人気ピアノトリオ、Shalosh 通算6枚目のアルバム
現代ジャズを代表するピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)の2026年新作『What We Are Made Of』がリリースされた。オリジナルのほか、ロックやポップスからの大胆なカヴァーも収録。凝ったアレンジとダイナミックな演奏で、万人が楽しめるアルバムとなっている。
2014年の結成以来、ジャンルに捉われず音楽をオープンに捉え、ロック、アラブ音楽、西洋クラシック音楽、ポップスといった様々な要素をジャズを中心とした技法を用いて独自に解釈してきたShalosh。今作でも英国の人気バンド、ミューズ(Muse)のヘヴィロック・ナンバーである(2)「Hysteria」、オアシス(Oasis)の世界的大ヒット曲(4)「Don’t Look Back in Anger」、オーストラリアの歌手ナタリー・インブルーリア(Natalie Imbruglia)の2000年代初頭のヒット・バラード(7)「Torn」、90年代のユーロポップ・アンセムであるアクア(Aqua)の(8)「Barbie Girl」と、一見すると手当たり次第にも思える無謀な選曲だが、どれも一筋縄ではいかない彼ら独自の工夫が凝らされ、Shaloshの個性を際立たせる。
派手で耳を惹くカヴァー曲に比べると、今作のオリジナルは内省的で感情の深みを表現した曲が多い。トリオのピアニストであるガディ・スターン(Gadi Stern)が、娘エラとレバノンの詩人ハリール・ジブラーン(Khalīl Gibrān, 1883 – 1931)の詩にインスパイアされ作曲した(1)「Ella Plays」や、どこまでも美しく抒情的な(3)「Once Upon a Melody」や(5)「Point of Gravity」など、彼らの成熟ぶりが伺える。
現代イスラエル・ジャズを代表するピアノトリオ
ヘブライ語で「3」を意味するバンド名を持つShalosh(シャローシュ)は、ピアノのガディ・スターン(Gadi Stern)とドラムスのマタン・アサヤグ(Matan Assayag)の幼馴染みだった二人に、デビューアルバムのためにベースのダニエル・ベンホリン(Daniel Benhorin)が加わって2014年に結成された。その後ベーシストはダヴィド・ミハエリ(David Michaeli)に交代し、現在もこの3人で活動を続けている。ジャズのピアノトリオだが、クラシック、グランジ、ロック、テクノ、フォークといったメンバーの音楽の好みを楽曲の中に取り入れ、独自の表現に定評がある。
年間の多くは世界中でツアーを行っており、これまでの最長では60日間で42ギグ、10か国で総計20,000kmのツアーの経験も。彼らの楽曲の多くはツアーの最中、移動中の車中などギグからギグの合間で作曲されている。2016年には横浜の赤レンガ倉庫で開催された横濱ジャズプロムナードに招聘され、その熱い演奏がSNSなどで絶賛された。
Shalosh :
Gadi Stern – piano
David Michaeli – double bass
Matan Assayag – drums