大人気バンド、GoGo Penguin 新作EPをリリース
現代的なサウンドで人気の英国マンチェスターのジャズトリオ、ゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)の最新EP『Ocean In a Drop (Music For Film)』は、カルト的な人気を誇る1982年の映画『コヤニスカッツィ/平衡を失った世界』(Koyaanisqatsi)にインスピレーションされた作品だ。
2012年に『Fanfares』でデビューし、2014年の2nd『v2.0』で英国の権威あるマーキュリー賞の最優秀アルバムに輝くなど、その斬新なサウンドで新しいジャズファンの心を掴んできたゴーゴーペンギン。
音を聴けば、彼らが売れに売れている理由がすぐに分かる。
三者の高度なテクニックに拠る完璧なアンサンブル。
ロブ・ターナー(Rob Turner)が叩き出すドラムは強力なエンジンのように強い推進力を生む。
ニック・ブラッカ(Nick Blacka)のベースの音は太くしっかりとボトムを支え、時にグルーヴィーに弦を力強く振動させる。
クリス・アイリングワース(Chris Illingworth)のピアノの音色は明るく、複雑ながらも妙にキャッチーなメロディを紡ぎ出す。
そしてさらに聴き込んでいけば、彼らのオリジナル楽曲にはアドリブに頼らない緻密なアレンジが施されていることにも気づくはずだ。
一言でいえば、とにかくカッコイイ。典型的なジャズのピアノトリオのフォーマットで、ロックやクラブミュージックファンにとっても聴きやすい音楽を創り出す彼らが、売れない訳がない。
…かつて、e.s.t. (エスビョルン・スヴェンソン・トリオ、Esbjörn Svensson Trio)という伝説的なバンドが存在した。ピアニストの悲運の死によって彼らは解散を余儀なくされたが、今その音と志を受け継いだいくつものバンドの頂点に君臨するのが、このゴーゴー・ペンギンという可愛らしい名前のグループなのだと思う。
結局、音楽が売れるかどうかは“踊れるか、踊れないか”だ。
ゴーゴー・ペンギンの音楽は明らかに後者である。
GoGo Penguin :
Chris Illingworth (Piano)
Nick Blacka (Bass)
Rob Turner (Drums)