- 2025-05-17
- 2025-05-16
アフリカとジャズを再び繋ぐ。セネガル出身ベーシスト、アルネ・ワデ『New African Orleans』
セネガル出身のベーシスト/作曲家アルネ・ワデ(Alune Wade)は、新作『New African Orleans』で、タイトルが象徴するようにジャズの発祥地ニューオーリンズと、アフリカ文化との繋がりを探求している。本作は単なる音楽ジャンルや文化の融合ではなく、アフリカとそのディアスポラの歴史、魂、そしてレジリエンスを讃える対話だ。
セネガル出身のベーシスト/作曲家アルネ・ワデ(Alune Wade)は、新作『New African Orleans』で、タイトルが象徴するようにジャズの発祥地ニューオーリンズと、アフリカ文化との繋がりを探求している。本作は単なる音楽ジャンルや文化の融合ではなく、アフリカとそのディアスポラの歴史、魂、そしてレジリエンスを讃える対話だ。
エストニア出身のピアニスト/作編曲家ラーヘル・タルツ(Rahel Talts)は、クラシックとジャズ、そして北欧の民族音楽に根差した音楽家として注目すべき新星だ。彼女は2025年リリースの新作『New and Familiar』で、エストニア、デンマーク、リトアニア、ポーランドの出身者から成る14人編成のアンサンブルを率い、知性と感性の見事な調和を示す彼女自身の才能と、それを極めて美しく具現化するバンドメンバーたちとの強い絆を証明してみせている。
イラク、モロッコ、ポーランドにルーツを持つイスラエルのピアニスト、ガイ・ミントゥス(Guy Mintus)がイスラエルの音楽に焦点をあてた『The Great Israeli Songbook』は、ソロピアノの新しい名盤だ。キャッチーだが心に残る美しいメロディーから、中東特有のマカームの旋律まで、イスラエルに伝わるバラエティ豊かな名曲を天才的なピアノで吟遊詩人のように現代に伝えている。
ドイツのベーシスト/作曲家ニルス・クーゲルマン(Nils Kugelmann)が、“人生のサウンドトラック”をテーマに据えた第2作目『Life Score』をACTレーベルよりリリースした。高く評価された前作『Stormy Beauty』と同様、ピアノにルカ・ザンビート(Luca Zambito)、ドラムスにセバスチャン・ヴォルフグルーバー(Sebastian Wolfgruber)とのトリオで、より緻密で力強く物語性のある現代ジャズを聴かせてくれる秀逸な作品に仕上がっている。
オランダの新鋭サックス奏者/作曲家、ルーク・ファン・デン・ベルフ(Loek Van Den Berg)の新譜『Seafarer』が素晴らしい。楽曲は全てオリジナルで、サックス、トロンボーン、ピアノ、ベース、ドラムスのクインテット編成によって抒情的で美しいテーマ、高度なインタープレイ、幅広い音楽性をバランスよく兼ね備えた音楽体験を約束する。
2014年作『Devil's Tale』での世界的な成功をを経て、ルーマニアのブラスバンド、ファンファーレ・チョカルリア(Fanfare Ciocărlia)と、カナダのギター/バンジョー奏者エイドリアン・ラソ(Adrian Raso)が再びタッグを組んだ。彼らの新作『The Devil Rides Again』にはオリジナル8曲とカヴァー3曲を収録。爆発的なバルカンブラスと、ロカビリーやマヌーシュ・ジャズを融合したまさに“悪魔的な”サウンドで、世界を再び酔狂させる。
イスラエル出身、若干19歳でアヴィシャイ・コーエン・トリオに抜擢され世界的に知られるようになり、ECMでのリリースなどを経て現在はスペインを拠点に活動するピアニスト/作曲家のシャイ・マエストロ(Shai Maestro)が自身初のソロピアノ作『Solo: Miniatures & Tales』をリリースした。
1960年にノルウェーのオスロで生まれ、小さな港町ラルヴィクで育ったベーシスト/作曲家テリエ・ゲヴェルト(Terje Gewelt) 。10歳のときにギターを手にし弦の振動に心を奪われ、14歳でエレクトリックベースに魅了され、17歳でアコースティックベースと運命的な出会いを果たした彼はその後渡米し名門バークリー音楽大学でジャズを学び、ジャコ・パストリアスやデイヴ・ホランドに個人指導を受け、その技と感性を磨いてきた。
50年以上にわたりインドと西洋の音楽の架け橋であり続けるインド出身の打楽器奏者/作曲家トリロク・グルトゥ(Trilok Gurtu)が新譜『Mirror』をリリースした。アルケ・ストリング・カルテット(Arke String Quartet)との再共演となる今作は、彼のキャリアを通じて一貫している多文化的なアプローチをさらに深化させたものだ。インドの伝統音楽に深く根差しながら、ジャズやファンク、西洋の古典音楽、アフリカの伝統的なリズムなど様々な文化的要素が見事に調和したリズムが素晴らしい。
国境を越えあらゆる音楽を吸収するフランスの鬼才ピアニスト/フルート奏者/作曲家ダヴィド・オーべイル(David Aubaile)。彼がカナダ出身のベース奏者クリス・ジェニングス(Chris Jennings)と、アルジェリア出身のドラムス奏者カリム・ジアド(Karim Ziad)と組んだ2024年作『Trafiquants』が最高に面白い。
ベナン、ベルギー、イタリアとそれぞれ異なるルーツを持つ3人によるマコンド・トリオ(Macondo Trio)。ガブリエル・ガルシア=マルケスが『百年の孤独』で描いた魔法のような町の名前に因むトリオは、ヨルバ語で「喜びを見つけた」という意味を冠する新作『Morayò』で、ジャズやアフリカのリズム、アラブ文化が共生する奥行きのある音楽観を提示している。
ベルギー・ブリュッセルを拠点に活動する多国籍ジャズバンド、アレフ・クインテット(Aleph Quintet)の第2作目『Hiwar』。アルバム名はアラビア語で「対話」を意味し、ジャズと北アフリカ音楽の“対話”を通じて異なる文化的視点や音楽的感性を結びつけようとする彼らの姿勢を強く反映した作品となっている。
西洋クラシックの作曲家の名曲をアフロ・カリビアン音楽で再解釈するプロジェクトが人気の米国のピアニスト/作編曲家ヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)が最新作『Afro Bach』をリリースした。その名のとおり、“音楽の父”ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)の名曲を独創的にカヴァーしており、そのアイディアに驚き(そしてたくさんの楽しさ)を提供してくれるアルバムとなっている。
Portico Quartetのベース奏者/作曲家ミロ・フィッツパトリック(Milo Fitzpatrick)率いるヴェガ・トレイルズ(Vega Trails)が、絶賛された前作『Tremors in the Static』から3年ぶりとなる待望の2ndアルバム『Sierra Tracks』をリリースした。木管奏者ジョーダン・スマート(Jordan Smart)とのデュオ編成だった前作から楽器のパレットを大きく拡げ、ピアノやドラムス、室内楽オーケストラを加えた編成で幻想的で美しい音楽を繰り広げる傑作となっている。