超絶技巧の若き天才ギタリスト、タル・アルディティ 待望の2ndアルバム

Tal Arditi - Colors

若き天才ギタリスト、タル・アルディティ新譜は圧巻のギタートリオ作

1998年イスラエル生まれ。今年はブラジルを代表する歌手/クリエイターのダニ・グルジェル(Dani Gurgel)率いる多国籍バンド、サンパウロ・パニックにも参加した最も注目される新世代のギタリスト、タル・アルディティ(Tal Arditi)が自身のギタートリオで2ndアルバムをリリースした。

タル・アルディティは本作『Colors』で鉄弦のアコースティックギターや、様々なエフェクターを駆使したエレクトリック・ギターを演奏。スイス・チューリッヒを拠点とする1993年生まれのベーシスト、ルカス・トラクセル(Lukas Traxel)と、前作『Portrait』でも共演した長年のパートナーであるドラマー、トビアス・バックハウス(Tobias Backhaus)とともにテクニックと芸術性を兼ね備えた個性的なトリオで魅惑の音楽を聴かせてくれる。

ラストの(10)「Heartache」はソロ演奏だが、その他の楽曲はトリオの三位一体の掛け合いが最高に楽しい。演奏の自由度は高く、フリージャズ的な展開を見せる場面もありスリリングだ。タル・アルディティのフレージングや独特のタイム感、音色の選び方、そしてバッキングも若干22歳の若者とは思えないセンスに溢れており、ジャズギターの新たな時代の到来を予感させる素晴らしい作品になっている。

(4)「Eli」のライヴ演奏動画。
アコースティック・ギター一本で聴かせる超絶技巧。

タル・アルディティ 略歴

タル・アルディティはイスラエル出身のギタリスト/作曲家。ジャズ、ロック、クラシック音楽からの影響をブラジルのリズムと融合させた個性的なサウンドが特徴的。

18歳でイスラエルのリモン音楽学校を卒業してすぐにドイツ・ベルリンに移住。すぐに天才的ジャズギタリストとして名声を得、ヨーロッパ各地のクラブやフェスティバルで演奏をするようになった。

2018年にアルバム『Portrait』でデビュー。2020年にはドイツのジャズフェス「Jazzahead」で出会ったブラジルのシンガー、ダニ・グルジェル(Dani Gurgel)らと共に国籍を超えた6人組バンド「サンパウロ・パニック」に参加、アルバム『São Paulo Panic』をリリースしている。

Tal Arditi – guitar
Lukas Traxel – bass
Tobias Backhaus – drums

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