- 2024-09-22
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イスラエルのSSWノガ・エレズ待望の新譜『THE VANDALIST』、欺瞞に満ちた社会への最後の抵抗
ずっと厭世的だった彼女の歌は、いよいよ絶望の色を極めてきた。イスラエルのシンガーソングライター/プロデューサー、ノガ・エレズ(Noga Erez)。新作アルバムに付けられたタイトルは『THE VANDALIST』。つまり、愛し尊ぶべきもの、美しいものの“破壊者”たちへの彼女なりの最後通牒なのだろう。
ずっと厭世的だった彼女の歌は、いよいよ絶望の色を極めてきた。イスラエルのシンガーソングライター/プロデューサー、ノガ・エレズ(Noga Erez)。新作アルバムに付けられたタイトルは『THE VANDALIST』。つまり、愛し尊ぶべきもの、美しいものの“破壊者”たちへの彼女なりの最後通牒なのだろう。
2000年代以降、“エレクトロスウィング”のムーヴメントを牽引してきたフランスのバンド、キャラヴァン・パレス(Caravan Palace)待望の新譜だ。2019年の前作『Chronologic』から5年の時を経てリリースされた『Gangbusters Melody Club』は、所謂王道のエレクトロスウィングと、前作で提示して見せたそれに留まらない彼らの新機軸が融合。丁寧に作り込まれたサウンドで新旧のファンに訴求する仕上がりとなっている。
シベリアの先住民族チュリム族の人々らによって構成され、彼らの伝統楽器と歌唱法を西洋音楽やEDMと結びつけた注目のグループ、オティケン(Otyken)。2023年の新譜『Phenomenon』は、彼らが守ろうとする伝統文化を、世界の人々が最も興味を持つであろう形で発信した稀有な作品だ。
発表自体は昨年の3月ながらも延期に延期を重ね、ようやく昨年末にフィジカル化されたSigala(シガーラ)の実に5年ぶりの新作『Every Cloud,Silver Linings』。まさに楽しむための音楽ともいうべきこの作品を、このタイミングで紹介していきたい。
レイドバックしたシンセサイザーがゆったりとバックに流れる別名「癒し系EDM」であるトロピカルハウスは、オーストラリア出身のアーティスト、トーマス・ジャック(Thomas Jack)が生みの親と言われており、まさに南国感溢れるサウンドを特徴としたハウスの総称である。今回発表された最新作『Thrill of the Chase』は今までの作品通り、個性豊かなボーカリストを迎えたアルバムであるが、これまでの作品に比べ、より肩の力の抜けたアルバムとなっている。
作曲とヴォーカルを担うロレダナ・グリマウド(Loredana Grimaudo)とDJ&プロデューサーのロベルト・コスタ(Roberto Costa)率いるイタリア・シチリア島発のスウィングロワーズ(Swingrowers)の2021年末リリースの新譜『Hybrid』は、1920年代のスウィングジャズと近年のEDMの融合であるエレクトロ・スウィングのシーンの中でもとりわけクオリティの高い作品だ。
米国のベーシスト/作曲家/プロデューサー/YouTuberのアダム・ニーリー(Adam Neely)と、ドラム奏者ショーン・クラウダー(Shawn Crowder)によるユニット、サンゲイザー(Sungazer)による初のフルレンス・アルバム『Perihelion』が面白い。
活動開始以来、多くのシングルをリリースしながら全くアルバムを出す気配がなく、ファンをやきもきさせてきたパコ・ヴェルサイユ(Paco Versailles)がついにアルバムをリリースした。デビューアルバム『Dancemenco』はその殆どがシングルリリースされた作品という、いきなりのベストアルバム的な全20曲の構成。
ノガ・エレズ(Noga Erez)が待望のセカンドアルバム『Kids』をリリースした。本作では、ここ数年で次々と素晴らしいクオリティのシングルを発表し、既にカリスマ性を身に付け、2021年3月8日の国際女性デーに際してはApple Musicによって“時代をリードする女性たち”のひとりに選ばれた彼女のさらに進化した姿を世界に示す。おそらく、今年もっとも重要な作品となることは間違いないだろう。
イスラエルのプロデューサー/作曲家/鍵盤奏者ホッド・モショノヴ(Hod Moshonov)の別名ユニット、BEMETは相当にクレイジーだ。EDM、エレクトロポップ、バイレファンキ、レゲトン、インド音楽、アラビア音楽、ドラムンベース、ジャズ、ロックなどの影響がごちゃ混ぜになったジャンル特定不能なサウンドは聴く者を瞬く間に未知の世界に引き摺り込む。
カナダ在住のフィリピン系女性5人組、Pantayoのサウンドを特徴付ける楽器クリンタン(kulintang)はフィリピン南部のイスラム教徒たちの民族楽器で、インドネシアのガムランのような西洋音楽にはない調律が施された旋律打楽器である。その演奏をEDMやヒップホップ、R&B、ポップと結びつけ、これまでに聴いたこともないような音楽を創り出してしまった。
Swingrowersの『Outsidein』。彼らの特長であるキャッチーなメロディーが、ジプシージャズ(マヌーシュスウィング)や1920〜1930年代に流行したスウィングジャズに影響された絶妙なエレクトロサウンドにとてもよく馴染んでいる。
ジェイミー・ベリーのサウンドは“King of Electro Swing”の異名通り、1930年代に大流行したスウィング・ジャズと、現代の重厚なベースラインとバスドラムに支えられたダンスミュージックの完璧な融合だ。
ローファイなサウンドが魔法のようにエレクトロミュージックに馴染む「エレクトロスウィング」。そのジャンルを代表するフランスのバンド、キャラバン・パレス(Caravan Palace)が新作『Chronologic』をリリースした。