エレクトロスウィング最高峰!キャラバンパレス待望の新作『Chronologic』

Caravan Palace - Chronologic

エレクトロ・スウィングの代表的バンド、Caravan Palace新作

レトロなスウィングジャズやマヌーシュスウィングをエレクトロミュージックの中に飲み込み、ヨーロッパを中心に大流行中の“エレクトロ・スウィング(Electro Swing)”。今も昔も、このムーヴメントの中心にいるフランスのバンド、キャラバン・パレスが新作『Chronologic』をリリースした。期待を上回る最高のダンスミュージックに仕上がっている。

キャラバン・パレス(Caravan Palace)は2005年結成。伝統的なスウィングジャズや、ジプシー音楽であるマヌーシュスウィングといったレトロサウンドをエレクトロニカと融合させ、2008年のデビューアルバム『Caravan Palace』が各国のチャートにランクインするなど大きな話題に。その後隆盛を極める“エレクトロスウィング”と呼ばれる分野の筆頭格として現在もその活動を精力的に続けている。

2012年に2ndアルバム『Panic』、2015年に3rdアルバム『<|°_°|>』をリリース。2019年8月末リリースの今作『Chronologic』は通算4作目となる。

新譜のサウンドはこれまでと変わらず全体的にローファイなサウンドが魔法のようにエレクトロミュージックに馴染んでおり、どの曲もどこか懐かしくも新しい刺激に満ちた不思議な感覚を味わえる。
ジプシー音楽(マヌーシュスウィング)の要素が強かったこれまでの彼らのアルバムと比べると、今作はよりエレクトロニカ方面が洗練されダンサブルになった。はっきり言って、彼らの最高傑作ではないだろうか。

ポジティブなメッセージの(1)「Miracle」、キャッチーなリフやメロディーが魅力的な(5)「Plume」は彼らの真骨頂だ。エレクトロ・スウィング屈指の名曲だろう。YouTubeではこれらのMVを観ることができる。

新譜『Chronologic』より、(1)「Miracle」のMV。
※ちょっと攻めすぎていて年齢制限あり
(5)「Plume」のMVはなんと日本が舞台。
日本人ダンサー Ryoga、Hina が出演している。

個人的なお気に入りは元トンプソン・ツインズ(Thompson Twins)のトム・ベイリー(Tom Bailey)をフィーチュアした(7)「Waterguns」からの懐かしのフレンチポップ的なリフレインとダブステップなパートが魅力の(8)「Leena」の流れ。これは最高だ。

キャラバン・パレスの魅力は、打ち込みがメインではなくあくまで生演奏を重視し、それをベースに音を極限まで加工して作り込んだサウンドにある。エレクトロスウィングを標榜するバンドは数多あるが、キャラバン・パレスが頭ひとつ抜け出している理由としては、1920年代後半からの米国を中心としたスウィングジャズよりもフランスの伝統的なマヌーシュスウィングからの影響が濃く、バンドとしての生演奏の強みを持っているあたりにあるように思う。

(3)「Moonshine」のMV。
“地球平面説”に目覚めた男が、世界の果てで見たものとは…!?
キャラバン・パレスのライヴ動画。
来日公演の実現が待ち遠しい!

キャラバン・パレス(Caravan Palace)メンバー :
Zoé Colotis – ヴォーカル
Arnaud Vial – ギター、ヴォーカル
Charles Delaport – ベース、エレクトロニカ
Antoine Toustou – エレクトロニカ、トロンボーン
Paul-Marie Barbier – パーカッション、ヴィブラフォン
Victor Raimondeau – サックス


(旧メンバー)
Hugues Payen – ヴァイオリン、ヴォーカル
Camille Chapelière – クラリネット、サックス

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