- 2023-05-30
- 2023-05-28
ベーシスト必聴!ミシェル・ピポキーニャ新譜はブラジル音楽やジャズの粋の結晶
Love4ミシェル・ピポキーニャ新譜『Um Novo Tom』 世界的にも稀な超絶技巧を持ちながら、それに浴せず高度な芸術性や音楽性を兼ね備えたブラジルのベーシスト/作曲家ミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)の新作 『Um […]
フュージョン
Love4ミシェル・ピポキーニャ新譜『Um Novo Tom』 世界的にも稀な超絶技巧を持ちながら、それに浴せず高度な芸術性や音楽性を兼ね備えたブラジルのベーシスト/作曲家ミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)の新作 『Um […]
ロンドンを拠点とするギタリスト、デヴィッド・プレストン(David Preston)が新しいカルテットを率いての初のアルバム『Purple / Black (Vol. 1)』をリリースした。今作はこれまでの彼のトリオでも活動をともにしていた6弦ベーシストのケヴィン・グラスゴウ(Kevin Glasgow)との絆はそのままに、ECMからデュオ作『A Short Diary』を出したばかりのピアニストのキット・ダウンズ(Kit Downes)とドラマーのセバスチャン・ロックフォード(Sebastian Rochford)を新たに迎え、ジャズロックやフュージョンが持つ熱量と、抒情的なメロディーや即興とのバランスに優れた作品になっている印象だ。
呑み込まれそうになるほどの圧倒的な演奏だ。米国のベーシスト/作曲家エヴァン・マリエン(Evan Marien)のソロ名義の新譜『Elysian』。盟友ダナ・ホーキンスの超絶的なドラムスに加え、アルメニアの鬼才鍵盤奏者ティグラン・ハマシアンのシンセ、そしてスウェーデンのメタルバンド、メシュガーのギタリストのフレドリック・トーデンダルが参加したプログレッシヴ・メタル(1)「Caliber」から、早くも聴く者を興奮の渦に巻き込む。
ステファン・グラッペリやディディエ・ロックウッドといった史上最高峰のジャズ・ヴァイオリニストを輩出したフランスから、新たな若いヴァイオリンの才能が現れた。名はアルバ・オベール(Alba Obert)。彼女のデビュー作『Kaleidoscope』には、クラシックからマヌーシュ・スウィング、バルカン音楽、ジャズロックなど幅広いスタイルでヴァイオリンを弾き、ついでに歌手としての才覚も備えたこの新星の稀有な魅力が詰まっている。
ベースの名手として知られるトルコの音楽家キャミル・エルデム(Kamil Erdem)の新作『Interactions』は、楽器をベースからクラシックギターに持ち替え、ウードとパーカッションとのトリオで演じる、魅力に満ちたオリエンタル・ジャズ作品だ。
鍵盤奏者のエリック・エスコバル(Erik Escobar)、ベーシストのミシェル・ピポキーニャ(Michael Pipoquinha)、そしてドラマーのミゲル・アシス(Miguel Assis)のトリオによる2022年作『New Brazilian Trio』。3人それぞれが10代前半から頭角を表したという“元・神童”バンドで聴かせてくれる音楽は、ブラジルのリズムと少し懐かしい感じのする米国のフュージョンが融合したサウンドだ。
2018年のデビューアルバム『Adventure』が話題となったイギリス・ロンドンを拠点とする男女4人組のインスト・バンド、リディアン・コレクティヴ(Lydian Collective) 。400万回以上のSpotify再生と180万回以上のYouTube再生(出典:彼らの公式サイト)を誇り、名実ともに英国内外で急速に人気を高めているグループだ。
トルコのピアニスト/作曲家ネヴザット・ユルマズ(Nevzat Yılmaz)の3rdアルバム『Ruşeym Project』は、伝統的な音楽と西洋のジャズやフュージョンが融合し独自の発展を見せる現代のターキッシュ・ジャズ・フュージョンをたっぷりと堪能できる濃密な作品だ。ピアノ、ベース、ドラムス、パーカッションのカルテットをメインに数曲でヴォーカルも参加する。
スペインのサックス/フルート奏者ホルヘ・パルド(Jorge Pardo)の2022年新譜『Trance Sketches』。ピアノにベテラン、ギル・ゴールドスタイン(Gil Goldstein)、ベースに鬼才マット・ギャリソン(Matt Garrison)、そしてドラムスにマーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)という米国の現代ジャズ最高峰のメンバーを迎えたカルテットを軸に、さらに楽曲ごとに多彩なゲストを迎えた圧巻のコンテンポラリー・スパニッシュ・ジャズとなっている。
スペインのコンテンポラリー・フラメンコ・ギタリスト、ニーニョ・ホセレ(Niño Josele)『Galaxias』は、チック・コリア(Chick Corea)やルーベン・ブラデス(Rubén Blades)といった巨匠との共演も楽しめる最高のアルバムだ。圧倒的な技巧で繰り出される歯切れ良く乾いたギターの音も心地よく、現代的なフラメンコ・ジャズの魅力を充分に味わえる。
1960年代になってアゼルバイジャンで正式にジャズが解禁されると、その後の10年間にわたってこの国の即興音楽は大きな発展を遂げた。その中心にいたのはピアニスト/作曲家のヴァギフ・ムスタファザデ(Vagif Mustafazadeh, 1940 - 1979)だが、もうひとり、ラフィク・ババーエフ(Rafiq Babayev, 1937 - 1994)も無視できない存在である。
イスラエル出身で現在イギリス・ロンドンを拠点に活躍するベーシスト/作曲家ニム・サドット(Nim Sadot)が、第二次世界大戦中にソ連の労働収容所を生き延び、収容所の将校たちの肖像画を描いた亡き祖父にインスパイアされた新作『Felix』をリリースした。アルバム・ジャケットにはその祖父が描いた絵が採用されている。
『Moav』は古いヘブライの歌をカヴァーし現代的なアレンジと演奏で聴かせるイスラエルの4人組バンド、MOAVのデビューシングル。3曲のみの収録だが、イスラエルの伝統に寄ったテクニカルなジャズ/フュージョンのサウンドが非常に魅力的だ。バンドのリーダーはリモン音楽学校やテルマ・イエリン芸術学校などで講師を務めるエリ・ベナコット(Eli Benacot)。
フランスを代表する技巧派ベーシスト、エルヴィン・ビロニアン(Elvin Bironien)の2022年新譜『Lueurs』は、マルティニーク出身の鍵盤奏者グレゴリー・プリヴァ、ドラマーのティロ・ベルトロ、そしてキューバからはサックスのリカルド・イスキエルドを迎え、適度なリラックスの中でほのかにカリブ海の風が香る即興の妙技を聞かせてくれる爽快な作品だ。