アフリカとヨーロッパを融合する厳かで美しいアンサンブル『Les Égarés』

Ballaké Sissoko, Vincent Segal, Emile Parisien & Vincent Peirani- Les Égarés

コラ、チェロ、サックス、アコーディオンの美しいアンサンブル

それぞれ過去にデュオで活動してきた二組──マリ出身のコラ奏者バラケ・シソコ(Ballaké Sissoko)とフランス出身のチェロ奏者ヴァンサン・セガール(Vincent Segal)、そして共にフランス出身のソプラノサックス奏者エミール・パリジャン(Emile Parisien)とアコーディオン奏者ヴァンサン・ペイラーニ(Vincent Peirani)。パリのレーベル、NØ FØRMATの15周年を記念するサロンで出会い意気投合した4人が初めてカルテットを組み、それぞれの楽曲を持ち寄って制作した『Les Égarés』はジャズ、クラシック、アフリカ音楽、フランス音楽などがバランスよく融合した穏やかで美しく、厳粛な作品に仕上がっている。

2台の弦楽器と2台のリード楽器が奏でる楽曲自体は比較的シンプルな構造だが、それぞれの演奏・即興技術によって複雑な表情を見せ、洗練された瞑想的な響きが深い精神世界へと誘う。珍しい楽器編成でのアンサンブルも、それぞれの楽器の音色の魅力が引き出されており素晴らしい。

マルク・ペロンヌ(Marc Perrone)の楽曲のカヴァー(6)「Esperanza」

アルバムには4人のオリジナルのほか、ジョー・ザヴィヌル(Joe Zawinul)作の(4)「Orient Express」、マルク・ペロンヌ(Marc Perrone)作の(6)「Esperanza」のカヴァーも。中でも後者のダイアトニック・アコーディオンの巨匠であるマルク・ペロンヌの曲は、チェロがリズムを担い、その上で流麗で自由なアコーディオンとソプラノサックスが主旋律を、コラが対旋律を主に担い、切なげな曲調が郷愁を呼び起こす名演だ。

バラケ・シソコ作曲の(10)「Banja」

Ballaké Sissoko – kora
Vincent Segal – cello
Emile Parisien – soprano saxophone
Vincent Peirani – accordion, accordina

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