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Brasil

  • 2024-06-06
  • 2024-06-06

ブラジルを代表する名手たちによる至高のクインテットを堪能。マルタ・カラサワ『Tempo Bom』

ブラジル・サンパウロのピアニスト/作編曲家マルタ・カラサワ(Marta Karassawa)がブラジルを代表する名手たちを擁するクインテットで録音した『Tempo Bom』。クインテットのメンバーはピアノのマルタのほか、フルート/サックスのテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)、トランペット/フリューゲルホルンのセヂマール・ヴィエイラ(Sidmar Vieira)、ベースのドイツ出身サンパウロ在住フランク・ハーツバーグ(Frank Herzberg)、そしてドラムスのゼー・エドゥアルド・ナザリオ(Zé Eduardo Nazário)という構成で、いずれも長年ブラジルのジャズの第一線で活躍する凄腕だ。

  • 2024-06-04
  • 2024-06-04

コロンビアのSSW、Aristi ソロ4作目は素朴な味わいのクンビア・アルバム

コロンビア・マニサレス出身のシンガーソングライター、アリスティ(Aristi)の新作『En busca del flow perdido』。クンビアを基調とし、優しく温かみのある声や素朴な楽曲構成、適度に緩いライヴ感のあるギターやパーカッション、管楽器などの演奏もなんとも言えず素敵で味わい深い。アルバムのタイトルはスペイン語で「失われた流れを求めて」の意味で、今作のルーツ回帰志向を象徴する。

  • 2024-06-02
  • 2024-06-02

どうしようもなくクレイジーな異端サンバジャズ。鬼才アントニオ・ネヴィス『Deixa Com a Gente』

ブラジルのトロンボーン/ドラムス奏者アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)が新作『Deixa Com a Gente』をリリースした。ある種の狂気やカオスを感じさせた前作『A Pegada Agora É Essa (The Sway Now)』の要素もほのかに残しつつ、全体的にはサンバやショーロの感覚が大幅に強化された作品となった。

  • 2024-05-30
  • 2024-05-30

エルメート・パスコアール。唯一無二のレジェンドが四半世紀前に他界した最愛の妻に宛てた最後の手紙

ブラジルのレジェンド、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)が亡き最愛の妻に宛てた新作『Pra você, Ilza』(イルザ、あなたのために)をリリースした。アルバムには妻が亡くなる直前の1999年〜2000年に彼女のために書かれたものをゼロからアレンジした楽曲群が収録されている。自身のグルーポを率い、音楽的にはエルメート・パスコアールらしさが全開の最高に楽しい作品だが、人生を寄り添い続けた妻へのエピソードと現在の彼自身の87歳という齢を考えるとなんとも感慨深いものが感じられる。

  • 2024-05-28
  • 2024-05-27

アミルトン・ヂ・オランダとC4 Trio、ラテングラミー常連の2者がコラボ!南米音楽を巡る豊かな旅

ブラジルのバンドリン名手アミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)と、ベネズエラのクアトロを中心とした弦楽器グループC4トリオ(C4 Trío)。ともに2022年のラテングラミー賞でノミネートされ、授賞式で席を共にした両者が初のコラボ作品『Tembla』をリリースした。一括りにラテン、ブラジル、そしてジャズが混ざり合ったアルバムというのは簡単だが、ここには驚くほどに豊かなカリブ海や南米、そしてスペインの音楽文化が凝縮されている。

  • 2024-05-26
  • 2024-05-26

ジスブランコのクラウヂア、ブラジルの伝説的音楽家シヴーカを再解釈。マルコス・スザーノも参加!

ビアンカ・ジスモンチとのデュオ“Gisbranco”の活動などで知られるピアニスト/歌手のクラウヂア・カステロ・ブランコ(Claudia Castelo Branco)の新作『Viva Sivuca』は、その名のとおりブラジルを代表する音楽家シヴーカ(Sivuca)へのトリビュート・アルバムだ。楽曲は単なるシヴーカのありきたりなカヴァーではなく、クラウヂアによって原曲の良さを活かしつつ新たな解釈が加えられており、とても聴きごたえのある作品となっている。

  • 2024-05-22
  • 2024-05-22

バンドは“創造的シエスタ”へ──。フランシスコ・エル・オンブレのラスト・アルバム

ブラジルのミクスチャー・バンド、フランシスコ・エル・オンブレ(Francisco, el Hombre)の新作『Hasta El Final』がリリースされた。バンドは今年3月7日に彼らが”クリエイティヴなシエスタ(siesta criativa)”と呼ぶ無期限の活動休止に入ることを発表しており、これが最後のアルバムとなる。ゲストとしてレニーニ(Lenine)、パト・フ(Pato Fu)、マルチナリア(Mart'nalia)といったブラジルを代表するアーティストも参加しており、まさしく集大成的な音楽を作り上げている。

  • 2024-05-15
  • 2024-05-15

孤高の天才サンドロ・ハイキ。あらゆる楽器を演奏し、たった独りで創り上げた別次元のアルバム

ブラジル・サンパウロ出身のマルチ器楽奏者/作編曲家のサンドロ・ハイキ(Sandro Haick)の2024年新譜『Gratitude』。ブラジルの伝統的なリズムとジャズ、プログレッシヴ・ロックが絡み合う素晴らしい作品で、アジアや中東の楽器をも取り入れた多彩な音楽表現に一種の凄みすら感じさせる作品だ。そして何よりも驚くべきは、これらのオリジナリティに溢れた素晴らしい音楽を、サンドロ・ハイキがたった一人で創り上げているということだ。

  • 2024-05-14
  • 2024-05-22

内省的な“祈り”をテーマに、自己の深層を探求するミナスの個性派SSWルイーザ・ブリーナ新作

ブラジル・ミナスジェライス州の鬼才SSW、ルイーザ・ブリーナ(Luiza Brina)は、10年以上の歳月にわたり「Oração」(祈り)と呼ぶ一連の譚詩曲を創作してきた。その一部は彼女の過去作『Tão Tá』や『Tenho Saudade Mas Já Passou』にも収録されてきたが、2024年リリースの今作『Prece』はついに全編が「Oração」となり、ルイーザ・ブリーナの全てを曝け出すようなアーティスティックの極致のような作品となった。

  • 2024-05-10
  • 2024-05-04

ブラジル音楽への愛情が未来志向を伴って表現された傑作。Pietá 3rd『Nasci no Brasil』

ブラジルの男女3人組バンド、ピエタ(Pietá)の新作『Nasci no Brasil』は、実にブラジルらしい生命力が躍動する作品だ。”ブラジルに生まれた”とタイトルで力強く宣言する音楽作品で、彼らは近年のこの国を覆う逆進的で間違った愛国心ではなく、文化的な豊かさから来るブラジルの誇りを力強く歌う。

  • 2024-05-03
  • 2024-05-01

現代ブラジル音楽を代表するSSW、セウ 5年ぶりのオリジナル・アルバム『Novela』

ブラジルを代表する女性シンガーソングライター、セウ(Céu)がオリジナルアルバムとしては5年ぶりとなる新作『Novela』をリリースした。トロピカリアの流れを汲み、MPBやロック、レゲエなどを取り入れたセウらしい柔軟なサウンドの作品で、ノスタルジックと洗練が混ざり合った耳障りがなんとも心地良いアルバムだ。

  • 2024-04-30
  • 2024-04-28

優しい肌感の極上シンセポップ、クリチバの3人組Tuyo新譜。アルトゥール・ヴェロカイも参加

2016年にブラジル・パラナ州クリチバで結成された未来派フォーク・ポップバンド、トゥイオ(Tuyo)が3枚目のアルバム『Paisagem』をリリースした。ジョカ(JOCA)、アルトゥール・ヴェロカイ(Arthur Verocai)やルエジ・ルナ(Luedji Luna)のゲスト参加も特筆すべき、極上のサウンドを楽しめるアルバム。

  • 2024-04-23
  • 2024-04-23

リオのSSWベルナルド・ヂニス、詩人パウロ・セザール・ピニェイロと共作の穏やかな歌曲集

ブラジル・リオデジャネイロのSSW、ベルナルド・ヂニス(Bernardo Diniz)が初のソロ名義のアルバムとなる『Saída de Casa』をリリースした。これまでにイアラ・フェレイラ(Iara Ferreira)との『Bené e Iaiá』(2015年)、ロナウド・ゴンサウヴェス(Ronaldo Gonçalves)との『O Samba Vai Durar』(2017年)とデュオ名義で作品をリリースしているが、今作はブラジルを代表する詩人パウロ・セザール・ピニェイロ(Paulo Cesar Pinheiro)との共作で10曲のオリジナルを収録。