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  • 2025-09-03
  • 2025-09-03

ロンドンの現代ジャズシーンで注目されるトルコ出身鍵盤奏者ジェンク・エセン新譜『Endlessly』

ロンドンのジャズシーンで注目されるトルコ出身の鍵盤奏者、ジェンク・エセン(Cenk Esen)のアルバム『Endlessly』がリリースされた。カオス・イン・ザ・CBD(Chaos In The CBD)『A Deeper Life』(2025年)への参加でも知られる彼がジャズとエレクトロニックの融合で表現する今作は、移民として住む慣れない街での個人的な苦悩、人間関係、そして周囲の人々や状況が自分の考えや望む通りになることを際限なく期待し、常に失望という結末に辿り着くという自身の癖からインスピレーションを得て制作された。

  • 2025-08-27
  • 2025-08-26

トゥモローズ・ウォリアーズから、また凄い新人が現れた! 中東ルーツのナダフ・シュニールソン、デビュー。

中東にルーツを持つイギリス・ロンドン出身のドラマー/作曲家ナダフ・シュニールソン(Nadav Schneerson)が、7人編成のバンドを率いて録音したデビュー作『Sheva』が面白い。多様かつ優れた若手ジャズ・アーティストを輩出し続けるトゥモローズ・ウォリアーズ(Tomorrow’s Warriors)出身の彼は、文化的多様性の坩堝である同団体で得た多くの学びと、ユダヤ人である自身のルーツを融合させ、熱狂的なジャズ・アンサンブルを創り上げた。

  • 2025-07-16
  • 2025-07-16

英国の新星SSWホーネン・フォード、親友の死にインスパイアされた新作『神様がいたらいいのに』

英国ロンドンを拠点に活動するピアニスト/シンガーソングライターのホーネン・フォード(Hohnen Ford)は、リスナーを一瞬で虜にする特別な才能を持っているようだ。ロンドンの豊かなジャズシーンの中で学び、とりわけジョニ・ミッチェル、デヴィッド・ロングストレス、ビッグ・シーフといったアーティストたちからも大きな影響を受けてきた彼女は、最終的にそれらの影響を結びつけ、シンプルなようでいて複雑な、色彩豊かな歌を作りあげてきた。

  • 2025-07-15
  • 2025-07-15

アフリカン・ディアスポラの絆を示すKokoroko新譜『Tuff Times Never Last』

ロンドンの現代ジャズシーンを代表するグループのひとつであるココロコ(Kokoroko)が、前作『Could We Be More』(2022年)以来となる2ndアルバム『Tuff Times Never Last』をリリースした。彼らの特徴であるアフロビートとジャズの融合を基盤にしつつ、80年代の英国R&B、ネオソウル、アフリカン・ディスコ、ボサノヴァ、ラヴァーズロック、ファンクといった多様なジャンルを取り込み、前作と比してより都会的で洗練されたサウンドにシフト。穏やかでリラックスしたグルーヴが全編に流れる作品となっている。

  • 2025-06-20
  • 2025-06-20

ナームの現代ジャズ・シーンで注目される気鋭音楽家ドン・グローリ、真実を探求する新作

オーストラリア出身、現在はロンドンを拠点とするマルチ奏者/作曲家ドン・グローリ(Don Glori)の新作『Paper Can’t Wrap Fire』。アルバムは英国の独立系レーベルであるMr Bongoからリリースされており、ジャズやファンク、ネオソウル、サンバなどに影響された洗練されたサウンドと、多様な文化的背景を持った彼の個性が絡み合った、至極のグルーヴに満ちた傑作となっている。

  • 2025-06-17
  • 2025-08-25

ジャズに魅了され南米ペルーからロンドンへ。新進気鋭女性サックス奏者Allexa Nava、圧倒的才能を確信するデビュー作

南米ペルーに生まれ、ジャズに魅了され英国に移住し、トゥモローズ・ウォリアーズ(Tomorrow's Warriors)で研鑽した女性サックス奏者/作曲家アレクサ・ナヴァ(Allexa Nava)のデビューEP『No Language』は、新たなスターの出現を確信させる素晴らしい作品だった。ロンドンで隆盛を極める現代ジャズの潮流に乗りつつ、強烈な個性で僅かな“引っかかり”を確実にリスナーに与える魅力的なサウンドに彩られた、新進気鋭アーティストによる世界が注目すべき作品だ。

  • 2025-04-27
  • 2025-04-27

壮大な自然にインスパイアされた、心が洗われるシネマティック室内ジャズ。Vega Trails 新譜

Portico Quartetのベース奏者/作曲家ミロ・フィッツパトリック(Milo Fitzpatrick)率いるヴェガ・トレイルズ(Vega Trails)が、絶賛された前作『Tremors in the Static』から3年ぶりとなる待望の2ndアルバム『Sierra Tracks』をリリースした。木管奏者ジョーダン・スマート(Jordan Smart)とのデュオ編成だった前作から楽器のパレットを大きく拡げ、ピアノやドラムス、室内楽オーケストラを加えた編成で幻想的で美しい音楽を繰り広げる傑作となっている。

  • 2025-03-13
  • 2025-03-12

ヨルバ族の文化と現代UKジャズの革新的な融合。鍵盤奏者NIJIの新作『Oríkì』

ナイジェリアにルーツを持つロンドン生まれのピアニスト/作曲家/プロデューサーであるニジ(NIJI)の 新作『Oríkì』がリリースされた。自身のルーツであるヨルバ族の伝統文化や音楽をコンテンポラリー・ジャズと融合させる野心的なプロジェクトであり、その仕上がりはアフロビートの流れを汲みつつ、より現代的に洗練された彼の音楽的探求の優れた成果だ。

  • 2025-03-04
  • 2025-03-03

バーレーン系女性ジャズ・トランペット奏者、ヤズ・アハメドが切り拓くアラビック・ジャズ新境地

ロンドンを拠点に活動する女性トランペッター/作曲家のヤズ・アハメド(Yazz Ahmed)が、自身のルーツである中東の島国バーレーンの伝統的文化にインスパイアされた新作『A Paradise In The Hold』をリリースした。真珠産業に従事する労働者やアラブの女性達の強さを祝い、また数曲で自身の作品として初めて歌手とのコラボレーションも行うなど、アラビック・ジャズの新たな境地を切り拓いた作品となっている。

  • 2025-01-17
  • 2025-01-17

UKジャズ新世代アシュリー・ヘンリー、現代社会と個人の関係について考えを巡らせる新作『Who We Are』

一躍ロンドンのジャズ・シーンの中心に降り立った2019年のデビュー作『Beautiful Vinyl Hunter』から早5年。ピアニスト/作曲家アシュリー・ヘンリー(Ashley Henry)が待望の新作『Who We Are』をリリースした。幼い頃からレコードに囲まれ、自然と音楽の女神に導かれた時代の寵児による、現在進行形のUKジャズを象徴するような素晴らしい作品だ。

  • 2024-12-28
  • 2024-12-21

Música Terra が選ぶ 2024年ベストアルバムTOP10【DJ mitsu編】

好き1Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2024年のベストアルバム。基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。今年はあれこれ聴き漁るというよりは気に入った […]

  • 2024-11-16
  • 2024-11-16

ロンドン発!優れた作曲とアンサンブルで聴かせる本格派ショーロバンド、Alvorada 新譜

イギリス・ロンドンを拠点とするバンド、アルヴォラーダ(Alvorada)。5人のメンバーで構成される彼らは、ショーロを中心としたブラジル由来の高揚感溢れる音楽を現代のロンドンの視点から捉え演奏する。2019年のデビュー作『First Light』以来の2枚目となる今作『Faz Tempo』ではほとんどをオリジナル曲でまとめ、ハーモニーもリズムもより複雑に洗練され、まさにブラジルの風を運ぶような優れた作品となっている。

  • 2024-11-03
  • 2024-10-31

時代を超越する普遍的な音楽。リアナ・フローレスのメジャーデビュー作『Flower of the soul』

ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。

  • 2024-10-18
  • 2024-10-18

多文化共生の象徴的オリエンタル・ポップ、Kit Sebastian 世界へ羽ばたく3rdアルバム

従来の音楽の“常識”や“法則”を打ち破りながらも、排他的なマニアたちの溜飲を下げるだけでなく、市井の多くの人々の間でインフルエンスしそうな興味深いグループが現れた。ロンドンを拠点に活動する男女ユニット、キット・セバスチャン(Kit Sebastian)の奇妙な音楽には従来なかった新しさがあり、同時に時代を超えたノスタルジアがあり、そしてポップスの純粋な至福と安心感もある。