話題作を連発する革新的ジャズピアニストの新譜
レディオヘッドの楽曲群をカヴァーした前々作『Cómo Desaparecer Completamente』(2016年)、ダブを取り入れたミキシングなど音響的なアプローチで先鋭化した前作『9』(2017年)など、多様化する現代ジャズシーンで存在感を増してきたアルゼンチンのピアニスト、マルコ・サンギネッティ(Marco Sanguinetti)の2019年の新譜『Inmoral』がリリースされた。
今作はピアノ、ベース、ドラムスにチェロとDJを加えた珍しいバンド編成でのコンテンポラリージャズ作品となっており、前作同様に様々な音響処理が施されたジャズとなっているが、過剰にサウンドを弄るわけではなく、適度に世界観を作り上げる程度のバランス感覚となっているところが流石だ。
フィジカルでパッケージを含めたトータルデザインを楽しみたいアーティスト
アルゼンチンの首都ブエノス・アイレス出身のマルコ・サンギネッティ(Marco Sanguinetti)は2005年にアルバム『Improvisiones』でデビュー。
2013年作『Ocho』と2017年作『9』では、アルバムのパッケージデザイン部門でラテングラミー賞にノミネートされるなど、独自の音楽性のみならず作品への拘りが強いアーティストだ。
アルバムクレジット:
Marco Sanguinetti: ピアノ
Violeta García: チェロ
Migma: DJ
Ezequiel Dutil: ベース
Tomás Babjaczuk: ドラムス