現代アルゼンチン音楽のエッセンスが凝縮された良盤
アルゼンチンのSSWサンティアゴ・バラヴァーレ(Santiago Baravalle)がバンティ(Banti)名義でリリースしたソロデビュー作『Proyecciones』。Apres-midi Records から日本盤のフィジカルリリースも決まり、今話題となっている。
8曲入りのアルバムは全体的にアカ・セカ・トリオやカルロス・アギーレといった今人気のアルゼンチンの現代的フォルクローレ音楽シーンの潮流のものから、AOR的な感覚の仕上がりのものまで、楽曲の良さが特に際立つ。
特に(1)「El Mundo Va a Cambiar」はクセになる変拍子がありつつも、はっきりとしたコード感やコード進行があり歌の爽やかさとも相まって豊かな情景が目に浮かぶ名曲だ。
サンティアゴ・バラヴァーレ(Santiago Baravalle)はアルゼンチン第二の都市コルドバの出身のSSW/ピアニスト/プロデューサー。
アルバム全編にわたってサウンドの中心はサンティアゴ・バラヴァーレ自身が弾くアコースティックピアノとヴォーカルで、これがとても清涼感があって良い。今作にはコアバンド以外にも同郷出身のSSW、ロドリゴ・カラソ(Rodrigo Carazo)やアスィ(Así)のゴンサロ・サンチェス(Gonzalo Sanchez)、クララ・プレスタとのデュオアルバム『Casa』が素晴らしい出来だったコントラバス奏者フェデリコ・セイマンディ(Federico Seimandi)など総勢20名近いゲストが参加し、楽曲ごとに少しずつ違った表情を見せる。
現代のアルゼンチン音楽シーンの充実ぶりが伺える名作だ。
Santiago Baravalle – piano, vocals
Amaro Ferraris – drums
Joaquín Paniego – bass
Juan Belén – electric guitar
Ariel Maritano – electric guitar
Franco Dall’amore – acoustic guitar
Guests :
Damián Barrera – drums (2)
Matias Herrera – drums (2)
Pedro Mondejar – percussion (3, 6)
Diego Tercel – percussion (2)
Sofía Pera Lallana – percussion (2)
Federico Seimandi – contrabass(2)
Mono Banegas – bass (8)
Germán Fanzini – bass (4)
Julieta Baravalle – vocal, chorus (2, 6)
Rodrigo Carazo – vocal, chorus (5)
Sofía Bonessi – chorus (7)
Clara Agüero – chorus (7)
Gonzalo Sanchez – electric guitar (1), chorus (4)
Franco Vittore – electric guitar (7)
Joaquín Galván – electric guitar (8)
Emilio Servato – sitar (8)
Manque Medina – clarinet (5, 6)
Luciano Luque – flute (5, 6)