スーパーベーシスト、モヒニ・デイ最新作!強烈な印象を残すプログレッシヴ・ジャズロック

MAMOGI - MaMoGi II

MaGoGi 2ndアルバム『MaMoGi II』

米国ロサンゼルス出身、現在はインドに移住したサックス奏者/作曲家マーク・ハートサッチ(Mark Hartsuch)と、彼の妻でありインド出身の世界的なベース・ヒロインであるモヒニ・デイ(Mohini Dey)、そしてモヒニと長年音楽活動を共にしてきたインド出身のドラマー、ジーノ・バンクス(Gino Banks)によるプログレッシヴ・ジャズロック・トリオ、マモジ(MaMoGi)が新作『MaMoGi II』をリリースした。トリオのデビュー作『Mamogi』(2023年)から2年、今作でも強固でパワフルで超絶的なバンドサウンドを聴かせてくれる好盤となっている。

(1)「Rise to Fall」〜インタビュー〜(7)「Raftaar」

MaMoGiのプロジェクトは、モヒニ・デイがマーク・ハートサッチと結婚し、マークがインドに移住してから始まった。マーク・ハートサッチはジャズ・サックス奏者だったが、彼がモヒニが演奏している様々なプログレッシヴ・ロックの音楽に興味を示し、“ギターの役割をサックスが担う”という提案によりバンドが始まった。バンド名は彼ら3人のファーストネームの最初の母音と子音を繋げただけのシンプルなもので、プロモーションよりも音楽そのものを重視する彼らの姿勢が表れている(ジャケットには何故か日本語のカタカナが併記されているが、実際の発音と異なる表記となっているのはご愛嬌)。

こうして出来上がったバンドの音は、従来のプログレッシヴ・ロックとは似て異なる独特の質感を生み出した。マークのサックスは獰猛で、中高域のフレーズやソロの領域では確かにギターの役割を果たしている。ただ、サックスでは楽器の特性上どうしても難しい和音に関してはキーボードやギターを加えることでカヴァーしており、結果的にはやはりサックス/ギター/ドラムスの編成だからこそ可能な斬新なサウンドを生み出していると言える。

ドラマーのジーノ・バンクスとモヒニの音楽的な関係は、モヒニが11歳の頃に始まった。二人はポップス、ファンク、ジャズ、カルナティックなど様々なジャンルの音楽で演奏を共にし、リズムセクションとしての互いの呼吸を深めてきた。今作においてもこのコンビは鉄壁で、ベースとドラムスの相性がいかに重要であるかを示している。

アルバムの曲はすべてマーク・ハートサッチの作曲。いずれも演奏には相当に技巧を要求するものだが、モヒニとジーノは勿論これに軽々と応える。ジャズやプログレに留まらず、カルナティック音楽((8)「Painted Faces」に顕著)も取り入れた強烈なサウンドは、なかなか他にはない唯一無二の視聴体験をもたらしてくれる。

MAMOGI :
Mark Hartsuch – saxophone
Mohini Dey – electric bass
Gino Banks – drums

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