オーガニック・エレクトロニカの魅力を凝縮。Hajna & Mina Shankha デビューEP『Fluyen Colores』

Hajna & Mina Shankha - Fluyen Colores

魅惑のオーガニック・エレクトロニカ、Hajna & Mina Shankha

過去リリースされた「Muocalé」が著名なコンピレーション・アルバム『Buddha-Bar』に収録されたり、「Aspetterò」がジョルジオ・アルマーニのCMに起用されたりと静かに注目を浴びるフランスを拠点とする男女デュオ、ハジュナ&ミナ・シャンカ(Hajna & Mina Shankha)のデビューEP『Fluyen Colores』がリリースされた。オーガニック・エレクトロニカを基調とした魅力的なサウンドで、瞑想的なリスニング体験を生み出す優れた作品だ。

デュオはプロデューサー/マルチ器楽奏者のハジュナ(Hajna, 本名:Damien Carissimo)と、シンガーのミナ・シャンカ(Mina Shankha, 本名:Marina Galliot)で構成されている。EPはネイティヴ・アメリカンのラコタ族の祈りの歌とされているが起源不明ともされる伝統曲である(5)「He Yama Yo」を除き、デュオのオリジナルで、とりわけ欧州のロマ(ジプシー)文化や南米音楽に強くインスパイアされた曲調が印象的だ。

(1)「Pintura」は感情に訴えかけるシンプルで原初的かつ美しい短調のコード進行や、生演奏による弦楽器やサクソフォンも相まって得も言われぬエモを醸し出す楽曲で、彼らの世界観への完璧な導入となる。歌詞は主にスペイン語で内省を促す内容となっており、人生をキャンバスに見立て、無限の可能性というテーマを描く。リスナーを“人生を絵画のように彩る”精神的な招待状のように導き、変化する世界での美の共同創造を促すメッセージが込められている。

(1)「Pintura」

明らかなのは、彼らの楽曲は毒にも薬にもならない単に“アンビエント”なものではないということ。
明確なサウンド・コンセプトやラテン語での表現には主張があり、それはヴォーカルだけでなくサウンドの細部にも顕著に顕れている。

内省的でスピリチュアルな雰囲気と、エレクトロニックと伝統的な要素のブレンドのバランスに優れた、注目のグループ/作品だ。

Hajna & Mina Shankha - Fluyen Colores
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