• 2025-12-19
  • 2025-12-19

ユダヤ伝統をグローバルと接続する。ピアニストのヨタム・イシャイ新作『Singing of The Herbs』

イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヨタム・イシャイ(Yotam Ishay)が、8ヶ国から23人のミュージシャンを招き、伝統的なユダヤ音楽をベースに、ジャズを通じて世界との対話を試みた新作『Singing of The Herbs』。ピアノを中心とし、ヴォーカルやスポークン・ワード、ストリングスなども交えたバラエティに富んだ楽曲が収録されており、どこか神秘的で厳かな雰囲気を漂わせる美しい作品だ。

  • 2025-12-18
  • 2025-12-18

百年の時を超えるレトロモダンな王道エレクトロ・スウィング。Tape Five新作『Fizzy Far Niente』

ドイツ出身の作曲家/音楽プロデューサー、マーティン・スタートハウゼン(Martin Strathausen)を中心とするプロジェクト、テイプ・ファイヴ(Tape Five) の2025年新譜『Fizzy Far Niente』。まさにエレクトロ・スウィングの王道を行く、100年の時を超えるレトロモダンなサウンドは今もなお、かっこいい。

  • 2025-12-16
  • 2025-12-18

多彩な技巧で魅せるフランス出身のギター奏者ミカエル・ヴァレアヌ、”旅”をテーマにした新作

フランス出身、米国NYを拠点に活動するジャズギタリスト、ミカエル・ヴァレアヌ(Michael Valeanu)のトリオによる新譜『Road Songs』。“旅”をテーマに、タイムレスな名曲をメインに演奏する親しみやすいアルバムだ。旅路を共にするトリオのメンバーはチリ出身のドラマー、ロドリゴ・レッカバレン(Rodrigo Recabarren)と、米国のベース奏者ジュリアン・スミス(Julian Smith)。

  • 2025-12-12
  • 2025-12-12

クリスチャン・エスクーデの”最後のピアニスト”アントワン・エルヴィエによる至高のトリビュート

フランスのジャズピアニスト、アントワン・エルヴィエ(Antoine Hervier)の2025年新作『Navigue loin - Looking at Christian Escoudé』は、彼がそのバンドの最後のピアニストとして在籍していた、2024年に他界したフランスを代表するジプシージャズ・ギタリストであるクリスチャン・エスクーデ(Christian Escoudé, 1947 - 2024)のトリビュート・アルバムだ。アルバムにはエスクーデが遺した10曲(11トラック)が選ばれており、ピアノトリオを中心に、数曲でゲストを加えて魅惑のジプシー・ジャズの世界へと誘う好盤となっている。

  • 2025-12-10
  • 2025-12-09

北欧ジャズの象徴ブッゲ・ヴェッセルトフト、世代を超えた特別な才能たちを招いた新作『Am Are』

ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。

  • 2025-12-08
  • 2025-12-07

スコットランドの正統派ジャズシンガー、ルイーズ・ドッズが全曲オリジナルで贈る新譜

スコットランド出身のシンガー/作曲家ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)の新作『All I Know』。アヴィシャイ・コーエン・トリオに参加したことで世界的に知られるアゼルバイジャン出身ピアニストのエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)とのデュオで発表した前作『Two Hours After Midnight』はスコットランドの美しい歌曲集だったが、今作は全曲を彼女のオリジナルでまとめ上げ、ジャズ・ヴォーカリストとしてオリジナリティを追求した作品となっている。

  • 2025-12-05
  • 2025-12-05

ジョンスコ&デイヴ・ホランド。二人のレジェンドが親密に語り合う傑作『Memories of Home』

積み重ねてきた文化の深み、絆の強さを感じさせる。ジャズの半世紀を支えてきた二人のレジェンド、ジョン・スコフィールド(John Scofield)とデイヴ・ホランド(Dave Holland)の初のデュオ・アルバム『Memories of Home』がECM Recordsからリリースされた。今作では二人が過去に作曲した代表曲や、新たに書き上げた曲を演奏する。

  • 2025-12-03
  • 2025-12-03

エチオジャズを軸に多文化共生サウンドデザインで魅せる。Black Jesus eXperience『Time Telling』

エチオピア出身で、難民生活を経てオーストラリアに移住したシンガー、エヌシュ・タイエ(Enushu Taye)が率いる10人以上のミュージシャンや詩人から成るジャズ・コレクティヴ、ブラック・ジーザス・エクスペリエンス(Black Jesus eXperience)の新作アルバム『Time Telling』は、エチオピアの伝統音楽にジャズやファンク、ヒップホップを融合した濃密な音楽体験を約束する作品だ。

  • 2025-12-02
  • 2025-12-01

エンリコ・ピエラヌンツィ、旧友エンニオ・モリコーネに捧ぐ魂のソロピアノ

アマプラでドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(2021年)を観て、やっぱりモリコーネの音楽は素晴らしいな、と思いながらApple Musicで「ガブリエルのオーボエ」を聴こうと検索したら、タイムリーにエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)がモリコーネ曲集のEPをリリースしていたことを知った。

  • 2025-11-29
  • 2025-11-26

ロンドン拠点のブラジル人打楽器奏者率いるプロジェクト、Babo Moreno 大絶賛のデビュー作

ブラジルにルーツを持ち、ロンドンで生まれ育った打楽器奏者ファビオ・ヂ・オリヴェイラ(Fábio de Oliveira)が率いるプロジェクト、バボ・モレーノ(Babo Moreno)のデビュー作『Babo Moreno』。この作品に寄せられた次の賛辞は、多様さを極めるロンドンのジャズシーンに忽然と現れた彼と、その作品への期待が滲み出ている。

  • 2025-11-28
  • 2025-11-26

総勢300人以上の音楽家が参加。カルナティック・プログレの雄、Agamが放つ伝統と革新の極致

インド・カルナータカ州都ベンガルールを拠点とするカルナティック・プログレッシヴ・ロックバンド、アガム(Agam)が8年の制作期間を要し完成させた3rdアルバム『Arrival of The Ethereal』。長い歴史を持つインド古典音楽と近代的なプログレの絶妙なブレンドは斬新で、その高い完成度も相まって新鮮な驚きに満ちた壮大な音楽世界が展開される優れたアルバムだ。

  • 2025-11-27
  • 2025-11-27

クレズマー・クラリネットの王者Yomが、“静寂のリズム”に見出した音楽表現の新境地

“クレズマー・クラリネットの王者”ことフランスのクラリネット奏者/作曲家ヨム(Yom)が、新作『LE RYTHME DU SILENCE』でヴァイオリン奏者テオ・セカルディ(Théo Ceccaldi)とチェロ奏者ヴァランタン・セカルディ(Valentin Ceccaldi)の兄弟とともに、深い瞑想の中に潜む“静寂のリズム”を紡ぎ出す。

  • 2025-11-26
  • 2025-11-25

まるで楽園のようなアルゼンチン音楽。フェデリコ・アレセイゴル新作『.ar』

アルゼンチンの現代ジャズ/ネオフォルクローレを代表するSSW/ピアニスト、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)の2025年作『.ar』の美しさは、格別だ。ジャズとアルゼンチン・フォルクローレが高度に混ざり合ったリオプラテンセの独特な音楽作品群の中でも一際輝く、素晴らしい作品だ。