベースを弾く、の方が正しいかもしれない)ネイト・ウッドの姿を初めて見れば「大道芸か」と見紛うかもしれないが、聴けば聴くほどに彼らが音楽的にも“人並外れた”存在だと気付くはずだ。

  • 2026-07-18
  • 2026-07-18

音楽家として生きる道を選んだジャスミン・マイラの誇りと苦悩に包まれた、示唆に富む新譜『Where Light Settles』

イギリス・リーズを拠点に活動する気鋭サックス奏者/作曲家、ジャスミン・マイラ(Jasmine Myra)による3作目のアルバム『Where Light Settles』。現代の英国ジャズを代表するレーベルであるゴンドワナ・レコード(Gondwana Records)から届けられた本作は、彼女のこれまでの路線を受け継ぎながら、より豊かなアンサンブルへと発展した意欲作だ。

  • 2026-06-25
  • 2026-06-23

セバスティアン・マッキ全面参加。アルゼンチン現代ジャズのドラマー、ナウエル・ラマヨ新譜

アルゼンチンのドラマー/作曲家ナウエル・ラマヨ(Nahuel Ramayo)による珠玉のアルゼンチン・ジャズ新譜『De Paisajes Y Colores』。クインテット編成のバンドにはアルゼンチン現代ジャズを牽引するピアニストのセバスティアン・マッキ(Sebastián Macchi)も参加し、ハイレベルかつ、この地の音楽に特有の清々しく澄んだ空気を感じさせてくれる素晴らしいアルバムだ。

  • 2026-06-12
  • 2026-06-02

これを“悦び”と呼ばずしてなんという?アルゼンチン発、最強ジャズファンクバンド Latelonius

アルゼンチン第3の都市、ロサリオを拠点とするインストゥルメンタル・ジャズファンクバンド、ラテロニアス(Latelonius)の2026年新譜『Lonius』が最高だ。パーカッション奏者2人を含むソリッドなリズム隊と強力な管楽器セクション、変幻自在のギターにキーボード、さらにはターンテーブル奏者も備えた12人の大編成(バンドメンバーは8人だが、準メンバー的に4人が加えられている)で繰り出される完膚なきグルーヴが脳天を貫き、神経を電流で刺激する。

  • 2026-05-29
  • 2026-05-27

内なる精神世界を探求する、革新的ヒマラヤン・グループ The Three Seas 新譜『Antaḥkaraṇa』

西ベンガルの伝統音楽と、オーストラリアの現代ジャズ/エレクトロニカ・シーンの気鋭たちが融合したボーダレス・アンサンブル、ザ・スリー・シーズ(The Three Seas)。彼らが結成15周年の節目にリリースした2026年のアルバム『Antaḥkaraṇa』は、バンド史上最もスピリチュアルでありながら、独特のグルーヴに満ちた作品だ。近年の“ワールド・ジャズ”や“スピリチュアル・クロスオーバー”などのシーンから見ても相当に独自性が強い作品で、単なる伝統音楽/ジャズ/エレクトロニックの融合という枠を超えた精神的な深淵を感じさせる。

  • 2026-05-17
  • 2026-05-10

新たに生まれ変わるLAのジャズ発信拠点に響く、豊穣なサックスの音色。ダニエル・ロテム ソロ新譜

ロサンゼルスのジャズ文化の発信拠点であり、同時にあらゆるクリエイティヴなインスピレーションの源であったジャズクラブ・ブルーホエール(Bluewhale)は、かつて世界を覆った、あの狂乱のような新型コロナ禍の影響で2020年末に閉店を余儀なくされた。リトル・トーキョーとして知られるLAのダウンタウンで韓国出身の元ジャズシンガーであるジュン・リー(Joon Lee)が2009年に創業したこの店は、自由で開かれた資本主義社会のなかにありながら、商業至上主義に陥らずに、新しい芸術や文化の発信拠点として頑固なまでにその独自路線を貫き、数多くの音楽家たちからリスペクトされていた。

  • 2026-05-13
  • 2026-05-07

「ジャズとダブには共通のDNAがある」イタリア発、ダブ・コレクティヴとサックス奏者の衝撃コラボ

イタリアのダブ・コレクティヴ、ウィキッド・ダブ・ディヴィジョン(Wicked Dub Division)とジャズサックス奏者フランチェスコ・ベアルザッティ(Francesco Bearzatti)による、驚くようなコラボレーション・アルバム『Jazz My Dub』。即興性を基調としながら、Wicked Dub Divisionの既存曲にベアルザッティのサックスが新たに加わるような形で「探求心・即興・自由」というジャズとダブの“共通のDNA”を探る、実験的なサウンドが面白い。

  • 2026-05-05
  • 2026-05-04

世界の伝統文化をジャズとエレクトロニックで表現するエンツォ・ファヴァータ『Paucartambo』

強烈な印象を残すジャケット写真は、ペルー南部クスコ地方の町パウカルタンボで毎年7月中旬に行われるビルヘン・デル・カルメンの祭り(Fiesta de la Virgen del Carmen)の様子だ。カトリックの聖母崇敬とアンデス先住民の信仰が混交したこの祝祭では、鮮やかな衣装や仮面を纏った人々が舞い踊りながら祈り、音楽や行列、花火がまるで“生きた劇場”のように町全体を埋め尽くすという。