CATEGORY

Pops

ポップス

  • 2024-02-12
  • 2024-02-12

ロマンティックで抑制的なサウンドが魅力のインドの女性SSW、Krameri『INTRUSIVE THOUGHTS』

インド西部グジャラート州ヴァドーダラー出身のSSW、ダミニ・チョーハン(Damini Chauhan)によるソロプロジェクト、クラメリ(Krameri)の新譜『INTRUSIVE THOUGHTS』。アコースティックとエレクトロニックをバランスよく融合したチル感のあるサウンドに、ほんの少しのインド声楽のエッセンスが混ざる繊細なヴォーカルが心地の良い、素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-01-14
  • 2024-01-14

真摯に音楽と人生に向き合う現代最高の歌手サルヴァドール・ソブラル、新作『TIMBRE』から伝わるあたたかさ

ユーロビジョン・ソングコンテストの最高得点記録保持者として著名なポルトガル出身のSSW、サルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)の4枚目のアルバム『TIMBRE』は、彼の持ち味である柔和な歌声がジャズの影響を受けた美しいサウンドに馴染む、とても良質な音楽作品だ。

  • 2023-11-25
  • 2023-11-25

壮絶な半生を背負うユーロヴィジョン優勝歌手ジャマラ、クリミアの真実の歴史を伝える新譜『QIRIM』

欧州最大のソング・コンテストである「ユーロヴィジョン」優勝経験のあるウクライナの歌手/作曲家ジャマラ(Jamala)が、故郷クリミアの名を冠した新作『QIRIM』をリリースした。今作はクリミア半島に伝わる古い歌がイスラム文化の特徴をもった素晴らしいオーケストラ・アレンジで収録されており、80人以上のクリミアの音楽家が参加する壮大な作品となっている。

  • 2023-09-05
  • 2023-09-04

メキシコのSSWナナ・メンドーサ、R&B/ジャズ/ボサノヴァなど広く吸収した極上スペイン語ポップ

2018年の前作『Miradas』がラテングラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・ポップ・アルバム」部門にノミネートされたメキシコのSSW、ナナ・メンドーサ(Nana Mendoza)の2023年新譜『...』は限りなく良質なスペイン語ポップスだ。R&B、ジャズ、ボサノヴァなどから少しずつ影響を受けた爽やかだが安っぽさのない歌とサウンドで、エレクトリック要素も濃かった前作に比べると随分とアコースティックでジャズ寄りの作風が特徴的。彼女の最高傑作ではないかと思わせる素晴らしい仕上がりの作品となっている。

  • 2023-06-14
  • 2023-06-14

00年代R&Bの復権。ケンドリック・ラマーも認める新たなDiva、SZAの最新作『SOS』

メジャーデビューアルバム『Ctrl』は2018年の第60回グラミー賞では主要部門〈最優秀新人賞〉を含む計5部門という女性最多ノミネートを達成。Doja Cat(ドージャ・キャット)とのコラボ曲「Kiss Me More」では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」を受賞と、名実ともに一流アーティストの仲間入りを果たしている。それから5年。新人アーティストとしては非常に長いスパンでの発表となった最新作『SOS』は、5年間の思いと苦悩が詰まった全23曲の大長編に仕上がった。

  • 2023-06-13
  • 2023-06-13

ガーナの次なるスター Baaba J、繊細でソウルフルな新譜『Okay Baby, Lets Do This』

現地の伝統的なポピュラー音楽であるハイライフの流れを汲みつつ、世界的なスターのアシャ(Asa)やビヨンセといったアーティストからの影響も独自に消化し、ソウルフルな世界観を確立したガーナの若きシンガーソングライター、Baaba J。 彼女の待望の2ndとなる『Okay Baby, Lets Do This』も様々な音楽ジャンルが絶妙にブレンドされ、彼女の豊かな才能と創造性を示している。 

  • 2023-05-27
  • 2023-05-26

フジロック出演の奇才、ルイス・コールが残した2022年の傑作『Quality Over Opinion』

この夏、二人の天才が来日する。それもBlue NoteやBillboardといった格式高いジャズ箱ではなく、フェスへの出演である。一人は本サイトでも取り上げたことのある「神童」ジェイコブ・コリアー(Jacob Collier) 。そしてもう一人が、そのMVも含めすべてにおいて独特なクリエイティビティを見せつけながらも、質の高さからそれすらもスタンダードに昇華されてしまう「奇才」と呼ぶべきマルチアーティスト、ルイス・コール(Louis Cole)だ。2022年のベストアルバムに入れそびれてしまった最新作『Quality Over Opinion』を今回は来日を記念してご紹介したい。

  • 2023-04-16
  • 2023-04-16

カタルーニャから届いた、陽だまりのような多幸感。ジュディット・ネッデルマン新譜『LAR』

スペインを代表するシンガーソングライター、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)のソロ5枚目となる新譜『LAR』。ソフトロック、フォーク、ジャズ、南米音楽などがカタルーニャの多様性の文化の中で混ざり合い、スペイン随一と言われるジュディット・ネッデルマンの美しい声を際立たせる素敵な作品だ。

  • 2023-03-26
  • 2023-03-26

ウクライナのSSW/バンドゥーラ奏者クルート、伝統と現代性が同居する繊細かつ豊かな傑作

ウクライナのシンガーソングライター/バンドゥーラ奏者クルート(KRUTЬ)の2022年新譜『Літепло』は、フォーク・ミュージックの香りのする繊細で抒情的なサウンドから現代的なネオソウルまで、夜空の星々のようなバンドゥーラの美しい弦の響きと、穏やかで柔らかい彼女の声が胸に沁みる素晴らしい作品だ。

  • 2023-03-09
  • 2023-03-05

アンゴラの歌姫ヨラ・セメード、すべてのキゾンバ愛好家に捧げる新作『Sou Kizombeira』

アンゴラの歌手、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の7枚目となる新作『Sou Kizombeira』がリリースされている。今作はアンゴラ生まれのダンス音楽であるキゾンバをベースとしたダンサブルでパンチの効いたサウンドが特長的で、レゲエやソウル、R&Bといった要素も感じさせ、アンゴラの歌姫の貫禄を感じさせるアルバムに仕上がっている。

  • 2023-03-03
  • 2023-03-01

女性5人組ジャズバンドQueenta Ensemble、ヘブライのスタンダードを軽やかに歌う

イスラエルの5人の女性ミュージシャンによるジャズバンド、Queenta Ensemble のデビュー作『Shoshana』。“ヘブライ音楽の女王”と称えられる歌手ショシャナ・ダマリ(Shoshana Damari, 1923 - 2006)が歌った歌曲の再発見をテーマとしたカヴァー曲集で、可憐な声をもつヴォーカリスト/編曲家のチェン・レヴィ(Chen Levy)を中心に、ピアノ、フルート、ベース、ドラムスのバンドを従えイスラエルの音楽文化を象徴するかつての名曲を鮮やかに現代に蘇らせている。

  • 2023-02-18
  • 2024-01-04

トロピカルハウスの貴公子・Kygoが放つ最新作『Thrill of the Chase』に見るダンスミュージックの現在地。

レイドバックしたシンセサイザーがゆったりとバックに流れる別名「癒し系EDM」であるトロピカルハウスは、オーストラリア出身のアーティスト、トーマス・ジャック(Thomas Jack)が生みの親と言われており、まさに南国感溢れるサウンドを特徴としたハウスの総称である。今回発表された最新作『Thrill of the Chase』は今までの作品通り、個性豊かなボーカリストを迎えたアルバムであるが、これまでの作品に比べ、より肩の力の抜けたアルバムとなっている。