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アフリカ音楽

  • 2025-03-08
  • 2025-03-08

ガーナの伝統と未来を描く“フラフラ・ゴスペルの女王”フローレンス・アドーニ、傑作デビュー作

ガーナの“フラフラ・ゴスペル・クイーン”として注目される歌手フローレンス・アドーニ(Florence Adooni)による国際シーンにおけるデビュー作『A.O.E.I.U. (An Ordinary Exercise In Unity)』。伝統と革新の絶妙なバランス、力強いヴォーカルと洗練されたプロダクション、そして“団結”という普遍的なメッセージによって多くのリスナーに強いインパクトを残す作品となっている。

  • 2025-02-08
  • 2025-02-08

南アフリカの新星ロリサン・セシェレ、とてつもなく大きく花開く予感のするデビュー作『The Seed』

南アフリカ・プレトリア生まれの作曲家/シンガー、ロリサン・セシェレ(Rorisang Sechele)が初のアルバム『The Seed』で華々しいデビューを飾った。彼女のプロジェクト「In Full Bloom」は花(とりわけ、蘭)のライフサイクルの各段階にインスピレーションを得ており、歌詞と音で自己発見の本質を捉えている。そのプロジェクト発の最初のリリースである本作では、成長の最初期の段階についての考察を、ジャズ、ソウル、R&Bを巧みに融合したサウンドで美しい物語に仕立て上げた。

  • 2025-01-04
  • 2025-01-04

トーゴ発の衝撃的アフロ・サイケ傑作!アラガア・ビートがアフリカ音楽の新時代を開拓する

トーゴ出身で米国ワシントンD.C.に20年間住み、現在はトーゴの首都ロメとワシントンD.C.を行き来するシンガーソングライター/ギタリストのドゴ・デュ・トーゴ(Dogo Du Togo)が率いるバンド、アラガア・ビート・バンド(The Alagaa Beat Band)のデビュー・アルバム『Avoudé』。彼が“アラガア・ビート”と呼ぶサウンドは、トーゴの伝統的なリズムや旋律にロックやファンクの要素が絡み、エネルギーに溢れる独特の創造的な音楽を作り上げている。

  • 2024-11-26
  • 2024-11-25

ジンバブエ・ヴィクトリアの滝から現れた最高のアフロ・フュージョンバンド、Flying Bantu

世界最大の瀑布であるジンバブエのヴィクトリアの滝近くを拠点とするバンド、フライング・バントゥー(Flying Bantu)。非常に洗練されたアフロ・フュージョンで、ファンク、レゲエ、ロック、ジャズの要素が混ざり合ったサウンドに英語やバントゥー語の歌詞が乗る。楽器は一部でムビラの音色が聴こえるほかはほぼ西洋楽器で、スケールなども西洋音楽のものなので民族音楽色はかなり薄いが、それが逆に耳馴染みの良さに繋がっている。

  • 2024-10-25
  • 2024-10-25

カメルーンをルーツに持つベルギーの女性コラ奏者/SSWルビアナ、音楽の本質を捉えた傑作新譜

カメルーンとベルギーのハーフであり、世界的に見ても珍しい女性コラ奏者/シンガーソングライターのルビアナ(Lubiana)の新譜『Terre Rouge』が素晴らしい。アルバムのタイトルはフランス語で“赤い大地”を意味する。それは彼女が幼少期から毎年家族とともに訪れた父の故郷アフリカ・カメルーンの真っ赤な土の色の記憶であり、コラの繊細な音に乗せて歌うその声にはアフリカへの強い望郷の想いが滲む。

  • 2024-10-19
  • 2024-10-19

ルゾフォニアと地中海音楽の魅力を凝縮したバンド、Ayom。3つのテーマから成る傑作新譜『Sa​.​Li​.​Va』

ブラジル、アンゴラ、イタリア、ギリシャ出身の6人のメンバーで構成され、ポルトガルのリスボンとスペインのバルセロナを拠点とする多文化バンド、アヨム(Ayom)の2ndアルバム『Sa​.​Li​.​Va』が素晴らしい。ブラジル出身で2008年にバルセロナに移住した女性ヴォーカリスト/打楽器奏者ジャブー・モラレス(Jabu Morales)を中心とするバンドは、ブラジル、アンゴラ、そしてカーボベルデというルゾフォニア(ポルトガル語圏諸国)の音楽文化を結び、そこに地中海沿岸の伝統音楽の影響も加え、とても面白い作品を作り上げた。

  • 2024-09-23
  • 2024-11-23

トランペットに新時代到来! イブラヒム・マアルーフが導くジャズ・ルネッサンス

フランスのジャズ・トランペットのスーパースター、イブラヒム・マアルーフ(Ibrahim Maalouf)が16枚目のスタジオ・アルバム『Trumpets of Michel-Ange』をリリースした。編集やオーバーダブを用いず、大人数のバンドでライヴ録音された作品で、凄まじいほどの熱を帯びる。“ミケランジェロのトランペット”というタイトルは単にアルバムのタイトルというだけでなく、半世紀以上前に彼の父親が発明し、彼のトレードマークでもあるユニークな四分音トランペットを世界に広め、誰もが楽しめるようにすることを最終目標とする、大規模な教育プロジェクトの名称(T.O.M.A.)でもある。

  • 2024-09-14
  • 2024-09-28

まさに読む音楽。ミシェル・ンデゲオチェロの最新作『No More Water: The Gospel of James Baldwin』

タイトルに冠されたアフリカ系アメリカ人の思想家・ジェームズ・ボールドウィン(James Boldwin)。彼にインスパイアされた本作は、近年のアートポップ路線でありながらも、ポリティカルでより人間の内面を炙り出すようなメッセージ性の強い作品に仕上がった。"読む音楽"と呼びたくなる示唆に富んだミシェル・ンデゲオチェロの最新作を紐解いていきたい。

  • 2024-08-16
  • 2024-08-15

マロヤ、ブラジル、アフリカ、中東… 雑多な影響源を洗練されたサウンドに凝縮。Bonbon Vodou 新作

歌手オリアーヌ・ラカイユ(Oriane Lacaille)をフィーチュアしたレユニオン島の音楽・マロヤを受け継ぐフランスのバンド、ボンボン・ヴォドゥ(Bonbon Vodou)の2024年新作EP『Afrodiziak』が素晴らしくヤバい。たった4曲のEPだが、これは必聴だ。多数のパーカッションが生み出す南国のグルーヴ(それは決してマロヤの範疇に留まらない)と、フランス語とレユニオン・クレオール語による新鮮なサウンドが耳を貫き、体を激しく揺さぶる。

  • 2024-07-25
  • 2024-07-24

Auster Loo、アフリカ、西洋、中東から日本までをも包む多国籍民族ジャズ

2016年に打楽器奏者シモン・ルルー(Simon Leleux)とフルート奏者リディー・トナール(Lydie Thonnard)の二人でアルバム『Rhythm and Breath』でデビューしたベルギーのデュオ、Auster Loo が多様なバックグラウンドを持つミュージシャンたちを迎えて制作した2ndアルバム 『Collective』をリリースした。アフリカから西洋、東洋まで、無国籍で混ざり合った豊かな音楽が楽しめる優れたワールドミュージック×ジャズの作品だ。

  • 2024-07-11
  • 2024-07-12

これぞ至高、現代のアフロ・スピリチュアル・ジャズ。Àbáse 新作『Awakening』

ハンガリー出身のマルチ奏者/作曲家サボルチ・ボグナール(Szabolcs Bognár)のプロジェクト、アバセ(Àbáse)の新作『Awakening』がリリースされた。強めのブラジル音楽エッセンスで絶賛された前作『Laroyê』(2021年)と比較すると今作はよりルーツ回帰的で、アフロ・スピリチュアルな生々しいグルーヴを全編に湛えている。

  • 2024-07-06
  • 2024-07-06

独自の“ワールド・ミュージック”を探求するAO Music、多文化共生を祝う新作『Otherness』

AO(エイオー)とは、古代ポリネシア語で“純粋な光”あるいは“すべての色”を指すらしい。セントルイス出身のリチャード・ギャナウェイ(Richard Gannaway)とジェイ・オリヴァー(Jay Oliver)を中心に2000年にデビューしたエイオー・ミュージック(AO Music)。独自の“ワールド・ミュージック”を探求し続けてきた彼らが、通算7枚目の新作『Otherness』をリリースした。

  • 2024-06-29
  • 2024-06-29

大西洋両岸のルゾフォニアを繋ぐ打楽器奏者ルカ・レボルダン、自身のキャリアを総括するデビュー作

アンゴラ出身、青春時代をブラジルで過ごし、現在はポルトガルを拠点とするパーカッション奏者ルカ・レボルダン(Ruca Rebordão)。これまで200枚以上のアルバムの録音に参加してきたというベテランだが、彼自身の名義としてはこれが初めてのアルバムになるそうだ。『Mestiço Atlântico』、“混血の大西洋”と題された今作で、彼がこれまで過ごしてきたポルトガル語文化圏での多様な音楽をひとつのサラダボウルに入れ、大西洋の両岸をつなぐ壮大な音空間を作り上げた。