シルヴィア・イリオンド&フアン・ファルー『Antiguo Rezo』
アルゼンチンの女性歌手シルヴィア・イリオンド(Silvia Iriondo)と名ギタリスト、フアン・ファルー(Juan Falú)による2019年作『Antiguo Rezo』は、ガットギターと歌だけで表現される、深く静謐な音楽が堪能できる作品だ。
アルバム収録曲は全曲がフアン・ファルーによる作曲。
多くの人生経験を積んできた二人のベテランアーティストだからこそ出せる、生きる悲しみ、音楽の喜び、そうしたもの全てへの愛が込められた、達観にも似た落ち着いた音楽に心が洗われる。
アルゼンチン音楽を代表する二人
シルヴィア・イリオンド(Silvia Iriondo)は1970年代より活躍するベテラン歌手。当初はポップスからそのキャリアをスタートしたが、次第にアルゼンチンのに古くから伝わる土着の伝統音楽にも傾倒。自然な佇まいと歌声が魅力的で、これまでにカルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)、セバスティアン・マッキ(Sebastian Macchi)、キケ・シネシ(Quique Sinesi)等々、アルゼンチンの音楽シーンを代表する数多くの音楽家と共演している。
フアン・ファルー(Juan Falú)は1948年生まれのギタリスト/作曲家。その音楽性、ギター演奏、人柄、そして生き方そのものといった彼が持つものすべてが多くの音楽家から尊敬されているような、まさにアルゼンチンの国宝ともいうべき存在。
現代アルゼンチン音楽の人気バンド、アカ・セカ・トリオのフアン・キンテーロ(Juan Quintero)が最初にギターを師事した人物としても知られている。