- 2026-10-14
- 2026-10-06
ウードとピアノを中心に描く、まだ名前のない中東ジャズ。Caifas『Open Letter』
イスラエルのピアニスト、ニムロッド・エルダー(Nimrod Eldar)とウード奏者エリラン・スウィッサ(Eliran Swissa)を中心とするグループ、カイファス(Caifas)が初のフルアルバム『Open Letter』をリリースした。ピアノとウードを中心に、ドラムスやベース、フルートなどの編成で彩った中東〜地中海ジャズ。
中東地域の音楽
イスラエルのピアニスト、ニムロッド・エルダー(Nimrod Eldar)とウード奏者エリラン・スウィッサ(Eliran Swissa)を中心とするグループ、カイファス(Caifas)が初のフルアルバム『Open Letter』をリリースした。ピアノとウードを中心に、ドラムスやベース、フルートなどの編成で彩った中東〜地中海ジャズ。
トルコ系サイケデリック・ロック・バンド、Şatellites(シャテライツ)の創設者として知られるマルチ器楽奏者/作曲家イタマール・クルーガー(Itamar Kluger)が、自身のソロ・プロジェクト「Eje Eje」名義のデビュー作『Primordial Soup』をリリースした。洋の東西を問わず幅広い音楽を混合した音楽性は、生命発生の起源「原始のスープ」を意味するアルバム・タイトルに象徴されている。
今回紹介する作品は、パレスチナの古都イェリコ出身で、現在はベルギーを拠点とするクラリネット/ネイ奏者/作曲家アハメド・ハワーシュ(Ahmed Hawwash)のデビュー作『Eternal Homeland』(2025年)。祖国パレスチナへの望郷滲むタイトルが冠せられた本作は、同地の伝統的な旋律にインスパイアされつつ、ジャズの語法も交えた美しくも儚い音楽が繰り広げられる。
“古代ユダヤの民族伝統を深く掘り下げ、遺産と現代アートを織り交ぜた、今この瞬間に息づく伝統の真髄を捉えた洗練された魂の旅”──。 イスラエル・ジャズの若き正統な後継者、エデン・ギアット(Eden Giat)。クラシックを礎とした端正な技巧と、ユダヤの伝統的な文化に由来するリリシズムを併せ持った注目のピアニストが、自身2枚目となるリーダー作『Eifo Halev』をリリースした。
南アフリカで生まれ、NYでジャズ・ベーシストとして活躍し、10年ほどの活動休止を経て現在はイスラエル・エルサレムで静かながら文化的に重要な音楽活動の動きを見せるヨセフ・ガトマン(Yosef Gutman) は、──彼自身はそう呼ばれることをあまり好まないかも知れないが──特別な音楽家だと断言してよいだろう。
トルコ出身のシンガーソングライター/クラリネット奏者、エズギ・セヴギ・ジャン(Ezgi Sevgi Can)によるデビュー・アルバム『Karanfiller』が素晴らしい。全曲がエズギ・セヴギ・ジャンの作詞作曲で、彼女自身はヴォーカルとクラリネットを担当。サウンドは親しみやすい西洋音楽と、マカームに根差した微分音や変拍子が見事に融合しており、音楽的にも新鮮な感動がある作品だ。しかしその裏には、彼女と彼女の家族をめぐる悲劇的な運命と、15年以上にわたって闘い続ける、彼女の強さが隠されていた。
クルドをルーツにもつオランダのシンガーソングライター、メラル・ポラト(Meral Polat)の2025年作 『Meydan』は、彼女のルーツであるアナトリアとメソポタミアの音楽や、イスラム教の少数派であるアレヴィー派の文化的背景を基調に、トルコのサイケデリック・ロックやクルドのソウル、プロテスト・ブルース、ワールド・フュージョンを融合させた強烈な音楽体験を約束するアルバムだ。
2025年11月28日、FMラジオ曲J-WAVEの毎週金曜放送番組『SUNNY VIBES』内のコーナー「EARTH BEATS JOURNEY」にて、当サイト選曲によるノンストップMIXが放送されました。
音楽という地球上の普遍言語で人々を繋ぐというヴィジョンのもと、20年近く活動するシークレット・トリオ(The Secret Trio)の新譜『Old Friends』がリリースされた。マケドニア出身のクラリネット奏者イスマイル・ルマノフスキー(Ismail Lumanovski)、アルメニア系アメリカ人のウード奏者アラ・ディンジャン(Ara Dinkjian)、そしてトルコ出身のカーヌーン奏者タメル・プナルバシュ(Tamer Pınarbaşı, Tamer Pinarbassi)の3人が奏でる音楽は微分音を用いるなど東欧・中東の民族音楽に根差しつつ、ジャズや西洋のクラシックともクロスオーヴァーするなど、独自の国境なき世界を巧みに表現する。
カナダ・トロントを拠点に活動する男女デュオ、カズドゥーラ(Kazdoura)のデビュー作『Ghoyoum』。内戦のため祖国を離れたシリア出身の歌手レーン・ハモ(Leen Hamo)と、レバノン出身で移民としてカナダに渡っていたマルチ器楽奏者ジョン・アブー・シャクラ(John Abou Chacra)は、2020年のベイルート港爆発事故後のトロントでの募金活動の中で出会い、強力な相乗効果を証明する音楽作品を作り上げた。
レバノンを代表する歌手、タニア・サレー(Tania Saleh)は母国の様々な状況(彼女はそれを“一連の不幸な出来事”と呼ぶ)から、ついに祖国を離れる選択をし、2022年にフランス・パリに移住した。彼女の最新作『Fragile』は、スーツケースに貼られた“壊れやすい”を表すその言葉の通り、故郷を離れることによる心理的な重荷や、亡命者が抱く根無し草のような感覚をテーマに作られている。
ペルシャとクルドをルーツに持つアメリカ生まれ・スペイン在住の歌手/作曲家エラナ・サッソン(Elana Sasson)の2作目のアルバム『In Between』は、自身のルーツである中東音楽をベースに、現代ジャズやラテン、地中海音楽の要素も交えた作品。バンドはコロンビア出身のピアニスト、サンティアゴ・ベルテル、キプロス出身のベース奏者マノス・ストラティス、そしてベルギー出身のドラムス奏者ヴィクトール・ゴルトシュミットの国際色豊かなトリオ編成を中心としており、穏やかなジャズに乗せて歌う抒情詩のような美しさが印象的なアルバムとなっている。
アルバムの1曲目、最初の1音からリスナーの心を強く掴む作品は、そうそう多くはない。そしてそうした作品は、ほとんどが「傑作」「名盤」と呼ばれる類のものだ。名門ACTレーベルよりリリースされたイラク系イスラエル人鍵盤奏者、シャロン・マンスール(Sharon Mansur)のトリオでのデビュー・アルバム『Trigger』はまさにそれに当てはまる作品だ。ピアノトリオの作品だが、プログレや中東音楽からの強い影響を感じさせるそのサウンドはとてつもなく鮮烈で、この女性ピアニストへの興味を掻き立てる。
ペルシアン・ジャズの雄、イラン・テヘラン出身のピアニスト/作曲家ハムゼ・イェガネ(Hamzeh Yeganeh)の新譜『Hand in Hand』がリリースされた。基本的にピアノトリオ編成で、エレクトリック・ベースのイディン・サデグザデ(Idin Sadeghzadeh)、ドラムスのアミン・タヘリ(Amin Taheri)とともに奏でるペルシャの伝統音楽を取り入れた独創的なジャズ・フュージョンは、なかなか他では聴けない楽しさがある。