- 2024-08-25
- 2024-08-25
美しく力強い北欧ジャズの隠れ名盤。ベース奏者スヴァンテ・セーデルクヴィスト『The Rocket』
スウェーデンのベース/チェロ奏者/作曲家のスヴァンテ・セーデルクヴィスト(Svante Söderqvist)の2023年作『The Rocket』は、どこまでも美しく深みのある楽曲と演奏が続く北欧ジャズの絶品だ。ピアノトリオ編成をメインに、曲によってはアコーディオンやクラリネットも参加し、抒情的で豊かな音楽を紡いでいく。
スウェーデンのベース/チェロ奏者/作曲家のスヴァンテ・セーデルクヴィスト(Svante Söderqvist)の2023年作『The Rocket』は、どこまでも美しく深みのある楽曲と演奏が続く北欧ジャズの絶品だ。ピアノトリオ編成をメインに、曲によってはアコーディオンやクラリネットも参加し、抒情的で豊かな音楽を紡いでいく。
なんと、これがキャリア通算40作目とのこと。1951年ブラジル北東部パライーバ州生まれの歌手エルバ・ハマーリョ(Elba Ramalho)の新作『Isso Quer Dizer Amor』は、親しみやすい伝統的なフォホーの素晴らしさを凝縮した作品だ。情熱的でエネルギーに満ちた歌唱は、とても御年72歳とは思えない。
ヴォーカリストのマリアーナ・アイダール(Mariana Aydar)と、アコーディオン奏者メストリーニョ(Mestrinho)による絶品フォホー『Mariana e Mestrinho』。ト・ブランヂリオーニ(Tó Brandileone)によってプロデュースされ、北東部(ノルデスチ)音楽の伝統的な音楽性を軸にしながらも、サウンド面はしっかりと現代感覚が織り込まれた作品に仕上がっている。
クラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)と、アコーディオン奏者シモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)のデュオ第二弾となるアルバム『Un Ballo Con La Luna』がリリースされた。二人の初デュオ作である前作『Il Gatto E La Volpe』(2022年)はオリジナルが中心だったが、今作は逆にカヴァー曲を軸に、燦々とした地中海ジャズを聴かせてくれる絶品だ。
雑多で祝祭的なバルカン音楽を体現するスペイン拠点のバンド、バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ(Barcelona Gipsy balKan Orchestra)の音楽は、いつだって楽しい。能天気なようでいてどこか哀愁を感じさせる音楽。生活感と生命力に溢れ、体の奥底から湧き上がってくるような音楽。2000年代初頭に日本のワールド・ミュージックファンを席巻した派手で哀愁に満ちた“ジプシーブラス”は最近はあまり巷で聞かれなくなってしまったように感じるが、彼ら、通称"BGKO"はブラスこそ居ないものの、そんなジプシージャズ楽団の現代最高の楽団だ。
ギリシャのアコーディオン奏者/作曲家サノス・スタヴリディス(Thanos Stavridis)と、同じくギリシャ出身のチェロ奏者ステラ・テンプレリ(Stella Tempreli)による初のデュオ・アルバム『Ciel』には素敵な音が詰まっていた。
在イスラエルの4人の音楽家が組んだブラジル音楽集団、クアットリオ(QuatRio)のデビューEP『QuatRio』。たった4曲のミニアルバムながら、中東音楽や現代ジャズのエッセンスを注入した最高に技巧的かつオリジナリティ溢れる音楽性が面白い、充実した作品だ。
ラテン・グラミー賞ノミネート経験もあるサンパウロ出身の人気SSW/アコーディオン奏者マルセロ・ジェネッシ(Marcelo Jeneci)の2023年新譜『Caravana Sairé』は、彼が幼少期に一時期過ごしたブラジル北東部ペルナンブーコ州サイレ(Sairé)の伝統音楽に特化した、サウダーヂ感がありつつも彼らしく現代的にアップデートした素晴らしい作品となった。
イラン西部の都市タブリーズのアコーディオン奏者/作曲家ハサン・ホジャステフ(Hasan Khojasteh)の2021年作『Qarmon』は、西洋音楽には見られない特徴を持つアゼルバイジャンの伝統音楽「ムガーム」の影響を強く受けた興味深いアコーディオン・ジャズだ。
マリ出身のコラ奏者バラケ・シソコとフランス出身のチェロ奏者ヴァンサン・セガール、そして共にフランス出身のソプラノサックス奏者エミール・パリジャンとアコーディオン奏者ヴァンサン・ペイラーニの4人が初めてカルテットを組み、それぞれの楽曲を持ち寄って制作した『Les Égarés』はジャズ、クラシック、アフリカ音楽、フランス音楽などがバランスよく融合した穏やかで美しく、厳粛な作品に仕上がっている。
カナダのパヤドラ・タンゴ・アンサンブル(Payadora Tango Ensemble) の新譜『Silent Tears: The Last Yiddish Tango』は、ナチス占領下のポーランドでホロコーストを生き延びた人々の記憶と詩で辿る想像を絶する深い悲しみの物語を、ヴァイオリンやピアノ、バンドネオンを中心としたタンゴで歌う傑作だ。
東欧や中東にルーツを持つカナダ在住の4人の音楽家が集い、ルーマニアやシリアの音楽に影響された演奏をするタラフ・シリアーナのデビュー作『Taraf Syriana』。アラビア音階に調律され微分音も特徴的なカーヌーンや、アラブの打楽器ダラブッカで中東音楽を特徴づけつつ、アコーディオンやヴァイオリン、チェロはロマ音楽を表現し、なんとも言えない無国籍感が漂う面白い音楽だ。
フルート/アコーディオン奏者/作編曲家サリット・ラハヴ(Salit Lahav)率いるイスラエルのショーロ・アンサンブル、ショローレ(Chorolê)の新作『Encontros』。ほとんどはブラジルのショーロのカヴァーで、ショーロとしてはオーソドックスな編成に、即興ではジャズのアプローチをしっかりと持ち込んだ極上のアルバムになっている。
近年のバルセロナで最も成功したバンドのひとつ、チェ・スダカ(Che Sudaka)の物語は南米アルゼンチンやコロンビアからの不法滞在者たちが生活のためにストリートで演奏していたところから始まった。いまやカルト的な人気を誇る彼らの10枚目のアルバム『20 Años』は、その名の通り2002年の結成から20周年を記念した集大成的な内容になっている。