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Euro Jazz

ヨーロッパのジャズ

  • 2025-02-07
  • 2025-02-08

ルネサンス・ヴァイオリンが導くポーランド 悲劇の歴史の記憶。アダム・バウディヒ新譜『肖像』

アルバムの幕開け(1)「Genesis」で、彼の代名詞となったルネサンス・ヴァイオリンでの輝かしいリコシェのリフレインを聴いた瞬間から、魔法にかかったように音楽の虜になってしまった。これはポーランドのヴァイオリン奏者アダム・バウディヒ(Adam Bałdych)の2025年新譜『Portraits』。“過去と現在の人々、彼自身、そして彼の魂に物語が響き、彼の現実を形作る人々についての物語”をテーマに据えた今作で、アダムはポーランドの歴史にやさしく寄り添う。

  • 2025-01-15
  • 2025-01-13

荒野を駆け出す北欧現代ジャズ。アレクシ・トゥオマリラ新譜『Departing the Wasteland』

フィンランドのピアニスト/作曲家のアレクシ・トゥオマリラ(Alexi Tuomarila)の新作『Departing the Wasteland』は、エスビョルン・スヴェンソン・トリオ(e.s.t.)以降の現代的な北欧ジャズの雰囲気を持つ作品だ。ロックや現代音楽の趣向を反映した構成で、技巧と感情のバランスの取れた総合的に優れたアルバムとなっている。

  • 2025-01-13
  • 2025-01-13

仏気鋭ピアニスト、バティスト・バイイ 欧州と地中海沿岸を旅する新譜『La Fascinante』

フランスの気鋭ピアニスト/作曲家バティスト・バイイ(Baptiste Bailly)の新譜『La Fascinante』は、欧州や地中海周辺の伝統的な音楽の影響を幅広く織り交ぜた、繊細で詩的な素晴らしい音楽作品だ。非常に映像的、物語的な印象を受けるアルバムで、楽曲の多様性は地中海周辺を巡る旅路のようにも感じられる。

  • 2025-01-09
  • 2025-01-07

デンマークの名手トーマス・フォネスベック、イタリア稀代の音楽家たちと奏でる至極のインタープレイ

デンマーク出身のベーシスト/作曲家トーマス・フォネスベック(Thomas Fonnesbæk)が欧州最高のメンバーを迎え録音した『In Rome』が素晴らしい。北欧ジャズの静かな抒情と、ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がもたらす古いイタリア映画のようなセピア色のノスタルジアが織りなす繊細なインタープレイが実に情感豊かな作品だ。

  • 2025-01-02
  • 2025-01-02

フランスのフルート奏者リュディヴィーヌ・イッサンブール、名手たちを迎えたファンク・パーティ

フランスの気鋭フルート奏者、リュディヴィーヌ・イッサンブール(Ludivine Issambourg)が贈る熱いジャズ・ファンク新譜、『Above The Laws』。アルバムのタイトルには史上最高のジャズ・フルート奏者ヒューバート・ロウズへの最大限のリスペクトが込められている。バンドにはエリック・レニーニ、ニルス・ラングレン、シャソールといったヨーロッパを代表する錚々たる面子が名を連ね、一大ファンク・パーティーの様相を呈している。

  • 2024-12-21
  • 2024-12-19

ピアノとクラリネットの至高のアート・ジャズ。Pierre-François Blanchard 新譜『#puzzled』

フランスのピアニスト/作曲家、ピエール=フランソワ・ブランシャール(Pierre-François Blanchard)の新作『#puzzled』。クラリネット奏者のトーマス・サヴィ(Thomas Savy)とともに、水鏡に映した自分自身との果てない対話のような哲学的な時間が流れる、とても美しい作品だ。

  • 2024-11-29
  • 2024-11-28

現代ヨーロッパ・ジャズの並外れたプレイヤーが集うクインテット「NOVA」、注目の新譜

ベルギーの気鋭ベーシスト/作曲家、フェリクス・ツルシュトラッセン(Félix Zurstrassen)の“Nova”プロジェクトの第三弾『NOVA Elusive』。細部まで練られたコンポージングや、様々な国からジャズという共通言語の旗印のもとに集ったメンバーによるボーダーレスなサウンドは、現代ジャズの筆頭格という彼らのこれまでの評価を裏切らない素晴らしい出来栄えだ。

  • 2024-11-27
  • 2024-11-25

エスプリの効いた至極のフレンチ・ジャズ。ECMからピアノとクラリネットの新作が登場

クラリネット奏者のルイ・スクラヴィス(Louis Sclavis)、そしてピアニストのベンジャミン・モウゼイ(Benjamin Moussay)というフランスを代表する二人の音楽家によるデュオ作品『Unfolding』がECMからリリースされている。25年の長い歳月を良き音楽パートナーとして協力しあってきた二人は近年デュオ演奏にも力を入れており、ヨーロッパ・ツアーでも人気を博してきた。今作はその集大成的な作品で、極度に集中した音空間で至上の音楽を探究している。

  • 2024-11-24
  • 2024-11-24

フランス有数のワイナリーで録音されたACT新作。ラーシュ・ダニエルソン率いる色彩豊かなアルバム

スウェーデンのベーシスト/チェリストのラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、イギリスのギタリストのジョン・パリチェッリ(John Parricelli)、そしてフィンランドのトランペッターのヴェルネリ・ポホヨラ(Verneri Pohjola)の新作。アルバムのタイトルはシンプルに『Trio』だが、この何とも味気ないタイトルとは裏腹に彼ら3人の演奏は美しい色彩感覚に満ちている。

  • 2024-11-20
  • 2024-11-19

女性ベーシスト/SSWエレン・アンドレア・ワン、気鋭ギタリスト擁する話題のトリオ第二作

ノルウェーの女性ベーシスト/歌手/作曲家エレン・アンドレア・ワン(Ellen Andrea Wang)が、2019年以来活動の軸としているロンドンのギタリストのロブ・ラフト(Rob Luft)とスウェーデンのドラムス奏者ヨン・フェルト(Jon Fält)とのトリオによる第二作目『Closeness II』をリリースした。

  • 2024-11-19
  • 2024-11-19

伊巨匠エンリコ・ピエラヌンツィ、若き俊英フルート奏者率いるトリオとの共演新譜『Heroes』

イタリアの巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が、同国の若き俊英フルート奏者アルド・ディ・カテリーノ(Aldo Di Caterino)との共演作『Heroes』をリリースした。アルバムにはバンドのメンバー4人それぞれが持ち寄ったオリジナルが収録され、イタリアを代表するベテランと若手トリオという世代を超えた素晴らしいジャズ・アンサンブルを楽しむことができる好盤となっている。

  • 2024-11-13
  • 2024-12-19

魔法のようなコントラバスと声のジャズ。ルノー・ガルシア=フォン父娘が魅せる『Blue Maqam』

フランスのベース奏者、ルノー・ガルシア=フォン(Renaud Garcia-Fons)の2024年新譜『Blue Maqam』は、娘でシンガーのソレア・ガルシア=フォン(Solea Garcia-Fons)をフィーチュアしたカルテットによってアンダルシアからアナトリアに至る地中海周辺音楽、さらには中東やインドまでの種類豊かな音楽を独自のベースを軸に表現する優れたアルバムだ。