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サックス

  • 2026-06-12
  • 2026-06-02

これを“悦び”と呼ばずしてなんという?アルゼンチン発、最強ジャズファンクバンド Latelonius

アルゼンチン第3の都市、ロサリオを拠点とするインストゥルメンタル・ジャズファンクバンド、ラテロニアス(Latelonius)の2026年新譜『Lonius』が最高だ。パーカッション奏者2人を含むソリッドなリズム隊と強力な管楽器セクション、変幻自在のギターにキーボード、さらにはターンテーブル奏者も備えた12人の大編成(バンドメンバーは8人だが、準メンバー的に4人が加えられている)で繰り出される完膚なきグルーヴが脳天を貫き、神経を電流で刺激する。

  • 2026-05-29
  • 2026-05-27

内なる精神世界を探求する、革新的ヒマラヤン・グループ The Three Seas 新譜『Antaḥkaraṇa』

西ベンガルの伝統音楽と、オーストラリアの現代ジャズ/エレクトロニカ・シーンの気鋭たちが融合したボーダレス・アンサンブル、ザ・スリー・シーズ(The Three Seas)。彼らが結成15周年の節目にリリースした2026年のアルバム『Antaḥkaraṇa』は、バンド史上最もスピリチュアルでありながら、独特のグルーヴに満ちた作品だ。近年の“ワールド・ジャズ”や“スピリチュアル・クロスオーバー”などのシーンから見ても相当に独自性が強い作品で、単なる伝統音楽/ジャズ/エレクトロニックの融合という枠を超えた精神的な深淵を感じさせる。

  • 2026-05-17
  • 2026-05-10

新たに生まれ変わるLAのジャズ発信拠点に響く、豊穣なサックスの音色。ダニエル・ロテム ソロ新譜

ロサンゼルスのジャズ文化の発信拠点であり、同時にあらゆるクリエイティヴなインスピレーションの源であったジャズクラブ・ブルーホエール(Bluewhale)は、かつて世界を覆った、あの狂乱のような新型コロナ禍の影響で2020年末に閉店を余儀なくされた。リトル・トーキョーとして知られるLAのダウンタウンで韓国出身の元ジャズシンガーであるジュン・リー(Joon Lee)が2009年に創業したこの店は、自由で開かれた資本主義社会のなかにありながら、商業至上主義に陥らずに、新しい芸術や文化の発信拠点として頑固なまでにその独自路線を貫き、数多くの音楽家たちからリスペクトされていた。

  • 2026-05-13
  • 2026-05-07

「ジャズとダブには共通のDNAがある」イタリア発、ダブ・コレクティヴとサックス奏者の衝撃コラボ

イタリアのダブ・コレクティヴ、ウィキッド・ダブ・ディヴィジョン(Wicked Dub Division)とジャズサックス奏者フランチェスコ・ベアルザッティ(Francesco Bearzatti)による、驚くようなコラボレーション・アルバム『Jazz My Dub』。即興性を基調としながら、Wicked Dub Divisionの既存曲にベアルザッティのサックスが新たに加わるような形で「探求心・即興・自由」というジャズとダブの“共通のDNA”を探る、実験的なサウンドが面白い。

  • 2026-05-05
  • 2026-05-04

世界の伝統文化をジャズとエレクトロニックで表現するエンツォ・ファヴァータ『Paucartambo』

強烈な印象を残すジャケット写真は、ペルー南部クスコ地方の町パウカルタンボで毎年7月中旬に行われるビルヘン・デル・カルメンの祭り(Fiesta de la Virgen del Carmen)の様子だ。カトリックの聖母崇敬とアンデス先住民の信仰が混交したこの祝祭では、鮮やかな衣装や仮面を纏った人々が舞い踊りながら祈り、音楽や行列、花火がまるで“生きた劇場”のように町全体を埋め尽くすという。

  • 2026-05-04
  • 2026-05-02

時を織る経糸と緯糸。ジヴ・ラヴィッツ&クリストフ・パンザニ、音楽の進化の歴史を象徴する傑作

イスラエル出身のドラマー、ジヴ・ラヴィッツ(Ziv Ravitz)と、フランス出身のクリストフ・パンザニ(Christophe Panzani)のデュオによる『Warp & Weft』は、おそらく2026年屈指のジャズの名作だ。まるでそのテイクの少なさや、スタジオをレンタルした時間の短さで競うかのように、短期間のセッションでテーマと即興演奏を主体に録音されることの多いジャズという分野の、しかもデュオとしては間違いなく異例の、2年間という制作期間を経て誕生したアルバムは、タイトル「経糸と緯糸」という言葉が喚起するイメージの期待を裏切らない、素晴らしい芸術だ。

  • 2026-05-01
  • 2026-05-01

アグレッシヴなサウンドが魅力!オルタナ・ジャズトリオ Last Scene Alive 衝撃のデビュー作

サックス、シンセ、ドラムスというユニークな編成のオルタナティヴ・ジャズトリオ、ラスト・シーン・アライヴ(Last Scene Alive)のデビューアルバム『World Class Pep Talk』が面白い。バンドは米国ワシントンD.C. とオランダ・アムステルダムを拠点とするミュージシャンによって構成されており、即興演奏を主体にジャズやパンクロック、フュージョンなどジャンルを超越した刺激的な音楽を激しく展開する。

  • 2026-04-16
  • 2026-04-14

超希少な「メゾソプラノ・サックス」の豊かな音色を堪能。グラミー賞受賞デュオによる『Mezzo』

英国のサックス奏者ティム・ガーランド(Tim Garland)と、米国のピアニストのジェフリー・キーザー(Geoffrey Keezer)のデュオによる新譜『Mezzo』。注目は、ティム・ガーランドが吹く極めて希少なメゾソプラノサックスだ。この楽器はデンマークの現代の名工ペーター・イェッセン(Peter Jessen)製の世界にわずか20本程度しかないサックスのうちの1本で、通常のソプラノサックスとアルトの中間の音域を持つ。コーラングレのような温かみのある低音から、フリューゲルホルンのような力強い中音域まで、独特のトーンが魅力の楽器だ。

  • 2026-04-03
  • 2026-04-02

ブラジル出身気鋭ギター奏者ルーカス・エチェヴェリア。K.ローゼンウィンケル参加の色彩豊かな新譜

ブラジル出身、現在はドイツを拠点に活動する気鋭ギタリスト/作曲家ルーカス・エチェヴェリア(Lucas Etcheverria)が、2作目となるフルレンス・アルバム『Color Is a Gift』をリリースした。ドラムス、ダブルベースとのトリオを軸に、カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)を含むゲストを交え、卓越したコンポージングのセンスと豊かな色彩のバンド・アンサンブルが魅力の作品となっている。

  • 2026-03-22
  • 2026-03-20

UK現代ジャズ最前線!ママール・ハンズがGoGo Penguinのドラマーを得て初のアルバム『Circadia』

UKを代表するジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)。新しいドラマーとして元ゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)のロブ・ターナー(Rob Turner)が加わり、さらにレーベルをゴンドワナ・レコード(Gondwana Records)からアクト(ACT)に移しての最初のアルバム『Circadia』がリリースされた。タイトルは生物の約24時間周期のリズムである「サーカディアン・リズム(概日リズム)」に由来する造語で、循環や反復するリズムの上で自由な即興を繰り広げる彼らの音楽性を象徴している。

  • 2026-03-15
  • 2026-03-11

中東、ブラジル、アフリカ……自身の多様な音楽的ルーツを取り込んだオメル・クライン新作

イスラエル出身のピアニスト/作曲家、オメル・クライン(Omer Klein)の新譜『The Poetics』は、長年活動を共にするベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)に加え、オランダのアルトサックス奏者ティネカ・ポスマ(Tineke Postma)、イスラエルのテナーサックス奏者オムリ・アブラモフ(Omri Abramov)、さらにコロンビア出身の打楽器奏者トゥパク・マンティージャ(Tupac Mantilla)というセクステット編成が特徴のアルバム。

  • 2026-03-07
  • 2026-03-17

テナーサックスの導師オデッド・ツール、その管に吹く微風、そして痛みを伴った驚くほど激しい熱風

オデッド・ツール(Oded Tzur)が奏でるテナーサックスは、ごくごく普通の真鍮製の楽器なのに、なぜだか“木の音”がする。もっと言えば、木管の中をとおる、“風の音”がする。オデッド・ツールのテナーサックスはいつもとても繊細で、まるでヨガの呼吸の延長にあるかのようだった。けれど、2026年3月初頭にリリースされた彼の新作『Make A Sound』を聴いて、正直僕はかなり驚いた。

  • 2026-03-04
  • 2026-03-03

激動の時代を生きるイスラエルの若きピアニスト、エデン・ギアットは心の拠り所を求めている

“古代ユダヤの民族伝統を深く掘り下げ、遺産と現代アートを織り交ぜた、今この瞬間に息づく伝統の真髄を捉えた洗練された魂の旅”──。イスラエル・ジャズの若き正統な後継者、エデン・ギアット(Eden Giat)。クラシックを礎とした端正な技巧と、ユダヤの伝統的な文化に由来するリリシズムを併せ持った注目のピアニストが、自身2枚目となるリーダー作『Eifo Halev』をリリースした。

  • 2026-02-25
  • 2026-02-24

Harper Trio ──エレクトリック・ハープとサックス、ドラムスによるマインドフルネスの旅路

エジプトとギリシャにルーツを持つハープ奏者、マリア=クリスティーナ・ハーパー(Maria-Christina Harper)率いるハーパー・トリオ(Harper Trio)の2ndアルバム『Dialogue of Thoughts』。前作に引き続きエレクトリック・アコースティック・ハープをサウンドの軸に置き、ジョセフィン・デイヴィス(Josephine Davies)のサックスと、エヴァン・ジェンキンス(Evan Jenkins)のドラムスによる注目の現代ジャズ作品だ。