- 2026-03-28
- 2026-03-27
UKアフロジャズの代名詞ヌビヤン・ツイスト、AI生成の時代に抗う有機的グルーヴの5th
UKジャズ/アフロビートのシーンを代表するジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)の5枚目となるスタジオ・アルバム『Chasing Shadows』がリリースされた。今作は“デジタル化が進む世界の中で、人間同士のつながり・温もり・即興性を再発見すること”をテーマとし、人間らしいエネルギーに溢れた音楽が繰り広げられる。
アフリカ音楽
UKジャズ/アフロビートのシーンを代表するジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)の5枚目となるスタジオ・アルバム『Chasing Shadows』がリリースされた。今作は“デジタル化が進む世界の中で、人間同士のつながり・温もり・即興性を再発見すること”をテーマとし、人間らしいエネルギーに溢れた音楽が繰り広げられる。
現代のマグレブ社会を象徴するシンガーソングライター、スアド・マッシ(Souad Massi) の新作のタイトル『Zagate』は、フランス語で「事態は悪化している」を意味する「ça se gâte」に由来するアルジェリア風スラングだという。この作品は、四半世紀前にアルジェリアからフランスに亡命し、今もなお社会的なテーマを創造力の源とする彼女による、混乱や暴力や人種差別、戦争が絶えない現代社会への鋭利な警告だ。
スーダンの伝統音楽をジャズやソウルと融合した独自のスタイルで知られるSSW、アミーラ・ヘイル(Amira Kheir)の4枚目となるアルバム『Black Diamonds』(2025年)。スーダンの豊かな文化遺産、祖先へのオマージュ、アイデンティティなどをテーマに歌う今作には、スーダンの伝統音楽のアレンジとオリジナル曲が混在し、過去と現在をつなぐ架け橋のような作品となっている。
ケニアの打楽器奏者/シンガー/作曲家のカスィヴァ・ムトゥア(Kasiva Mutua)のデビューアルバム『Desturi』は、アフリカに特有な三連符やポリリズムなど伝統的な音楽を基盤にしながらも、ジャズを深く取り込み洗練された音楽面で優れているだけでなく、女性の権利などにおいて古い慣習に囚われた同国の価値観を変革するという、社会的にも意義のある重要な作品だ。
独自の表現の道を歩むチュニジア出身のウード奏者/歌手/作曲家ダファー・ユセフ(Dhafer Youssef)が、ドイツのレーベル、ACTからリーダーとして第一弾となるアルバム『Shiraz』をリリースした。伝統的なアラブ音楽を精神的な神秘とともにジャズの世界と融合させた稀有な音楽家である彼が、さらなる精神的・音楽的深化を見せた美しい作品だ。
中部アフリカ、コンゴ民主共和国の首都キンシャサを拠点とするバンド、ジュピター&オクウェス(Jupiter & Okwess)の2025年の新譜『Ekoya』。アフリカの伝統的なリズムにロック、ファンクといった要素を織り交ぜて国際的な人気を博した彼らが、2020年の南米ツアー中に見舞われたパンデミックによりツアー後にメキシコ滞在を余儀なくされ、ラテンアメリカの文化の影響を受けながらメキシコで録音されたのが本作だ。
デンマークのインストゥルメンタル・セクステットであるサンボーン(Sunbörn)と、イタリアのDJ/プロデューサーClap! Clap!(本名:Cristiano Crisci)がタッグを組み、「グローバルカルチャーとソニック・フュージョンの鮮やかな祝典」を体現する作品『Earth Is Begging』。サンバもアフロビートもファンクもジャズも飲み込み、強烈なダンス・ミュージックを展開する良盤だ。
大西洋を超え、現代のアフロ・ディアスポラ音楽を体現するふたつの音楽集団が出会い、『Calima』と題された素晴らしい作品を残した。一方はイギリス・ロンドンを拠点に活動し、西アフリカのマンデ族のリズムとジャズを融合する人気バンドのバリマヤ・プロジェクト(Balimaya Project)。もう一方は南米コロンビアを拠点とし、マリンバを中心にアフロ・コロンビアン音楽の熱気を表現するディスコス・パシフィコ・オールスターズ(Discos Pacifico All-Stars)。あわせて16名の規模となる大所帯で、複雑に連帯したリズムと即興的表現が絡み合い、ときにはヴォーカルやコーラスによるアクセントも加えた最高に高揚感のある音楽を聴かせてくれる。
サンパウロの街角から世界へ——Bixiga 70は、アフロビート、サンバ、ジャズを溶け合わせ、ダンスフロアを熱狂させる9人編成のインストゥルメンタル・バンドだ。初来日し、富山・南砺市で8/23(土)、東京・渋谷で8/26(火)にステージに立つ。
2023年にフランスで結成され、“カテゴライズ不可能”と評される独特の音楽性が魅力の4人組、ラゴン・ンワール(Lagon Nwar)のデビュー・アルバム『Lagon Nwar』が面白い。バンド名はフランス語で「黒いラグーン」を意味し、これは異なる文化的背景が交錯する“中間地点”を象徴。メンバーそれぞれのルーツ(フランス海外県レユニオン、ブルキナファソの首都ワガドゥグー、そしてフランス国内のパリ、オルレアン)の交差を表現している。
モザンビーク出身の歌手/作曲家/芸術活動家レナ・バウレ(Lenna Bahule)の新作『Kumlango』は、モザンビークやアフリカ南部の伝統音楽に由来する打楽器などによる優れたリズムに、効果的なエレクトロニック、そして広い音域を持つ彼女の柔らかく美しい声が融合するサウンドスケープが印象的な素晴らしいアルバムだ。国際的なミュージシャンも複数参加し、モザンビークを代表する芸術家として知られつつある彼女の活躍の舞台を世界に広げる。
アレ・ホップ&ティティ・バコルタ(Ale Hop & Titi Bakorta)名義の不思議なエレクトロ・ワールドミュージック『Mapambazuko』が、妙にクセになるサウンドで面白い。これはペルー出身の実験的エレクトロニック・ミュージシャン、アレ・ホップ(Ale Hop)ことアレハンドラ・カルデナス(Alejandra Cárdenas)と、コンゴ出身のギタリスト、ティティ・バコルタ(Titi Bakorta)によるコラボレーション・アルバムで、ウガンダを拠点とする気鋭レーベル「Nyege Nyege Tapes」からリリースされた。
前作『Les Égarés』が深い感動を呼んだカルテットによる新作『Sou Kora』がリリースされた。コラ、チェロ、サックス、アコーディオンというユニークな四重奏をさらに深める試みで、アフリカやヨーロッパの伝統音楽、室内楽、ジャズといった要素を融合した美しい響きを堪能できる作品だ。
南アフリカの気鋭シンガーソングライター、ガビ・モトゥバ(Gabi Motuba)の2枚目のフルアルバムとなる『The Sabbath』(2024年)が素晴らしい。敬愛する父親を新型コロナウイルス感染症で亡くしたことをきっかけに制作した、弦楽四重奏を中心とした前作の5曲入りEP『The Sabbath』(2022年)をより発展させた形となっており、彼女のこれまでの作品と同じように弦楽四重奏をサウンドのコアとしつつ、ギターやドラムスなどを加えたジャズに寄せた編成で奏でられる音楽は至福の極みだ。