CATEGORY

India

インド音楽

  • 2026-06-14
  • 2026-06-13

それぞれの伝統を繋ぎ、高め合う──プルバヤン・チャタジー&マーク・レッティエリ『Feathered Creatures』

インドのシタール奏者プルバヤン・チャタジー(Purbayan Chatterjee)と、アメリカ合衆国のギタリスト、マーク・レッティエリ(Mark Lettieri)の興味深い共演作『Feathered Creatures』がリリースされた。自身の音楽的基礎を超越したい、という根源的な欲求から生み出されたこのアルバムは、インドのシタールと西洋のエレクトリック・ギターというそれぞれの文化を代表する弦楽器が対等に対話し、新しい音楽の風景を見せてくれる作品だ。

  • 2026-06-06
  • 2026-06-05

境界を超えた自由な音楽を追求する、ドープなインド系サイケロック Ishaaq Aarkistra

インド系スウェーデン人アーティスト、イシャーク(Ishaaq)ことイサク・クラッソン(Isak Klasson)率いるイシャーク・アーキストラ(Ishaaq Aarkistra)。2026年作『Arikomban Space』は、インドのラーガをベースに西洋音楽の馴染みやすさで繕った、サイケデリックでスピリチュアルな怪作だ。ドラムス、タブラ、ペダルスティールギター、バンスリ、シンセ、そしてヴォーカルという奇特な編成で、即興も重視された60〜70年代風のレトロなバンドサウンドも魅力的だ。

  • 2026-05-29
  • 2026-05-27

内なる精神世界を探求する、革新的ヒマラヤン・グループ The Three Seas 新譜『Antaḥkaraṇa』

西ベンガルの伝統音楽と、オーストラリアの現代ジャズ/エレクトロニカ・シーンの気鋭たちが融合したボーダレス・アンサンブル、ザ・スリー・シーズ(The Three Seas)。彼らが結成15周年の節目にリリースした2026年のアルバム『Antaḥkaraṇa』は、バンド史上最もスピリチュアルでありながら、独特のグルーヴに満ちた作品だ。近年の“ワールド・ジャズ”や“スピリチュアル・クロスオーバー”などのシーンから見ても相当に独自性が強い作品で、単なる伝統音楽/ジャズ/エレクトロニックの融合という枠を超えた精神的な深淵を感じさせる。

  • 2026-03-27
  • 2026-03-27

魅惑のカルナティック・プログレメタル!人気ギタリスト、マティアス・エクルンドの超絶新譜

スウェーデン出身の人気ギタリスト/作曲家、マティアス・"IA"・エクルンド(Mattias IA Eklundh)が放つ、プログレッシヴ・メタル×南インドの超絶バンド、フリーク・オーディオ・ラボ(Freak Audio Lab)の第一弾アルバム『Resist The Erosion』。バンドメンバーにインド出身でコナッコルとムリダンガムの名手B.C.マンジュナート(B.C. Manjunath)、そしてイスラエルの現代プログレ界隈で最強のリズム・セクションともいえるドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)とベースのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)を迎え、激しく色彩豊かな音が繰り広げられる驚くべき作品だ。

  • 2026-03-11
  • 2026-03-14

アプールヴァ・クリシュナ 「ただ在る」という境地から生まれた、現代ジャズとインド古典の融合の極み

人類が長い歳月と数えきれないほどの犠牲から学んだ末に築き上げた秩序を、人気者の利己的な指導者が実にカジュアルに壊してゆく。このやりきれない世界で、「愛だけが真実だ!」と確信をもって言える人がどのくらいいるだろうか?インドを拠点にグローバルに活躍するヴァイオリン奏者、アプールヴァ・クリシュナ(Apoorva Krishna)の新作『Only Love is Real』は、「東洋と西洋の出会い」といった手垢のついた言葉を超え、「ただ在る(being)」という境地から生まれた。

  • 2026-03-07
  • 2026-03-17

テナーサックスの導師オデッド・ツール、その管に吹く微風、そして痛みを伴った驚くほど激しい熱風

オデッド・ツール(Oded Tzur)が奏でるテナーサックスは、ごくごく普通の真鍮製の楽器なのに、なぜだか“木の音”がする。もっと言えば、木管の中をとおる、“風の音”がする。オデッド・ツールのテナーサックスはいつもとても繊細で、まるでヨガの呼吸の延長にあるかのようだった。けれど、2026年3月初頭にリリースされた彼の新作『Make A Sound』を聴いて、正直僕はかなり驚いた。

  • 2026-01-11
  • 2026-01-11

グラミー賞ノミネート、圧巻の“空間オーケストレーション”の芸術。ジャスティン・グレイ『Immersed』

カナダ・トロントのベーシスト/作曲家/サウンドエンジニアのジャスティン・グレイ(Justin Gray)の2025年作『Immersed』は、ジャズとインド音楽の大胆な融合を、総勢38名の音楽家の参加によって壮大に体現した稀有な作品だ。最新の空間オーディオ技術など音楽への没入感を評価するグラミー賞の部門「最優秀イマーシブ・オーディオ・アルバム(Best Immersive Audio Album)」にノミネートされるなど、音楽・音響の両面で極上の体験を味わうことができる。

  • 2025-12-29
  • 2025-12-27

ヒップホップ×インド古典音楽×ジャズの衝撃!“カモフラージュこそが芸術の真髄だ”

フランスの鍵盤奏者アレクサンドル・エレール(Alexandre Herer)による 『Bombay Experience』は、ジャズ、インド古典音楽、そしてヒップホップが高度に融合した稀有なアルバム。インドのヒップホップ・シーンを一変させたラッパーマンミート・カウル(Manmeet Kaur)と、ムリダンガム/コナッコルの名手B.C. マンジュナート(B.C. Manjunath)という二人のインド出身ミュージシャンが参加し、驚くほど緻密なリズムとグルーヴで斬新な音楽を聴かせてくれる。

  • 2025-12-21
  • 2025-12-21

歌うヨガ実践者Manizeh、静かに心を浄化させる素晴らしいデビューアルバム。ガナーヴィヤ参加

パキスタンに生まれ、ヨーロッパやアメリカに住んだあとロンドンでヨガインストラクターとして活動するマニーゼ(Manizeh)のデビューアルバム『Mahku』が素晴らしい。共同プロデューサー/ゲストシンガーとして、オバマ元大統領が「2025年のお気に入り」にも挙げたガナーヴィヤ(Ganavya)が全面的に参加。マニーゼ自身が弾くハルモニウムと歌を中心に、ハープやダブルベース、ピアノなどの楽器で優しく彩られた楽曲群は深く感動的で、ヨガの実践者であり指導者である彼女の哲学と精神を余すところなく反映している。聴けば聴くほどその世界に没入し、心が浄化される感覚にさせられる──。

  • 2025-11-28
  • 2025-11-26

総勢300人以上の音楽家が参加。カルナティック・プログレの雄、Agamが放つ伝統と革新の極致

インド・カルナータカ州都ベンガルールを拠点とするカルナティック・プログレッシヴ・ロックバンド、アガム(Agam)が8年の制作期間を要し完成させた3rdアルバム『Arrival of The Ethereal』。長い歴史を持つインド古典音楽と近代的なプログレの絶妙なブレンドは斬新で、その高い完成度も相まって新鮮な驚きに満ちた壮大な音楽世界が展開される優れたアルバムだ。

  • 2025-08-13
  • 2025-08-12

価値観を変えうる衝撃的音楽体験…! ヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル『Vari』ライヴ盤

当サイト『ムジカテーハ』では普段はあまりライヴ盤は紹介しないのだけど、何度か繰り返し聴いているうちに、その特別さをスルーするわけにはいかなくなってきてしまいました。ヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)の『Vari』から厳選された7曲を収録したライヴ盤。後頭部をハンマーで打たれるような強い衝撃を受ける、驚くべき作品です。

  • 2025-06-18
  • 2025-06-16

北インド古典音楽に根差した実験的現代フュージョン。サロード奏者アヴラ・バネルジー“旋律の波”

伝統的な北インドの古典音楽を軸にしながら、西洋音楽やジャズを取り入れた独自の音楽観で知られるインド(バーラト)出身のサロード奏者/作曲家アヴラ・バネルジー(Avra Banerjee)が新譜『Swar Lahari』(旋律の波)をリリースした。多数のインド古典音楽界の著名ミュージシャンとのコラボレーションを特徴としており、グローバルな感覚とも呼応する現代的な作品に仕上がっている。

  • 2025-06-02
  • 2026-05-15

世界の不条理の中で、音楽に祈りを込める“現代最高の歌手”ガナーヴィヤの新譜『Nilam(土地)』

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが“現代音楽界で最も魅力的な歌手の一人”と評価したシンガーソングライター/マルチ奏者ガナーヴィヤ(Ganavya)が、新作『Nilam』をリリースした。“スピリチュアル”という形容が相応しい控え目な楽器群の音と、それに溶けるようなおおよそ私達と同じ人間の歌唱とは信じがたい声によって、この若いアーティストがどれほど奇跡的な音楽家であるかを思い知らせるような作品と言って過言ではないだろう。

  • 2025-05-04
  • 2025-05-04

国境なきドラムの“神”、トリロク・グルトゥが新作『Mirror』で魅せる多文化音楽の精神的深化

50年以上にわたりインドと西洋の音楽の架け橋であり続けるインド出身の打楽器奏者/作曲家トリロク・グルトゥ(Trilok Gurtu)が新譜『Mirror』をリリースした。アルケ・ストリング・カルテット(Arke String Quartet)との再共演となる今作は、彼のキャリアを通じて一貫している多文化的なアプローチをさらに深化させたものだ。インドの伝統音楽に深く根差しながら、ジャズやファンク、西洋の古典音楽、アフリカの伝統的なリズムなど様々な文化的要素が見事に調和したリズムが素晴らしい。