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ベース

  • 2024-08-30
  • 2024-08-30

アレックス・カッレーリと旅する地球儀。サンパウロからバンガロール、そしてガザへ──

イタリアのベーシスト/作曲家アレックス・カッレーリ(Alex Carreri)の新譜『a time and a place』は、終始高めのテンションで疾走する感覚が最高に堪らないジャズ/フュージョン作品だ。大半はインストだが、(2)「São Paulo to Bangalore」に現代最高峰のインド系ヴォーカリスト、ヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)が参加したり、3曲でトランペットの巨匠ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)が参加したりと聴きどころも満載。わかりやすいカッコよさで、万人におすすめできるアルバムと言えるだろう。

  • 2024-08-25
  • 2024-08-25

美しく力強い北欧ジャズの隠れ名盤。ベース奏者スヴァンテ・セーデルクヴィスト『The Rocket』

スウェーデンのベース/チェロ奏者/作曲家のスヴァンテ・セーデルクヴィスト(Svante Söderqvist)の2023年作『The Rocket』は、どこまでも美しく深みのある楽曲と演奏が続く北欧ジャズの絶品だ。ピアノトリオ編成をメインに、曲によってはアコーディオンやクラリネットも参加し、抒情的で豊かな音楽を紡いでいく。

  • 2024-08-23
  • 2024-08-23

夢見心地のベッドルーム・ジャズポップ。フレデリコ・エリオドロ新譜『Máximos Eventos』

ブラジル・ミナスジェライス出身のベーシスト/マルチ奏者/SSWフレデリコ・エリオドロ(Frederico Heliodoro)が自身名義の新作EP『Máximos Eventos』をリリースした。ベッドルーム・ポップの繊細さと、高度なジャズの要素がミナス特有の浮遊感に見事に融合した、短いながらも幸福感に溢れた美しい音楽に浸ることができる。

  • 2024-08-06
  • 2024-08-06

ロンドンのベーシスト、ダニエル・カシミールが超豪華オーケストラと共に描き出す現代ジャズ絵巻

イギリス・ロンドンを拠点に活動するベーシスト/作曲家ダニエル・カシミール(Daniel Casimir)が新譜『Balance』をリリースした。絶賛された前作『Boxed In』に引き続きジェイムズ・コパス(James Copus, tr)やヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia, sax)らを揃えた絢爛なジャズ・オーケストラを従えつつ、ドラマーはモーゼス・ボイド(Moses Boyd)からジェイミー・マーレイ(Jamie Murray)に交代。人力ドラムンベースを主体とした解像度の高いドラミングで、ロンドンの現代ジャズのかっこよさが全面に押し出された。

  • 2024-06-21
  • 2024-06-11

ジャンルレスなデンマークの現代ジャズを象徴する美しいアルバム。Hvalfugl + 弦楽団『Drømme』

デンマーク・オーフスのジャズトリオ、イヴェイフール(Hvalfugl)は新作『Drømme』で同郷の弦楽合奏団フー・キルド・バンビ(Who Killed Bambi)とコラボレーションし、静謐で深遠な音楽の世界へとリスナーを誘う。スカンジナビアの伝統音楽、西洋クラシック音楽、そしてジャズが境界なく溶け合い、デンマーク語で“夢”を表すタイトルのとおり、夢見心地の気持ちにさせてくれる美しい作品だ。

  • 2024-06-18
  • 2024-06-18

北欧ジャズのレジェンド e.s.t、その30周年の追悼盤。数多の感情のレイヤーを生み出すライヴ作

ジャズのひとつの歴史を作ったバンド、e.s.t.(Esbjörn Svensson Trio)が結成されたのは1993年。15年後の2008年6月に不慮の事故によってピアニストのエスビョルン・スヴェンソン(Esbjörn Svensson)は亡くなり、バンドは事実上の解散状態となったが、残されたドラマーのマグヌス・オストロム(Magnus Öström)とベーシストのダン・ベルグルンド(Dan Berglund)はその後もそれぞれの活動に勤しみながら、たびたびe.s.t.の活動を振り返るようなプロジェクトを発信してきた。

  • 2024-06-14
  • 2024-06-13

懐かしさと現代性が同居する、時代を超えた音楽。仏ベース奏者シルヴァン・ダニエル新譜

フランスのベーシスト/作曲家シルヴァン・ダニエル(Sylvain Daniel)の新譜『SlyDee』は、スライ&ザ・ファミリーストーン(Sly & the Family Stone)やハービー・ハンコック(Herbie Hancock)といった1970年代のジャズ/フュージョン、ジェームス・ブラウン(James Brown)のファンク、さらにはエレクトリック・マイルスやヒップホップを経由した時代を超越する豪華なサウンドを聴かせてくれる楽しいアルバムだ。

  • 2024-03-28
  • 2024-03-28

新時代のジャズを探求する南アフリカのバンド Kujenga、セプテット編成の新譜『In the Wake』

南アフリカ・ケープタウンを拠点とする7人編成のジャズバンド、クジェンガ(Kujenga)。スワヒリ語で“構築する”を意味するバンド名を持つ彼らの2枚目のアルバム『In the Wake』がリリースされた。トランペット、トロンボーン、テナーサックスの3管や電化ギター、ベースなどよくあるジャズ編成ではあるものの、アフリカ南部のアイデンティティを感じさせる力強いサウンドがとても素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-02-27
  • 2024-02-22

ベボ・フェラ、金子飛鳥、カルロス・ブスキーニ。地上のどこでもない幻想的フォーク・ジャズ

この地球上のどこかにありそうでなさそうな魅力的なフォーク・ジャズ。イタリア、日本、そしてアルゼンチンという互いに大きく距離の離れた場所から集ったマエストロたちが繰り広げるあまりに美しい音楽だ。イタリアのギター奏者ベボ・フェラ(Bebo Ferra)、日本のヴァイオリニスト金子飛鳥(Aska Kaneko)、アルゼンチンのベース奏者カルロス・エル・テロ・ブスキーニ(Carlos "El Tero" Buschini)のトリオ作『Tres Continentes』(三大陸)。

  • 2024-02-18
  • 2024-02-18

ユダヤの想いをジャズで表現するユセフ・ガトマン、新譜『The World And Its People』に込めた世界の在り方

2019年に音楽活動に復帰して以来、驚異的なペースで次々と傑作アルバムをリリースし続けているイスラエルのベーシスト、ヨセフ・ガトマン(Yosef Gutman)が新作『The World And Its People』をリリースした。今作は完全アンプラグドなベース、ギター、ピアノ、チェロの四重奏編成で、彼らしく素朴で温かな眼差しが感じられる優しい音楽に仕上がっている。

  • 2024-02-15
  • 2024-02-14

欧州ジャズ最高峰の3人が真摯に奏でる、おそろしいほどに美しく深いアルバム『Traveller’s Ways』

ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)、ベース奏者イェスパー・サムセン(Jasper Somsen)、そしてクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。長年にわたって欧州ジャズの高いクオリティと抒情性の代名詞的な存在だった巨匠3人によるトリオ作『Traveller's Ways』がリリースされた。