• 2024-11-20
  • 2024-11-19

女性ベーシスト/SSWエレン・アンドレア・ワン、気鋭ギタリスト擁する話題のトリオ第二作

ノルウェーの女性ベーシスト/歌手/作曲家エレン・アンドレア・ワン(Ellen Andrea Wang)が、2019年以来活動の軸としているロンドンのギタリストのロブ・ラフト(Rob Luft)とスウェーデンのドラムス奏者ヨン・フェルト(Jon Fält)とのトリオによる第二作目『Closeness II』をリリースした。

  • 2024-11-19
  • 2024-11-19

伊巨匠エンリコ・ピエラヌンツィ、若き俊英フルート奏者率いるトリオとの共演新譜『Heroes』

イタリアの巨匠ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が、同国の若き俊英フルート奏者アルド・ディ・カテリーノ(Aldo Di Caterino)との共演作『Heroes』をリリースした。アルバムにはバンドのメンバー4人それぞれが持ち寄ったオリジナルが収録され、イタリアを代表するベテランと若手トリオという世代を超えた素晴らしいジャズ・アンサンブルを楽しむことができる好盤となっている。

  • 2024-11-17
  • 2024-11-17

イスラエルの気鋭女性ピアニスト、Stav 世界観をより深化させた現代ジャズで魅せる新作

初リーダー作『Plastic Cocoon』(2020年)から4年、イスラエルの才能溢れるジャズ・ピアニスト/作曲家スタヴ・アハイ(Stav Achai)の待望の新作『Tears in Colours』がリリースされた。今作でも彼女の音楽はジャズの領域に留まらないポップで新鮮な感覚に満ち、さらにサウンドもアレンジも前作からさらなる進化を見せ、その創造的なオリジナリティをより確信的にした。世界が彼女を“発見”するのも時間の問題だろう。

  • 2024-11-13
  • 2024-11-13

魔法のようなコントラバスと声のジャズ。ルノー・ガルシア=フォン父娘が魅せる『Blue Maqam』

フランスのベース奏者、ルノー・ガルシア=フォン(Renaud Garcia-Fons)の2024年新譜『Blue Maqam』は、娘でシンガーのソレア・ガルシア=フォン(Solea Garcia-Fons)をフィーチュアしたカルテットによってアンダルシアからアナトリアに至る地中海周辺音楽、さらには中東やインドまでの種類豊かな音楽を独自のベースを軸に表現する優れたアルバムだ。

  • 2024-11-12
  • 2024-11-12

最高の歌手シルビア・ペレス・クルスが最高のギター奏者フアン・ファルーと奏でる至福の南米音楽

スペインを代表する歌手シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)の新作『Lentamente』は、アルゼンチン最高のギター弾きのひとりであるフアン・ファルー(Juan Falú)との至上のデュオ作品となった。多くがアルゼンチンの作曲家たちの名曲のカヴァーで、一部にはブラジルの音楽、そして二人のオリジナルも1曲ずつ収録されている。

  • 2024-11-10
  • 2024-11-09

カタルーニャの印象派ピアニストが綴る“モンポウへの再訪”

音楽の価値をその売上や再生回数で測ろうとするとき、フェデリコ・モンポウの初期作品『内なる印象』のまるまる全曲をピアノトリオでジャズアップして売り出したいという企画を提案すれば、おそらくそれは即却下となるだろう。極端に内気な性格故にその人生や作品にはほとんど光が当たらず、マニアを除いて語られる機会も少ないこの地味な作曲家が残した地味な曲たちは、今日でも殆ど顧みられることがない。

  • 2024-11-09
  • 2024-11-08

イランのピアニスト、ハムゼ・イェガネ。独創的なペルシアン・ジャズで見せる濃厚な音楽世界

ペルシアン・ジャズの雄、イラン・テヘラン出身のピアニスト/作曲家ハムゼ・イェガネ(Hamzeh Yeganeh)の新譜『Hand in Hand』がリリースされた。基本的にピアノトリオ編成で、エレクトリック・ベースのイディン・サデグザデ(Idin Sadeghzadeh)、ドラムスのアミン・タヘリ(Amin Taheri)とともに奏でるペルシャの伝統音楽を取り入れた独創的なジャズ・フュージョンは、なかなか他では聴けない楽しさがある。

  • 2024-11-08
  • 2024-11-06

祖国の危機に想いを馳せるドラマー、ファビオ・ロハス 緊張感に満ちた圧巻のジャズ『Perseverance』

ベネズエラから米国に移住し、ニューヨークで活動するドラマー・作曲家ファビオ・ロハス(Fabio Rojas)の初リーダー作『Perseverance』。アルバムのタイトルは英語で“忍耐力”だが、彼が好むスペイン語の“el que persevera, vence”(耐え忍ぶ者が勝つ)という諺からインスパイアされたものであり、これは祖国ベネズエラの混迷を極める独裁的な政治への言及と、個人的な葛藤の想いを反映したものとなっている。

  • 2024-11-06
  • 2024-11-06

欧州ジャズ新世代最高のカルテット誕生! チェロ奏者アデル・ヴィレ、創造性を発揮したデビュー作

フランスのチェロ奏者/作曲家アデル・ヴィレ(Adèle Viret)のデビュー・アルバム『Close to the Water』が素晴らしい。チェロ、トランペット、ピアノ、ドラムスというジャズの編成としては珍しいフォーマットで、混ざり合う地中海周辺の世界の“今”を体現するような複雑さと美しさが織り重なる。

  • 2024-11-03
  • 2024-10-31

時代を超越する普遍的な音楽。リアナ・フローレスのメジャーデビュー作『Flower of the soul』

ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。

  • 2024-11-02
  • 2024-11-02

変幻自在のイスラエルジャズ!最高峰ベーシスト、アヴィシャイ・コーエン 独自の感性で魅せる新譜

イスラエル・ジャズを象徴する存在であるベーシスト/作曲家のアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が、近年の活動の集大成ともいえる新譜『Brightlight』をリリースした。レギュラートリオであるロニ・カスピ(Roni Kaspi, ds)とガイ・モスコヴィッチ(Guy Moskovich)との演奏を軸に、ほかにも10名近いミュージシャンを迎え、独創的なコンポージングと豪快なアップライトベース演奏から生み出される彼独自の圧倒的なジャズを展開する。

  • 2024-11-01
  • 2024-10-31

ジューイッシュ・ジャズの象徴ダニエル・ザミール、SSWとしての新章を告げる新譜

ダニエル・ザミール(Daniel Zamir)といえば、イスラエルの現代ジャズシーンを代表するソプラノサックス奏者として世界に広く知られていることに疑念の余地はない。その音楽観は非常に個性的で、彼は2000年代以降一種のムーヴメントとなった所謂“イスラエル・ジャズ”勢の中でも突出してユダヤの伝統に強くインスパイアされた“ジューイッシュ・ジャズ”の音を鳴らし続けてきた。