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Israeli Jazz

イスラエル・ジャズ

  • 2026-03-15
  • 2026-03-11

中東、ブラジル、アフリカ……自身の多様な音楽的ルーツを取り込んだオメル・クライン新作

イスラエル出身のピアニスト/作曲家、オメル・クライン(Omer Klein)の新譜『The Poetics』は、長年活動を共にするベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)に加え、オランダのアルトサックス奏者ティネカ・ポスマ(Tineke Postma)、イスラエルのテナーサックス奏者オムリ・アブラモフ(Omri Abramov)、さらにコロンビア出身の打楽器奏者トゥパク・マンティージャ(Tupac Mantilla)というセクステット編成が特徴のアルバム。

  • 2026-03-10
  • 2026-03-14

シャイ・マエストロ新境地。ペルシャの詩人ルーミーに触発された新譜『The Guesthouse』

現代ジャズを代表するピアニスト/作曲家のシャイ・マエストロ(Shai Maestro)の新作『The Guesthouse』は、時空すらも操っているのではないかと思わせるほど優れた傑作だ。彼の音楽は世界のユートピアを描くと同時に、ディストピアも体現する。その場の感情を、彼らがその長い人生のなかで培ってきた技術で即興的に表出する音楽である「ジャズ」を、ここまでアーティスティックに昇華した作品はほかになかなか見られない。個人的にシャイ・マエストロは2016年の名盤『The Stone Skipper』が頂点だと感じていたが、今作はそれを遥かに超えてきた。

  • 2026-03-07
  • 2026-03-17

テナーサックスの導師オデッド・ツール、その管に吹く微風、そして痛みを伴った驚くほど激しい熱風

オデッド・ツール(Oded Tzur)が奏でるテナーサックスは、ごくごく普通の真鍮製の楽器なのに、なぜだか“木の音”がする。もっと言えば、木管の中をとおる、“風の音”がする。オデッド・ツールのテナーサックスはいつもとても繊細で、まるでヨガの呼吸の延長にあるかのようだった。けれど、2026年3月初頭にリリースされた彼の新作『Make A Sound』を聴いて、正直僕はかなり驚いた。

  • 2026-03-04
  • 2026-03-03

激動の時代を生きるイスラエルの若きピアニスト、エデン・ギアットは心の拠り所を求めている

“古代ユダヤの民族伝統を深く掘り下げ、遺産と現代アートを織り交ぜた、今この瞬間に息づく伝統の真髄を捉えた洗練された魂の旅”──。イスラエル・ジャズの若き正統な後継者、エデン・ギアット(Eden Giat)。クラシックを礎とした端正な技巧と、ユダヤの伝統的な文化に由来するリリシズムを併せ持った注目のピアニストが、自身2枚目となるリーダー作『Eifo Halev』をリリースした。

  • 2026-02-24
  • 2026-02-23

ユダヤ文化とジャズの即興芸術を深く繋ぐ。異色の経歴の音楽家ヨセフ・ガトマン新譜『夜の断片』

南アフリカで生まれ、NYでジャズ・ベーシストとして活躍し、10年ほどの活動休止を経て現在はイスラエル・エルサレムで静かながら文化的に重要な音楽活動の動きを見せるヨセフ・ガトマン(Yosef Gutman) は、──彼自身はそう呼ばれることをあまり好まないかも知れないが──特別な音楽家だと断言してよいだろう。

  • 2026-02-06
  • 2026-02-05

インディー・フォーク、エレクトロニック、ジャズが融合する叙情的音空間。エリー・パールマン新作

イスラエル・テルアビブ出身、現在はニューヨークのマンハッタンを拠点とするギタリスト/シンガーソングライターのエリー・パールマン(Ely Perlman)による2025年作『Everything Should Be』は、ドリーミーなベッドルーム・ポップとジャズを掛け合わせたような白昼夢的サウンドが心地よい作品だ。演奏にはゲストとして彼が所属するバンド「Ursa Major」のリーダーであるベース奏者クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)や、イスラエルを代表するピアニストのシャイ・マエストロ(Shai Maestro)なども参加。

  • 2025-12-19
  • 2025-12-19

ユダヤ伝統をグローバルと接続する。ピアニストのヨタム・イシャイ新作『Singing of The Herbs』

イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヨタム・イシャイ(Yotam Ishay)が、8ヶ国から23人のミュージシャンを招き、伝統的なユダヤ音楽をベースに、ジャズを通じて世界との対話を試みた新作『Singing of The Herbs』。ピアノを中心とし、ヴォーカルやスポークン・ワード、ストリングスなども交えたバラエティに富んだ楽曲が収録されており、どこか神秘的で厳かな雰囲気を漂わせる美しい作品だ。

  • 2025-09-14
  • 2025-09-14

独自の詩的情景を描くギタリスト、ヨアヴ・エシェド『Guitar Hearts』が映すNY現代ジャズの多様性

クラシック・ピアニストとしての経験から生み出された独自のアプローチで注目されるジャズ・ギタリスト、ヨアヴ・エシェド(Yoav Eshed)の新作『Guitar Hearts』がリリースされた。今作もカルテット編成を基本としており、NY出身のベース奏者ベンジャミン・ティベリオ(Benjamin Tiberio)と、韓国出身でNYで活躍するドラマーキム・ジョングク(Jongkuk Kim)を前作から引き続き起用。ここに新たにGTOトリオで知られるピアニストのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)が加わり、全編で素晴らしい演奏が繰り広げられる。

  • 2025-09-09
  • 2025-09-05

闘病する我が子への切実な想い、現代最高峰ギター奏者ロテム・シヴァン新譜『Heart Thieves』

現代ジャズ・ギターの第一人者の一人、ロテム・シヴァン(Rotem Sivan)の2025年の新作『Heart Thieves』がリリースされた。コアトリオを組むのはニューヨークでも注目を集める二人の若手、ニュージーランド出身のベース奏者ハミッシュ・スミス(Hamish Smith)とNYブロンクス生まれのドラマー、ミゲル・ラッセル(Miguel Russell)。

  • 2025-08-27
  • 2025-08-26

トゥモローズ・ウォリアーズから、また凄い新人が現れた! 中東ルーツのナダフ・シュニールソン、デビュー。

中東にルーツを持つイギリス・ロンドン出身のドラマー/作曲家ナダフ・シュニールソン(Nadav Schneerson)が、7人編成のバンドを率いて録音したデビュー作『Sheva』が面白い。多様かつ優れた若手ジャズ・アーティストを輩出し続けるトゥモローズ・ウォリアーズ(Tomorrow’s Warriors)出身の彼は、文化的多様性の坩堝である同団体で得た多くの学びと、ユダヤ人である自身のルーツを融合させ、熱狂的なジャズ・アンサンブルを創り上げた。

  • 2025-08-23
  • 2025-08-24

生のアンサンブルの興奮を凝縮! 鬼才エレズ・アヴィラムがオクテットで挑戦する『ENSEMBLE』

イスラエル・プログレ〜ジャズ界隈の代表的ピアニスト/作曲家のエレズ・アヴィラム(Erez Aviram)がオクテットを率いてニューヨークで録音した新作 『ENSEMBLE』が素晴らしい。彼のピアノはもちろんのこと、管楽器も弦楽器もそれぞれが主役となる稀有なアンサンブルによって、エレズ・アヴィラムという鬼才の音楽の源泉であるジャズ、プログレ、中東音楽、各地のワールド・ミュージックの折衷的で驚きに満ちた音世界が豊かに広がる。

  • 2025-08-11
  • 2025-08-11

エレガットで奏でる甘美なジャズ。以女性ギタリスト、インバール・フリードマン新作『Mercy』

イスラエル出身のギタリスト、インバール・フリードマン(Inbar Fridman)の新譜『Mercy』。バンドメンバーには鍵盤奏者のカティア・トゥーブール(Katia Toobool)、ベーシストのリオール・オゼリ(Lior Ozeri)、ドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)を迎えている。メロウなトーンのインバール・フリードマンのギターを中心に、とろけるようなエレピやフレットレス・ベースが絡む良質なエレクトリック・ジャズだ。

  • 2025-08-02
  • 2025-08-03

現代ジャズ・ハーモニカの旗手ヨタム・ベン=オール、“諸行無常”をテーマにした美しい新作

現在のジャズ・ハーモニカの第一人者、イスラエル出身のヨタム・ベン=オール(Yotam Ben-Or)の新譜『Impermanence』がリリースされた。長年のコラボレーターであるベネズエラ出身のピアニストのガブリエル・チャカルヒ(Gabriel Chakarji)らを擁するカルテットを中心とし、南米や中東の伝統的な素朴で印象に残るメロディーから、キューバやベネズエラの音楽に触れたことで形成された複雑なリズムまで、音楽家としての彼の繊細で豊かな感情に触れることのできる一枚だ。