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Euro Jazz

ヨーロッパのジャズ

  • 2026-07-26
  • 2026-07-18

成熟した北欧ジャズの極致。“感謝”をテーマにしたソーレン・ベーベ・トリオ新作『Gratitude』

北欧を代表するピアノトリオ、ソーレン・ベーべ・トリオ(Søren Bebe Trio)による9枚目のスタジオ・アルバム『Gratitude』がリリースされた。デンマークの音楽賞にノミネートされた前作『Here Now』(2023年)で確立された、ベーシストのカスパー・テーイル(Kasper Tagel)とドラマーのクヌート・フィンスルー(Knut Finsrud)とのピアノトリオ編成で、オリジナル曲を中心に北欧らしい抑制された美学が貫かれた作品となっている。

  • 2026-07-19
  • 2026-07-08

機知に富むインタープレイで魅せる、ゲイリー・ヴェルサーチェの最新ピアノトリオ作『Three Track Mind』

アメリカ合衆国のピアニスト、ゲイリー・ヴェルサーチェ(Gary Versace)の新譜『Three Track Mind』は、今年(2026年)のジャズ・ピアノトリオ作でベストの一枚だろう。オーソドックスなピアノトリオ編成で、収録曲のうち半数がスタンダードという構成は、一見すると保守的でつまらなそうに思えるかもしれないが、何よりもジャズという音楽の即興によるインタープレイの楽しさに改めて気づかせてくれる。あるいは、2回演奏される「Autumn Leaves」といった古典的な楽曲でさえ、これだけ自由で創造的に生まれ変わることができるのだという最高の事例だ。

  • 2026-07-12
  • 2026-07-04

米国、パレスチナ、キプロスの3人のミュージシャンによる祈りのジャム。『Ize Trio: Global Prayer』

バークリー・グローバル・ジャズ・インスティテュート(Berklee Global Jazz Institute)で出会った3人──米国出身のピアニストのチェイス・モリン(Chase Morrin)、キプロス出身の打楽器奏者ジョージ・ラーニス(George Lernis)、パレスチナ出身のチェロ奏者ナシーム・アラトラシュ(Naseem Alatrash)による新作アルバム『Ize Trio: Global Prayer』は、各地の伝統音楽を取り込みながらますますグローバルに多様化してゆく現代ジャズの中にあって、その独自性から一際興味の惹かれる作品だ。

  • 2026-07-07
  • 2026-07-07

現代最高の越境型ピアノトリオ EYM Trio、世界各地での“ノマド・セッション”集大成

フランスの人気ピアノトリオ、EYM Trio はこれまで世界中をツアーする合間に、訪れた街の街角で、海辺で、廃墟で、ときには火山の火口付近で、「ノマド・セッション」と彼らが呼ぶ屋外セッションを繰り広げてきた。2019年から続けられてきたこのプロジェクトの動画は、2026年7月現在で13本あり、それらはYouTubeの彼らの公式チャンネルで観ることができる。2026年7月にデジタル・リリースされた彼らの新作『NOMAD SESSIONS』は、そのノマド・セッションの集大成的なアルバムだ。

  • 2026-06-27
  • 2026-06-24

深い抒情を湛えた最高峰のヨーロッパ・ジャズ! ギター、ダブルベース、バンドネオンで紡がれる詩的な音楽

『Pont De Vie』はアコースティックギター、ダブルベース、バンドネオンのトリオ編成という珍しい作品ながら、地中海から北欧まで旅するようなシネマティックな音像が素晴らしく、静かな夜にじっくりと耳を傾けたい作品だ。演者はポーランド出身のギタリストのマチェク・ピシュ(Maciek Pysz)、ロシア出身のベース奏者ユーリ・ゴルベフ(Yuri Goloubev)、そしてイタリアのバンドネオン奏者ダニエレ・ディ・ボナヴェンチュラ(Daniele di Bonaventura)。

  • 2026-06-17
  • 2026-06-16

UKジャズ新世代。ラフィ・ブッシュマンが初のフルアルバムで魅せた、ジャズの“超時性”

英国ロンドンを拠点とするピアニスト/作曲家ラフィ・ブッシュマン(Raffy Bushman)が、自身初となるフルレンス・アルバム『New Life』をリリースした。これまでピアニストとして、そして時にはチェリストとしても様々な編成で革新的な表現を試み、充実したUKジャズシーンの中でも独自の立ち位置を築いてきた彼が、今作ではシンプルなピアノトリオ編成に立ち返りつつも、スウィング・ジャズからヒップホップまであらゆる時代からの影響を感じさせる独創的な音楽を創り上げている。

  • 2026-06-16
  • 2026-06-16

異才トロンボーン奏者ロビンソン・クーリー、ジャズ/アラブ/電子音楽を跨ぐ独創的新譜『Transara』

ジャズを基盤に、自身のルーツであるアラブ音楽とエレクトロニカを融合させたシネマティックな音風景が素晴らしい。フランスのトロンボーン奏者/作曲家ロビンソン・クーリー(Robinson Khoury)の新作『Transara』は、前作『MŸA』(2024年)での確かな手応えをより深掘りし発展させたものだ。メンバーも前作に参加していたアニッサ・ネアリ(Anissa Nehari)のパーカッション/ヴォイスと、レオ・ジャセフ(Léo Jassef)のキーボード/シンセ/ヴォイスとのトリオ編成から変更なく、“MŸA”トリオの成熟を思わせる。

  • 2026-06-10
  • 2026-06-08

洪水のような爆発的エネルギーを秘めたローザ・ブルネッロ新譜。強固なリズム、躍動するジャズ

イタリアのベーシスト/作曲家ローザ・ブルネッロ(Rosa Brunello)の2026年新譜『We Are Surging Waters』は、“私たちは押し寄せる水”を意味するタイトルが示すとおり、とてつもなく力強いジャズの傑作だ。トランペットのヤズ・アハメド(Yazz Ahmed)、バリトンサックスのテイマー・オズボーン(Tamar Osborn)、そしてトロンボーンのルカ・タピーノ(Luca Tapino)の強力な3管をフロントに据え、ただでさえ強いグルーヴに半数の曲ではツインドラムという編成で、強固な絆で結ばれた即興集団の本質的な強さを見せつける。

  • 2026-05-31
  • 2026-05-28

女性ヴァイオリン奏者率いるスウェーデンの北欧ジャズ・クインテット新譜『Phoenix』

ノルウェー出身、現在はスウェーデン・ヨーテボリを拠点とする女性ヴァイオリン奏者テレーセ・リーン・エヴェンスタ(Terese Lien Evenstad)率いるクインテットの2026年作『Phoenix』は、ヴァイオリンとクラリネットをフロントに据えた珍しいクインテット編成で、北欧ジャズ特有の静謐さだけではない、生命のエネルギーを感じさせる作品だ。

  • 2026-05-19
  • 2026-05-07

イスラエルの人気ピアノトリオ Shalosh、深く内省的なオリジナルと驚くような選曲のカヴァー

現代ジャズを代表するピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)の2026年新作『What We Are Made Of』がリリースされた。オリジナルのほか、ロックやポップスからの大胆なカヴァーも収録。凝ったアレンジとダイナミックな演奏で、万人が楽しめるアルバムとなっている。

  • 2026-05-13
  • 2026-05-07

「ジャズとダブには共通のDNAがある」イタリア発、ダブ・コレクティヴとサックス奏者の衝撃コラボ

イタリアのダブ・コレクティヴ、ウィキッド・ダブ・ディヴィジョン(Wicked Dub Division)とジャズサックス奏者フランチェスコ・ベアルザッティ(Francesco Bearzatti)による、驚くようなコラボレーション・アルバム『Jazz My Dub』。即興性を基調としながら、Wicked Dub Divisionの既存曲にベアルザッティのサックスが新たに加わるような形で「探求心・即興・自由」というジャズとダブの“共通のDNA”を探る、実験的なサウンドが面白い。

  • 2026-04-29
  • 2026-04-24

「初めて長調の曲も収録」…次世代北欧ジャズの旗手ヨエル・リュサリデスの新章。『Late on Earth』

「静謐」と「強烈」、この一見相反するとも思える言葉が最も当てはまるというのが、スウェーデン出身のピアニスト、ヨエル・リュサリデス(Joel Lyssarides)への世間の評価らしい。私は彼の過去作について“まるで冬の冷たく引き締まった空気のように端正な音。クラシック音楽からの影響の強いジャズで、思慮深く紡いでいく絶妙なハーモニーは深呼吸したくなるほどの澄んだ美しさ”と評したが、なるほど、静謐なだけでなく「強烈」という言葉も言い得て妙だな、と2026年最新作『Late on Earth』を聴いて思った。

  • 2026-04-17
  • 2026-04-17

この世でもっとも美しく、憂いと悦びに満ちたカルテット Liberetto 深い抒情を湛えた新譜『Echomyr』

リリースのたびに深く美しい抒情性で極上の安らぎを与えてくれる「Liberetto」が、5年ぶりの完全なる新作で再び戻ってきてくれた。アルバムタイトルは 『Liberetto V: Echomyr』、「echo」は音が響き渡る広大な空間を表し、「myr」は古ノルド語で“荒野”を意味する造語なのだという。いつものように、親しみやすさの奥に隠された複雑な構造の美しい楽曲を、単に卓越した技巧だけではない“心の込められた”演奏で聴かせてくれる彼らの心の奥底から湧き上がる情熱と魂によって奏でられた音で、その空間は満たされている。