現在進行形のジャズ、その一翼を担うイスラエルのピアノトリオ「Shalosh」

Shalosh - Onwards and Upwards

新世代ジャズの一翼を担う注目のピアノトリオ、Shalosh

伝統と革新をハイレベルに混合し独自の進化を続けるイスラエルジャズシーンの中でも、ここ数年注目の度合いを増すピアノトリオ、Shalosh(ヘブライ語で「3」の意味)。
ロックからの影響が色濃く反映されたジャズを奏でる彼らの2019年作『Onwards and Upwards』は、バッド・プラス(The Bad Plus)エスビョルン・スヴェンソン・トリオ(Esbjorn Svensson Trio, E.S.T.)らの革新的なジャズのDNAを受け継ぎつつ、独自の世界観を築くことに成功し特に若い世代から大きな支持を集めている。

彼らのサウンドは新世代ジャズの旗手と言われるイギリスのゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)や、スウェーデンのティングヴァル・トリオ(Tingvall Trio)などにも通じるものがある。演奏やアレンジには高度なジャズの手法を用いつつ、親しみやすいテーマやサウンドで多くの音楽ファンの耳に届ける力を、この若いイスラエルのピアノトリオも持っている。

収録楽曲はほとんどがピアニストのGadi Sternによるものだが、ジャズのスタンダードを多く遺した作曲家リチャード・ロジャース(Richard Rodgers)の(4)「You’ll Never Walk Alone」や、ノルウェーのバンドa-haの世界的大ヒット(7)「Take on Me」の大胆カヴァーも印象的。

多くのジャズ・スタンダードを生んだリチャード・ロジャースの名曲を大胆にアレンジしカヴァーした(4)「You’ll Never Walk Alone」
(7)「Take on Me」は、a-haの原曲の印象的なリフを効果的に繰り返しつつも、大胆にアレンジが加えられている。

世界を飛び回る期待のピアノトリオ

Shalosh(シャローシュ)はピアノのガディ・スターン(Gadi Stern)とドラムスのマタン・アサヤグ(Matan Assayag)の幼馴染みだった二人に、デビューアルバムのためにベースのDaniel Benhorinが加わって2014年に結成された(その後ベーシストはDavid Michaeliへ交代している)。

年間の多くは世界中でツアーを行っており、これまでの最長では60日間で42ギグ、10か国で総計20,000kmのツアーの経験も。彼らの楽曲の多くはツアーの最中、移動中の車中などギグからギグの合間で作曲されたようだ。

2016年には赤レンガ倉庫で開催された横濱ジャズプロムナードに招聘され、その熱い演奏がSNSなどで絶賛された。

(1)「After the War」など、アルバムの多くはピアニストのGadi Sternのオリジナルだ。

Shalosh (Gadi Stern Trio) :
Gadi Stern – piano
David Michaeli – bass
Matan Assayag – drums

2017年のアルバム『Rules of Oppression』収録の(5)「Even Cowgirls Get The Blues」

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