米国で人気急上昇中、ジャズポップバンド「Sammy Rae & The Friends」

Sammy Rae - Let's Throw a Party

大きな可能性を秘めたサミー・レイと彼女のバンド

1995年生まれのシンガーソングライター、サミー・レイ(Sammy Rae)を中心とするバンド、Sammy Rae & The Friends の音楽がとても良い。
2018年にEP『The Good Life』でデビュー、2021年に『Let’s Throw a Party』をリリースしているが、カントリーやフォークをベースに現代的なジャズやラテン音楽の影響も感じさせるポップな音楽性には既に風格が漂う。

バンドの音楽性はジャズポップ(Jazz-Pop)とも評されており、高い作曲能力、成長や反抗、自己実現を描いた詞世界、アレンジや演奏技術、歌唱力、表現力など多くの要素を高い水準で備えた本格派として人気となっているようだ。

ジョニ・ミッチェルの「All I Want」やワム!の「Last Christmas」のカヴァーでサミー・レイの音楽的ルーツを窺い知ることができるが、米英の偉大なシンガーソングライターの系譜を継ぎつつ自身の表現を追求するサミー・レイの個性は既に確立されており、サックスやトランペット、ラテンパーカッションなどに彩られたバンドサウンドに乗せて歌う彼女の真っ直ぐな歌を聴くと心が解き放たれるような感覚になる。
彼女が大きな影響を受けたというブルース・スプリングスティーンのEストリートバンドはもっと若者らしい青さや泥臭さがあったが、サミー・レイは彼女自身のチャレンジ精神や未熟さは表には出さず、より洗練された印象が強い。

(2)「Jackie Onassis」で聴かせるジャズ、ラテン、R&Bのグルーヴも、(3)「Living Room Floor」での弾き語りたくなるようなフォーク&ポップも彼女の多面性のひとつの側面にすぎない。バンドの正式メンバーである二人の女性バッキング・ヴォーカリストは音楽にソウルをもたらす。豊かな音楽に育まれてきたサミー・レイと彼女のバンドはインスピレーションに満ちており、まだまだ大きな可能性を秘めているように思う。

パーティーの雰囲気が楽しい(5)「Let’s Throw a Party」。
ワンカットでミュージカル風に仕立てられたMVも凝っている。

コネチカット州の小さな町から世界に羽ばたく才能

サミー・レイ、本名サマンサ・バウワース(Samantha Bowers)はコネチカット州ダービー生まれ。幼少期からピアノを習い、ブルース・スプリングスティーン、フリートウッド・マック、ビリー・ジョエル、フレディ・マーキュリーらの音楽を聴きながら育った。12歳から作曲を始め、16歳の頃にはエラ・フィッツジェラルド、エタ・ジェイムズ、サラ・ヴォーンなどのジャズに傾倒。
19歳で音楽の道へ進むためにニューヨークに移り、ギグを重ね、そこで知り合ったミュージシャンたちと自身のバンド「サミー・レイ&ザ・フレンズ」を結成。2018年にバンドとして最初のEPをリリースして以来全米各地での公演はソールドアウトを連発、南アメリカでもツアーを行い、SpotifyとApple Musicでも1000万回以上の再生回数など成功への急な登り坂を一気に駆け上がっている。

人気拡大中の Sammy Rae & The Friends だが、彼女らはファンのことを「Friends」と呼ぶ。
ニューヨークから広がったFriendsの輪は米国を飛び越え、いま、世界中に大きく広がりつつある。

(4)「Creo Lo Sientes」のライヴ動画。
一部でスペイン語のヴォイスも担当するドラマー、サンティアゴ・チリボガ(Santiago “C-bass” Chiriboga)によるラテン系のリズムもバンドサウンドの肝になっている。

Sammy Rae & The Friends :
Sam Bowers – vocals
Will Leet – guitar
Santiago Sebastian “C-bass” Chiriboga – drums, percussion, voice
Dave Zerio – keyboard, organ
James Quinlan – bass
Anton Serrats – bass
Kaya Kulu – vocals
Myra Moon – vocals
Chase Potter – saxophone
Jimmy Rose – trumpet

Sammy Rae - Let's Throw a Party
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