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アメリカ合衆国

  • 2025-08-31
  • 2025-08-31

オランダ出身の気鋭ギタリスト、オリヴィエ・ファン・ニーケルクの鮮烈なデビュー作『U2146x6』

オランダ・アムステルダム出身のギタリスト/作曲家、オリヴィエ・ファン・ニーケルク(Olivier Van Niekerk)のデビュー・アルバム『U2146x6』は、ジャズ・ギターの伝統と革新がバランスよく混ざり合った注目すべき作品だ。アルバムにはビル・フリゼール(Bill Frisell)のカヴァー(3)「Strange Meeting」を除き、全曲オリヴィエ・ファン・ニーケルクのオリジナルを収録。

  • 2025-08-26
  • 2025-08-24

よりパーソナルなテーマで挑む、リンダ・メイ・ハン・オーのコードレストリオ新作『見知らぬ天国』

マレーシア出身のベーシスト/作曲家リンダ・メイ・ハン・オー(Linda May Han Oh)の2025年新譜『Strange Heavens』がリリースされた。今作は2009年の彼女のデビュー作『Entry』以来となるコードレス・トリオ(ピアノやギターといったコード楽器を伴わないトリオ編成)に戻った作品であり、これまでも共演を重ねてきたトランペッターのアンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)とドラマーのタイショーン・ソーリー(Tyshawn Sorey)という現代ジャズ界の最高の奏者を迎え、終始スリリングな演奏が繰り広げられる聴き応え充分なアルバムとなっている。

  • 2025-08-23
  • 2025-08-24

生のアンサンブルの興奮を凝縮! 鬼才エレズ・アヴィラムがオクテットで挑戦する『ENSEMBLE』

イスラエル・プログレ〜ジャズ界隈の代表的ピアニスト/作曲家のエレズ・アヴィラム(Erez Aviram)がオクテットを率いてニューヨークで録音した新作 『ENSEMBLE』が素晴らしい。彼のピアノはもちろんのこと、管楽器も弦楽器もそれぞれが主役となる稀有なアンサンブルによって、エレズ・アヴィラムという鬼才の音楽の源泉であるジャズ、プログレ、中東音楽、各地のワールド・ミュージックの折衷的で驚きに満ちた音世界が豊かに広がる。

  • 2025-08-19
  • 2025-08-18

時間の経過とともに変化する記憶、郷愁、内省の物語。ヒライ・ゴヴリーン新譜『Every Other Now』

ニューヨークを拠点に活動するイスラエル出身のクラリネット/サックス奏者のヒライ・ゴヴリーン(Hillai Govreen)の第2作目となる新譜『Every Other Now』。同郷のベーシストであり共同プロデューサーのベン・メイナーズ(Ben Meigners)との密接なコラボレーションを通じて制作された意欲作で、彼女は主にテナーサックスを演奏し、欧州のジャズに通ずる叙情的なオリジナルをメインにその豊かな感性を披露している。

  • 2025-08-16
  • 2025-08-16

イタリアのフィルターを通し捉える、近代ジャズの普遍。Collettivo Immaginario『Oltreoceano』

1970年代のジャズ/フュージョンやスピリチュアル・ジャズから多大な影響を受けたイタリアのトリオ、コッレッティーヴォ・イマジナーリオ(Collettivo Immaginario)の2ndアルバム『Oltreoceano』。ジャズやブラジル音楽、西アフリカ音楽などのダイナミックなグルーヴを称賛する一方で、歴史的に物憂げなイタリアの古典的映画音楽や、あるいはかつて“レアグルーヴ”として掘り尽くされた同国のアンダーグラウンドなジャズ系実験音楽/前衛音楽を想起させる瞬間も多い、とても面白い作品だ。

  • 2025-07-30
  • 2025-07-29

混沌の1930年代に芽生えた希望を現代社会に重ねる先鋭ジャズ・オクテット作『For These Streets』

キューバにルーツを持つトランペット奏者/作曲家アダム・オファーリル(Adam O'Farrill)が、気鋭の女性ギタリストのメアリー・ハルヴォーソン(Mary Halvorson)や革新的な女性ヴィブラフォン奏者パトリシア・ブレナン(Patricia Brennan)らを擁するオクテットでの新作『For These Streets』をリリースした。今作は1930年代の芸術、文化、社会的背景をテーマとし、現代的な感覚で再構築を試みた作品だ。

  • 2025-07-29
  • 2025-08-02

逆境とトラウマを乗り越え、現代ジャズシーンで注目を浴びるミレーナ・カサド 話題のデビュー作

『Reflection Of Another Self』は、スペイン出身で現在はニューヨークのジャズシーンで活躍するトランペット/フリューゲルホルン奏者ミレーナ・カサド(Milena Casado)の初リーダー作。自身のアイデンティティやトラウマ、自己発見を深く掘り下げた個人的なプロジェクトであり、伝統的なジャズと実験的なエレクトロニック音楽のテクスチャーを融合させた非凡な感性で創られた繊細なアルバムだ。

  • 2025-07-25
  • 2025-07-24

レトロな雰囲気が心地よい、シカゴ発アンビエント・ジャズ。Resavoir & Matt Gold『Horizon』

シカゴを拠点とする二人のマルチ奏者/作曲家、ウィル・ミラー(Will Miller)とマット・ゴールド(Matt Gold)のコラボレーション・アルバム『Horizon』。彼らの60〜70年代のブラジル音楽への深い愛情を基盤に、そのメランコリックな雰囲気や精神性を現在のシカゴの音楽シーンの音響感覚で再解釈したものとなっている。ジャズ、アンビエント、フォーク、クラシカルといった多様な要素が融合した穏やかで瞑想的なサウンドスケープが心地よい作品だ。

  • 2025-07-21
  • 2025-07-21

シカゴ出身、マルセイユで文化の多様性を吸収したロブ・クリアフィールド、初のリーダー作

マカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)のバンドでの活躍などで知られるピアニスト/作曲家のロブ・クリアフィールド(Rob Clearfield)による初のリーダー作『Voice in the Wilderness』。ピアノトリオを中心に、いくつかの曲ではトランペット奏者イタマール・ボロホフ(Itamar Borochov)も参加し、オーセンティックなスタイルから、クラシックの影響を受けたヨーロピアンな雰囲気を持つ演奏まで、幅広いジャズを聴かせてくれる好盤だ。

  • 2025-07-11
  • 2025-07-12

NYで生まれた奇跡の魔法。アダム・ニーリー&ラウ・ノア、親密なデュオの対話が紡ぐ秘密の音楽

YouTubeでの活動などを通じて、ジャズの領域だけでなく多様なファンを獲得した人気ベーシストのアダム・ニーリー(Adam Neely)と、カタルーニャ出身で独自の現代ギター音楽を探求し、ジェイコブ・コリアーやシルビア・ペレス・クルス、シャイ・マエストロといった世界中の音楽家たちと共演するギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が、デュオによるEP『The Way Under』をリリースした。

  • 2025-07-08
  • 2025-07-07

パキスタン系米国人ギター奏者、レズ・アバシ新譜はスピリチュアル・アコースティック・ジャズ

パキスタン出身、米国育ちの熟練のギタリスト/作曲家レズ・アバシ(Rez Abbasi)の新譜『Sound Remains』がリリースされた。今作は国際的に高い評価を受けるRAAQに、ジョージア生まれのパーカッション奏者ハサン・バクル(Hasan Bakr)を加えた編成となっており、レズ・アバシが全編で弾くスティール弦のアコースティック・ギターと米国出身のビル・ウェア(Bill Ware)のヴィブラフォンをサウンドの中心に据えた、他ではなかなか味わうことの難しいジャズのサウンドを聴かせてくれる逸品だ。

  • 2025-07-04
  • 2025-07-03

シカゴのコルネット奏者/即興芸術家ベン・ラマー・ゲイ、現実の不条理に抗う新譜『Yowzers』

米国シカゴのシンガーソングライター/コルネット奏者のベン・ラマー・ゲイ(Ben LaMar Gay)が新譜 『Yowzers』をリリースした。アルバムのタイトルは驚き、興奮、喜び、あるいは時にはショックや不快感といった強い感情を表す間投詞で、日本語でいうと「おお!」「やべー!」といったニュアンスを持った英語のスラング。彼によると、このタイトルは現代社会の不条理や、環境的・社会的な課題に直面したときの感情を表現したものだという。

  • 2025-07-02
  • 2025-07-02

鬼才ジェネヴィーヴ・アルタディ新章!ビッグバンドとの共演で新たなマイルストーンを刻む『Another Leaf』

ノウワー(Knower)のヴォーカリストとして知られるSSW、ジェネヴィーヴ・アルタディ(Genevieve Artadi)が新譜『Another Leaf』をリリースした。今作はスウェーデンのノルボッテン・ビッグバンド(Norrbotten Big Band)との共演となっており、彼女の過去作からの再演曲を中心に、迫力あるアレンジが施されたジェネヴィーヴ・ワールドの新章を堪能できるアルバムとなっている。ノウワーの相棒であるドラマーのルイス・コール(Louis Cole)も半分以上のトラックで参加しており、実質的にはノウワーの新作と言ってもよい素晴らしい内容だ。

  • 2025-06-29
  • 2025-06-29

ペルシャとクルドにルーツを持つ新星SSWエラナ・サッソン、伝統文化と現代ジャズを繋ぐ美しい対話

ペルシャとクルドをルーツに持つアメリカ生まれ・スペイン在住の歌手/作曲家エラナ・サッソン(Elana Sasson)の2作目のアルバム『In Between』は、自身のルーツである中東音楽をベースに、現代ジャズやラテン、地中海音楽の要素も交えた作品。バンドはコロンビア出身のピアニスト、サンティアゴ・ベルテル、キプロス出身のベース奏者マノス・ストラティス、そしてベルギー出身のドラムス奏者ヴィクトール・ゴルトシュミットの国際色豊かなトリオ編成を中心としており、穏やかなジャズに乗せて歌う抒情詩のような美しさが印象的なアルバムとなっている。