アルゼンチン発、ピアノとコントラバスの感動的なデュオ作品
アルゼンチン・コルドバ出身のSSW/ピアニストのクララ・プレスタ(Clara Presta)と、同郷のベース奏者フェデリコ・セイマンディ(Federico Seimandi)によるデュオ作品『Casa』は、スペイン語で「家」を意味するタイトルが示す通りに、クララ・プレスタの自宅で、生まれたばかりの娘フランシスカの授乳の合間を縫って録音されたという作品だ。
アルバムの1曲目「Vino Viniendo」のMVが公開されているのでぜひ観ていただきたいが、優しいピアノとベース、そして歌が耳元で奏でられるようなドメスティックな音楽が夢見心地な、深い慈しみに溢れた傑作だ。
囁くように歌うクララ・プレスタだが、その声には確かな芯や強さがある。彼女の美しい声とピアノを低音で支えるフェデリコ・セイマンディのコントラバスは、ピチカート(指弾き)もアルコ(弓弾き)も絶品。二人の共作によって作られた音楽が、その二人によってリラックスした丁寧な演奏で紡がれていく様子に、音楽というものの素晴らしさに感動せずにはいられない。
曲によってはゲストでカナリア諸島の民族楽器ティンプレや音響空間を演出するエレクトリックギター、そしてサクソフォンなどが加わるが、それが余計にアルバム全体のサウンドにほのかな色彩感を与えており素晴らしい。
Clara Presta – piano, vocal
Fede Seimandi – contrabass
Guests :
Juan Pablo Theaux – timple, electric guitar
Lisandro Mansilla – tenor saxophone, vocal
Rodrigo Carazo – vocal
Guadalupe Gómez – vocal