声楽家リア・ナヴィリア・クンチッチのソロデビュー作!ルーツを探求するエレガントな南米音楽

Lia Naviliat Cuncic - Como una Flor sin Raíces

南米出身の仏声楽家 Lia Naviliat Cuncic『Como una Flor sin Raíces』

クラシックのソプラノ歌手として活躍するリア・ナヴィリア・クンチッチ(Lia Naviliat Cuncic)は、彼女の初のソロ作『Como una Flor sin Raíces』で自身のルーツであるウルグアイ、チリといった南米の音楽を深く探求し、独自の魔術的かつ優雅な世界観を描いてみせた。

すべての曲はスペイン語で歌われている。
彼女の声は南米のアルパ(ハープ)を思わせるチェンバロやアンデスのパーカッション、大地に根ざしたダブルベースの低音と一体化し、懐かしさと革新性を同時に味わえるような新鮮な音楽として耳に届く。

今作で彼女はクラシックのソプラノ歌手の歌い方ではなく、南米の土着音楽の歌手のようなある種の野性味を感じさせる歌唱を披露する。実際、彼女が客演し美しい歌声を披露したロリアンヌ・コルネイユ(Laurianne Corneille)&フランク・ルッソ(Franck Russo)の2022年作『À la nuit』と比べてみれば、まるで別人のような歌唱と音楽性に驚かされる。

ラテンアメリカ的な魔術的雰囲気も魅力の(4)「Agua Feroz」のMV。

タイトル曲の(3)「Como Una Flor Sin Raíces」(根のない花のように)は故郷を離れなければならなかった人々のアイデンティティの探求について歌っているが、それは彼女自身の物語でもある。

演奏にはアルゼンチン出身のピアニストであるサンチアゴ・ジェルバゾーニ(Santiago Gervasoni)と、ともにフランス・カーン出身のベース奏者ルーカス・アンリ(Lucas Henri)、打楽器奏者ポール・エロー(Paul Héroux)が参加。南米のリズムと深いグルーヴが、リア・ナヴィリア・クンチッチのエレガントなヴォーカルに寄り添い、踊るように盛り立てる。

(1)「Mareo」

声楽家として着実にキャリアを築いてきたリア・ナヴィリア・クンチッチ

リア・ナヴィリア・クンチッチはウルグアイとチリにルーツを持ち、現在フランスで活動する歌手/作曲家。フランス北西部のカーンで早くから音楽に触れて育ち、2009年からパリのノートルダム大聖堂で高等教育を受け、その後パリ地方音楽院で近藤富佐子(Fusako Kondo)のもと声楽を学んだ。

2016年にフランスのカナリで開催された第9回国際オペラ歌唱コンクールで最優秀若手女性才能賞を受賞。ソリストとしてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など多くのアンサンブルと共演。2022年にはピアニストのロリアンヌ・コルネイユと、クラリネットのフランク・ルッソのアルバム『À la nuit』に収録された数曲で歌唱を披露している。

今作はそうしたクラシックのキャリアと、子どもの頃に体感した南米のリズムやハーモニーを巧みに組み合わせた独自のプロジェクトとなっており、2022年6月以降、このプロジェクトでのライヴ活動も行っている。

(3)「Como una Flor sin Raíces」

Lia Naviliat Cuncic – vocals
Santiago Gervasoni – piano, harpsichord, clavichord
Lucas Henri – double bass, mandoline
Paul Héroux – percussion

Lia Naviliat Cuncic - Como una Flor sin Raíces
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