CATEGORY

Brasil

ブラジル音楽

  • 2026-03-06
  • 2026-03-05

異なる音楽史を歩んだヴァイオリンとハベッカを再び統合しようとする、“ブラジルの弓”プロジェクト

7年の音楽的パートナーシップを経て、ヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)とヴァニーユ・ゴヴァールツ(Vanille Goovaerts)のヴァイオリン・デュオ作『Arcos Brasileiros』が発表された。二人は曲ごとに起源を共有する二つの弦楽器──ヴァイオリンとハベッカ──を使いわけ、文化的にふたつの楽器を分け隔てなく再統合しようとする。

  • 2026-03-03
  • 2026-03-02

21世紀のジャズ・ヒロイン、アンドレア・モティスの音楽的集大成『Intimate』

サン・アンドレウ・ジャズバンド出身のトランペット奏者/シンガーのアンドレア・モティス(Andrea Motis)の2026年新譜『Intimate』は、彼女の音楽的ルーツであるフォーク、R&B、ジャズ、そして特にブラジルの音楽たちを、ギタリストとのデュオで淑やかに演奏する親密な作品だ。1曲を除きカヴァーとなっており、幅広いジャンルからの選曲は、10代の頃から華やかな活躍で注目されてきた彼女の音楽的な集大成と言えるだろう。

  • 2026-02-28
  • 2026-02-28

リオ新世代SSWレオ・ミデア、遠きプーリアから届けるブラジル音楽の鼓動

ブラジル出身、2014年のデビュー後にヨーロッパに移住し、現在はスペインのバルセロナを拠点とするシンガーソングライター、レオ・ミデア(Leo Middea)が6枚目のスタジオ・アルバムとなる『Notícias de Puglia』をリリースした。「プーリアからの便り」のタイトルが示すのは、旅を続ける彼らしい、故郷ブラジルへのサウダーヂの想いだ。

  • 2026-02-15
  • 2026-02-11

スコットランドのピアニスト、ポール・ハリソンによるエグベルト・ジスモンチ再解釈『Encontros』

スコットランドのピアニスト、ポール・ハリソン(Paul Harrison)の2025年新作『Encontros』は、彼が敬愛してやまないブラジルの巨匠エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)曲集だ。アルバムはジスモンチ本人が「独創的で優美で、自由な遊び心がある」と絶賛。総勢8名のミュージシャンによる様々な編成によって、彩り豊かに繰り広げられる音楽の世界を堪能できる作品となっている。

  • 2026-02-10
  • 2026-01-29

南米文化に感化されたフランス発ブラジリアン・ジャズ集団Sapocaya、自然への敬意を込めたデビュー作

フランスを拠点に活動するブラジリアン・ジャズ・コレクティヴ、サポカヤ(Sapocaya)。大編成のバンドが織りなすサウンドは、ブラジルの豊かな伝統音楽を土台に、ジャズの即興性とアフロ・カリビアンの躍動するリズムも融合させた、まるで生命の鼓動のような活き活きとしたエネルギーに満ちている。2025年末に待望のリリースを迎えた初のフルレンス・アルバム『Elementos』は、アマゾンの先住民族の叡智から着想を得た傑作で、自然界の四元素(地・風・火・水)をテーマに、リスナーを神秘的な旅へと誘う素晴らしい作品だ。

  • 2026-01-30
  • 2026-01-29

ブラジルを代表するギタリスト3人によるガロート曲集『Paulo Bellinati trio toca Garoto』

ブラジル音楽の発展に多大な影響を与えたギタリスト/マルチ弦楽器奏者であるガロート(Garoto, 本名:Aníbal Augusto Sardinha, 1915 - 1955)の没後70年を記念し、ブラジルを代表する3人のギタリストが集い、そのタイムレスな魅力を発信するプロジェクト『Paulo Bellinati trio toca Garoto』。主にスティール弦の6弦ギターを弾くパウロ・ベリナーチ(Paulo Bellinati)、ナイロン弦の6弦を弾くダニエル・ムハイ(Daniel Murray)、そしてナイロン弦の7弦を弾くスワミ・ジュニオール(Swami Jr)によるトリオが、新たなアレンジを加えてガロートの歴史的な楽曲群に再訪する。

  • 2026-01-20
  • 2026-01-20

新作はなんと”ボサノヴァ”!? ブラジルのポップスター、ルイーザ・ソンザが時代を超える歌を歌う

ブラジルの人気ポップ歌手ルイーザ・ソンザ(Luísa Sonza)の新作が話題となっている。アルバムは2026年1月13日にリリースされた直後、24時間以内にiTunes BrasilとApple Musicで1位。ポルトガルでトップ10、アルゼンチン、パラグアイ、アンゴラ、モザンビーク、トルコでも上位に入るなど世界的な注目を集めている。

  • 2026-01-17
  • 2026-01-16

ブラジルの豊かな文化に寄り添う叙情的な傑作。マヌー・サッジオーロ『AMA』

ブラジル・サンパウロ州出身のシンガーソングライター、マヌー・サッジオーロ(Manu Saggioro)の2ndアルバム『AMA』。ブラジル・ラジオ文化賞(Rádio Cultura Brasil)を受賞した前作『Clarões』(2019年)に引き続きセウマール(Ceumar)が音楽監督を務め、パーカッションでアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)が全面参加しており、自然やスピリチュアル文化を音楽の基底に据えた、詩情豊かで穏やかな素晴らしいアルバムに仕上がっている。

  • 2026-01-10
  • 2026-01-10

多文化の狭間で生きる葛藤を生々しく音楽表現に変換。新世代鬼才ギタリスト、ルイ・マトゥテ 5th

2026年、最初の要注目作品のひとつだと全力で推したい。スイス・ジュネーヴ出身のギタリスト/作曲家ルイ・マトゥテ(Louis Matute)の第5作目となるアルバム『Dolce Vita』は、自身のルーツであるホンジュラスや音楽的な最大の影響源のブラジルの文化、ジャズのアイディアや技巧、70年代風のサイケロックなどの影響が繊細に絡み合った極上のタペストリーのような傑作だ。

  • 2026-01-09
  • 2026-01-08

ブラジルの歌姫ホベルタ・サーが20年のキャリアを振り返り、永遠のサンバを歌い継ぐ

デビューから20年のキャリアを祝うプロジェクトとして、ブラジルを代表する歌手ホベルタ・サー(Roberta Sá)が新作『Tudo Que Cantei Sou』をリリースした。ヴィオラォン(ガットギター)とバンドリンのみという最小限の編成ながら充実したサンバのグルーヴを生み出す二人の器楽奏者をバックに、その真っ直ぐに伸びる美しい声で、彼女の音楽的な原点に立ち返ったような魅力的な歌を聴かせてくれる。

  • 2026-01-03
  • 2026-01-03

ファンキ・カリオカをポップにし、お茶の間にも広めた伝説的デュオ「クラウヂーニョ&ブシェッシャ」の全ディスコグラフィー|『僕らの夢〜ファンキ・カリオカ〜』をブラジル映画祭+ で日本初公開

 クラウジーニョ&ブシェッシャ(Claudinho & Buchecha)のファンキ・カリオカは、Funk Melody(ファンキ・メロディ)、またはFunk Melodia(ファンキ・メロヂア)と呼ばれた。一言で言えば、過激さを抑え、ロマンチックな歌詞と歌えるメロディを重視した、ポップなファンキだった。ファンキは、当初、社会への怒りや過激な性を歌うものが多く、中産階級やメディアからは「危険な音楽」として敬遠されていた。
 しかし、DJマルボロらがプロデュースを行い、より親しみやすい「ファンク・メロディ」が登場すると状況が一変した。クラウジーニョ&ブシェッシャはその変化の中心にいた。ファンキ・カリオカのビートに乗って「愛」を歌うことで、ファンクは危険なものから「ブラジル全土のポップミュージック」へと進化した。これにより、ファンクはラジオやテレビで放送される市民権を得た。そんな歴史的背景を踏まえながら、クラウジーニョ&ブシェッシャの全ディスコグラフィー(オリジナルアルバム5作とライヴアルバム1作)と代表曲を紹介したい。

  • 2026-01-01
  • 2025-12-31

ジルベルト・ジルの孫娘フロール・ジル16歳、極上のデビュー作『Cinema Love』が素晴らしい

2009年生まれの16歳。ブラジル・リオデジャネイロ出身のシンガーソングライター、フロール・ジル(Flor Gil)のデビュー作『Cinema Love』が素晴らしい。囁くような声で、日常の中にある感情の繊細な揺れを独自の視点で情緒豊かに歌うさまは、すでに成熟の域に達している。彼女の内面にある憧れや愛情といった感情を深く探求したいという欲求が、映画的な手法で表現されたものが今作の本質だ。

  • 2025-12-31
  • 2026-01-02

マリア・ベターニア|バイオグラフィー|ブラジルの運命を詠う「女王蜂」 — その全生涯、芸術、そして神秘

「ブラジル映画祭+ 」で上映される『2月のために~マリア・ベターニアとマンゲイラ〜』。本作は「単なる歌手の伝記ではなく、ブラジルの文化的・精神的な深層を探る旅となる」であるが、マリア・ベターニアがブラジルにおいて如何に評価されてきた歌手かという点は、大きく省略されている。しかしながら、日本での上映となるとマリア・ベターニアのことをあまり知らない方にも観て欲しいし、映画への理解を深めて欲しい。本稿では、彼女のキャリアそのものを紹介する。